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仕事について(同じ質問が多いでしょうが)
手で、水の入ったバケツを「じっと」持っていると、仕事=∫F・dr=0 です。 つまり、「手は、バケツに対し仕事をしていません」 しかし、体の持つ化学エネルギーは、 (バケツを持っていない場合と比べて) どんどん「いつまでも」失われていきます。 腕の応力とか、地上からバケツを持ち上げるための仕事 とか、考えたのですが、 「体の持つ化学エネルギーが「いつまでも失われ続ける」ことが、わかりません。 これは、どう考えれば、いいのでしょうか?
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こんにちは。 追加のご質問をいただいていましたね。 (1)電磁石の問題ですが、鉄塊に、「力」は加わっていますが、「エネルギー」は加わっていないとの意味です。 ロープに重りをつり下げたとき、ロープは重りに対し、上方向きの力を加えていますが、重りの位置が変わっていない以上、「エネルギー」を与えることができていない・・・ということと同等です。 (2)散逸系という単語を私はあまり使ったことがなく、慌ててインターネットで調べてみました。取り扱っているページにより単語の意義解釈)に少々差があるようですが、概ね先の私からのご説明の趣旨と合っているようです。 いかがでしょうか。
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- joshua01
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こんにちは。 似たような問題で悩んだことがあります。次のような説明ではいかがでしょうか。 ポイントは、「この問題は、通常のニュートン力学では説明できない。熱力学の考え方により説明する」というところ。 人体を使うと説明が難しくなるので、もっと単純に、 「電磁石で鉄塊をくっつけて落とさないようにする」 という問題にしてみましょう。 電磁石に貼り付けることでひとたびつり下げた鉄塊は、時間がたっても高さ(位置エネルギー)は変わりません。 でも、明らかに電流は流れ、エネルギー(電池)が消耗します。 このとき、電気のエネルギーは鉄塊にどのように加わったかというと・・・「鉄塊には加わっていません」ね。 電気エネルギーは電流として通過する段階で、コイルの電線の抵抗により熱に変換されているだけです。 確かに、もし、電線の抵抗が「0」だとすると、回路の一部に別にヒーター抵抗をいれてコーヒーをわかすことができます。 (ヒーターを入れずに接続すると電流が無限大になって回路が破綻する(現時には生じない)。また、スイッチを入れる瞬間や鉄塊を持ち上げる段階の過渡状態ではちょっと複雑なことが起きてしまうので別途。) この場合、入力エネルギーは、すべてコーヒーの熱エネルギーとなって収支は均衡し、電磁石はエネルギー授受に介在していません。 このように、同じ結果を得るためにも熱エネルギーとして大量に放出する系(いわば効率の悪い系)と放出が少ない系とが存在し、一般的には安定な系(ロープでつり下げた重りやへこみの中にある鉄球のように動作の自由度が少ない系)に比べ、不安定な系(いつでも切り離しのできる電磁石や筋肉、伏せたお釜のてっぺんに置いた鉄球)のほうが状態維持に必要な熱の放出が大きい傾向にあります。この考え方は熱力学の「エントロピー」(エネルギーの総量が変わらなくても熱エネルギーへの変換はどうしても生じてしまい、熱は広がる一方で回収がむずかしい)の考え方のひとつと言えるでしょう。 結局、バケツを下げた腕のモデルでは、疲れる部分を「指」と「腕」に分ける必要があり、「腕の疲労」は、どちらかというと「血流の停滞」や「長期間の張力による組織破壊の可能性」を生体として警告しているもので、エネルギー浪費の意味の比率は小さいですが、「指の疲労」は、主にはテコの原理で、静電気の引力を使った反応の一種であるアクチン・ミオシン(筋肉)の反応においてエネルギーを使っている疲労感が支配的であり、そのエネルギーは「熱として浪費されて均衡している」・・・と理解して良いでしょう。 なお、一見、「手」と同じに見える「鷲が兎をつかんで飛び去る」ときの「足」の機能は、しかし手とは異なり、足の腱にノコギリ状の組織が並んでいてこれらが噛み合い、アクチン・ミオシンの反応がなくても長時間兎を支えることができるようになっているそうです。「残酷ながら効率的」ですね。 さてさて、長くなってしまいましたがいかがでしょうか。 お役に立てば幸いです。
お礼
超伝導の空芯コイルで考えると、 完全な超伝導なら、電力は食わないけど、微小な抵抗があると、やがて鉄塊は落ちる わけで、これは、散逸系 と思います。 「バケツを筋肉で持っている系」も、散逸系 で、合ってるでしょうか?
