>>中性子を吸収した原子核は核力のバランスが崩れるため、放射線を出す性質を帯びる。
>
>ここがシックリこないのです。
>中性子自体は放射線を出していないのですね?
>で。
>中性子によって核分裂をする際にEと放射線を出すのですね?
> ↑これはナゼなのでしょうか?
厳密に言うと中性子は放射線に含まれます。
放射線とは高エネルギーの電磁波であるγ線を除いては基本的に何らかの素粒子が
物体の中をスポスポ通過できるような猛スピードで飛行しているものを言います。
例えばSFに出てくる荷電粒子砲。
あれは何がしかの原子をイオンにして電荷を帯びた荷電粒子にしたものを
加速器で打ち出すというもので、現実にはがん治療などで炭素の原子核を
加速して患部に照射するというものが既に実用化されています。
…今のところ"大量の"原子核を簡単に加速する事ができず、戦艦どころか
一円玉すら吹っ飛ばせないので兵器化はかなり遠い未来になりそうですが。
という定義の話は置いておくとして、中性子を吸収したウランが核分裂を起こすのは
窓ガラスにパチンコ玉を撃ち込むが如く中性子の力で破壊されているわけではありません。
ウランの原子核が元々不安定で、もっと軽い別の種類の元素の原子核の方が
より安定であるため、ここに核力のバランスを崩す中性子が入り込む事で
エネルギーや放射線を放出して安定な他の元素に変わろうとするのです。
事実、ウラン自体不安定な放射性物質で他の元素に変化しながら
α崩壊とβ崩壊を何度も繰り返して最終的には鉛になってしまいます。
また、ウランは確率は低いながらも自発核分裂と言って中性子の助け無しに
核分裂して新たに中性子を出す事すらあります。
…余談ですが、ウランの大部分を占める同位体U238は中性子を吸収すると
プルトニウムPu239に変化し、これが中性子を吸収すると核分裂します。
しかし、核分裂せずに中性子を吸収してPu240 Pu241 といった同位体に
成長し、更にはアメリシウムやキュリウムといった超ウラン元素に成長する
ケースもあります。
この種の超ウラン元素はマイナーアクチニドといい、ただのウランより
自発核分裂して中性子を出す確率が高いため、使用済みの核燃料は
使用後の核燃料より強い放射性を帯びることになります。
…こないだも半減期の短いキセノンが出たから再臨界したのではと騒ぎになって
ましたが、結局こいつらの自発核分裂が原因だと言うことで決着しましたね。
臨界でなくても核分裂反応自体はきわめて低いレベルで続くもんなんです。
加えて言うと、原子炉の中でプルトニウムができるから日本は
核武装可能というのも、実際にはこれの所為で不可能です。
原爆の材料にするプルトニウムにマイナーアクチニドが大量に含まれてると
自発核分裂による中性子で爆弾自体が充分なエネルギーを作り出す前に
自壊してしまうフィズルという現象が起こるのですが、
核燃料が原子炉の中で中性子に曝される時間が長くなれば長くなるほど
プルトニウムがマイナーアクチニドに成長してしまう確率が高まるのです。
核開発用のプルトニウム生産炉はこのために燃料棒を簡単に引き抜いて
交換できる構造になってるのですが、発電用の軽水炉の場合
圧力容器の蓋を閉めて二年くらいそのまんまで燃やし続けるので
IAEAの目を盗んで不正な運転でもしないと兵器級のプルトニウムが作れないのです
あと、教員免許の件ですが
免許自体は大学で所定の単位さえ取ってしまえば後は県の教育委員会に
申請するだけなんで"単位だけ持ってる"って人は多分現役教員の
二十倍くらいはいると思います。
…少子化の時代ですし。
でまあ教員採用試験だけ考えてると、あれも大概受験勉強必要なんで
大卒で就職する機会を完全に逃しちゃうんですよねぇ…
お礼
>エネルギーや放射線を放出して安定な他の元素に変わろうとするのです。 他の元素に変わる事は[相転移]という言葉で良いですか? 中性子で分裂した原子核はEと放射線を出してから鉛状態に成るという事ですか?(核廃棄物?) フィズルという言葉は初めて聞きました。。 あと、教員免許の件ですが、 言われてみればそれほど特質な事ではないんですね。^^