歴史書というのは高貴な身分や、権力のある人のことを中心に記録しているので、そうでない人物について書かれた歴史小説ってのはフィクションが混ざります。
たとえば宮本武蔵なんかは吉川英治の著作などで非常に有名で、また吉川版「宮本武蔵」に影響された作品も多数あります。
ところが実際にはそのかなりの部分がフィクションです。
樋口清之博士(この人も面白い人で、東大の医学部を中退して国学院の史学科にいった、ある意味変人といえます)という方が若いころに吉川英治の歴史アドバイザーとして作品づくりに協力していました。
その樋口博士がご自分の手記でそのように語っています。
宮本武蔵でも歴史に記録のない空白期間は普通にあります。
その空白はフィクションで埋めます。
あるとき宮本武蔵が千葉に上陸して、誰それと戦って勝ちを収めたという話をつくったところ、地元の方が「吉川先生の書かれたことなら間違いなかろ」ということでさっさと記念碑まで作ってしまったそうです。
そこがどこのことなのかは樋口博士も明言はしていませんでした。武士の情けでしょう。
お礼
なるほど・・・ いい学習になりました