補足
すいません。疑問が残ります。 >電気のエネルギーは鉄塊にどのように加わったかというと・・・「鉄塊には加わっていません」 仮に、(持ち上げた後で)わざと抵抗を入れて、この電流を、少しでも減らしたら、 鉄塊は、落ちる と思うのです。 もしそうなら、この電流は、鉄塊を支えるエネルギーに使われている と解釈できませんか? それとも、鉄塊は、落ちない のでしょうか? (空芯コイルで持ち上げるとすると、ですが)
- k_kota
- ベストアンサー率19% (434/2186)
>純物理的に考えると、 筋肉という「物体」は、持ち上げ終わった後は、動かなくていいはずなので、筋肉のする仕事は、∫F・dr=0 でしょう。 そうだと思います。筋肉がバケツにする仕事は0でいいと思います。 >>剛性を維持するのにもエネルギーが必要な場合がある >式で書けば、どんな風になりますか? >そこが、知りたいのです。 これは単純な式では表現出来ないのではないでしょうか。 筋繊維の機構は他の方が詳しいようですが、 張力と化学エネルギーの消費の関係だけでも式は複雑になりそうですし、 それを立体に対して行うわけです。 式が欲しいなら問題をもう少し具体化しないといけないですね。 あと、No.2の方が言いたいのは、見かけ上仕事がない場合でも エネルギーの消費が発生する場合もあると言うことです。 大体の機関は元となるエネルギーを運動エネルギーに変換するさいに 熱とか無駄に出します。 そういう意味では筋肉を使って物を動かさないのは エネルギーを仕事(運動エネルギー)では無く熱エネルギーとして 捨ててる行動とも言えますね。
お礼
わかったような、気がします。 「バケツを筋肉で持っている系」は、散逸系 で、合ってるでしょうか?
補足
>大体の機関は元となるエネルギーを運動エネルギーに変換するさいに熱とか無駄に出します。 それは、わかりますが、この例に限ると、 仮に効率10%なら、10倍のエネルギーが、持ち上げる時、最初 要るだけと思います。 その後、ずーと追加が必要な理由がわかりません。
物理学に限りませんが、事象の定義は計算の都合上きわめて単純化されて決められます。「仕事量とは?」という物理の定義は、実際に重さのあるものを一定量以上動かさなければいつまでも0なのだと”きめられている”ということです。 経済学でも、ものを動かすとか、実際に効果を出さなかったら「働いたことにならない」ということがあるのと同様だと思います。 現実の世界でおこっていることは、単純な物理の原理とはかなり異なったものだということでしょう。
- Quarks
- ベストアンサー率78% (248/317)
手で支える「仕事」では、腕の筋肉が、(あたかも剛性のロープで支えられているように)全く静止した状態だと勘違いしているので、そのような疑問が生じるのです。 筋肉が収縮している状態は"強縮"と呼ばれますが、実は、ミクロのレベルで見ると、筋肉を構成している筋繊維は、小刻みに収縮と弛緩を繰り返しているのです。 筋肉が疲れてくると、痙攣を起こすことはご存じでしょう。これは"攣縮"と呼ばれるのですが、筋繊維の収縮と弛緩の差が、目立って大きくなった状態なのです。 強縮の状態にあっても、基本的には同じ状況なのです。ですから、肉眼でははっきり観察し難いけれども、筋肉は絶えず、物体を持ち上げる・ちょっと下がる・また持ち上げるという仕事をしているのです。
- tadys
- ベストアンサー率40% (856/2135)
筋肉の収縮は筋肉を構成するアクチン繊維上をミオシン分子が移動する事で生じます。 いわば、アクチンが綱引きの綱でミオシンが綱を引く手の様なものです。 この時、綱と手の間にはすべりが有るので、綱を引っ張った状態にしておくには常に綱を手繰り寄せていなくてはなりません。 つまり、摩擦が有るので収縮させておくためにはエネルギーがいるのです。 ミオシンが移動するときのアニメーションはこちらで http://wkbysh.blog47.fc2.com/blog-entry-6.html 実際に移動する様子を顕微鏡で撮影した時の様子はこちらから見られます。 http://first.lifesciencedb.jp/archives/1480 画像は重いです。
- yokkun831
- ベストアンサー率74% (674/908)
筋肉は緊張状態を保つ限りエネルギーを消費します。ですから私たちが姿勢を保つだけでもエネルギーを消費しているわけですが,さらに水の入ったバケツを持つことは腕や肩はもちろんのこと全身の姿勢保持に要する筋収縮を強めることになります。 筋肉が収縮しているとはいえ止めているのになぜエネルギーを消費するのか不思議ですね? どこに結果としての「仕事」があるのでしょうか? 実は筋肉の収縮にともなって,カルシウムイオンポンプなどミクロの機構においてはちゃんと「仕事」がなされていることがわかります。たとえば,掃除機に吸い上げられて吸い口にくっついた本のことを考えてください。そこにくっつけておくだけでも掃除機は空気を吸い続けなければなりません。このときにも物理的な「仕事」にはならない物体の保持を,裏で支える機構そのものの中に,空気を動かし続けるという「仕事」が介在しています。筋肉の緊張にも同様の「仕事」が介在していると考えることができると思います。
補足
>掃除機に吸い上げられて吸い口にくっついた本、、、 それは、すきまから空気が漏れるからでは、ないでしょうか? 掃除機じゃなく、コップに水を入れて、「下敷き」で蓋をしてから、ひっくり返すと、 「下敷き」は、くっついたままで、コップや水、大気圧も、∫F・dr=0 ですから、 なんら仕事をしていません。 手のかわりに、輪ゴムでつるしても、安定した後は、∫F・dr=0 ですから、 なんら仕事をしていません。 でも、輪ゴムが古くて傷んでいると、そのうち、徐々に細くなり、やがて切れます。 これは、手が疲れて、バケツをはなす のと、同じ と思います。 力が働いているのは、間違いないですが、こういう場合、「エネルギー」とは、言わない のでしょうか?
- k_kota
- ベストアンサー率19% (434/2186)
筋肉を緊張させるのに化学エネルギーが必要、というのが答えでしょう。 剛性を維持するのにもエネルギーが必要な場合がある、という言い方でも悪くはないかもしれません。 バケツと重力はそういう意味では別に考えなくて良い訳です。 もちろん、バケツを持つことで筋肉で使うエネルギーは増えます。
補足
純物理的に考えると、 筋肉という「物体」は、持ち上げ終わった後は、動かなくていいはずなので、筋肉のする仕事は、∫F・dr=0 でしょう。 >剛性を維持するのにもエネルギーが必要な場合がある 式で書けば、どんな風になりますか? そこが、知りたいのです。
お礼
回答、ありがとうございます。 鉄塊にとっては、確かに、∫F・dr=0 ですから、エネルギーは与えられていませんね。 電磁石の内部でどうエネルギーが消費されようと、 鉄塊にとっては、関係ないわけで、 表に出てくるのは、∫F・dr のみ と理解しました。
補足
鉄塊の側から言うと、位置エネルギーは、一定位置にとどまる限り、 ずーと、同じ値(-φ)を維持していますから、 電磁石も、ずーと、φのエネルギーを 持続し続けないといけない。 しかし、電磁石のコイルには、抵抗Rがありますから、 電磁石の吸引する仕事をE0とすると、 電源が供給するエネルギーE=E0+I^2Rt です。 「鉄塊は動かず、じっとしている」ことが前提ですので、 電源は、コイルで減っていく分に相当するI^2Rtの分の余計な仕事をして、 電磁石の仕事E0が、φの値になるよう 持続し続けていることになります。 「いや、I^2Rtは、無駄になっているだけだ」と思われるかも知れませんが、 ただ無駄になっているのなら、鉄塊は、どんどん下がっていきます。 (E0=E-I^2Rt だから) したがって、電源の持つエネルギーは、電磁石に補充され、どんどん失われていきます。