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中東・アラブ文学についてのおすすめの本
- 中東・アラブ文学に興味がある方へ、おすすめの本をご紹介します。
- 中東・アラブ文学は、古代から現代までさまざまな物語が存在し、その歴史や民族紛争、西欧・米の介入などについても描かれています。
- 特にアラブの千夜一夜物語やイラン・イラク、クウェートの文学作品に注目です。ぜひ、これらの作品を読んで中東・アラブの文学の魅力を体感してください。
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>今でも歴史ある地を若く横暴なアメリカが介入するという構図はありアメリカの不遜さにあきれる気持ちと諦めの気持ちをもちました。そこで、さまざまな民族が混じった彼らが、こういう民族紛争なり、西欧・米の介入をどう思っているかに興味を持ちました。 どれくらい知識がある方なのかわからないので、さしあたり、無難な回答をします。といっても、私も中東の文学が専門なわけではありませんが。求めていらっしゃることは広範な問いなので、文学書ではなく、文学研究書を読むことをお勧めします。サイードの『オリエンタリズム』は読みましたか。千夜一夜物語のフランスにおける需要を中心に、中東の側から突きつけられた、西欧列強に対する反論の書と読めますが。同様に、スピヴァク、バーバら、ポストコロニアルスタディーズの論客の研究を追ってみてはどうでしょうか。あとの二人は中東という範囲から少し地理的にずれますが、やはり、非西欧圏としてのオリエントを扱う研究書です。 西欧人の歩み寄り方も、(ブッシュ大統領的にも)力で介入し、怪しいものを排除するという一様な態度ではありませんし、哲学的な問いを導きうるものです。というのも、結局、他者であるとか、理解しがたいものに対して、どのように接するのが、「正しい」のか、答えがないからです。二十世紀までの欧米は失敗したのですが、個人のレヴェルで考えてみましょう。たとえば隣人で嫌だなあ、私と違うなぁと思う人がいたとして、どう接していいのか。怪しいと思って、交流を絶つとか、排除するということにならないでしょうか。共同体のレヴェルでも同じことなのです。こういう話は、哲学者のデリダあたりを読むと、深まるかもしれません。いや、上のポストコロニアルスタディーズと関係あることなので、言及したのですが。 おっと、そうだ。No1の方が上げているオマル・ハイヤームの『ルバイヤート』がお気に召したなら(ウェブの青空文庫でも翻訳が読めますし、二時間かからないで読みきれる量です)、アミン・マルーフの『サマルカンド年代記』でもお手に取ってみたら。前者は古い詩集ですが、後者は現代文学です。背景などが、よくわかるかもしれません。ノンフィクションのようでもあり、なかなか面白いです。マルーフのように、中東と西欧の架け橋になろうという作家もあらわれては来ているのですよ。また私は読んでいませんが、『アラブが見た十字軍』というマルーフの著作など、ご関心に直結しそうな表題ではありますね。
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- spring135
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私は一般論としてイスラムに嫌悪感を持っていますが それ故にオルファン・パムークは興味を持って読みました。 オサマ・ビン・ラディンの親戚になるカルメン・ビン・ラディンの反アラブ的心情をつづった「遅すぎな いうちに」も現代アラブ文学に入るでしょう。 (オルファン・パムークもカルメン・ビン・ラディンも英語で読みました。邦訳があるのかは知りませ 。一般にアラブ・イスラムの文学はなかなか邦訳が出ません。) Wikipediaでイランを引き、文学を見ると「ルバイヤート」が上がっていました。 そうです。あまりに範囲が広すぎます。範囲を絞っていった方がよいでしょう。
お礼
ご回答ありがとうございます。 『遅すぎないうちに』は翻訳されているようで、amazonにも在庫ありましたので早速買ってみました。 ルバイヤートも、とりあえずNo2の方のおっしゃったウエブで公開されている青空文庫版を読み、今後、岩波文庫版も買うつもりです。 wikiのイラン文学欄は見落としていました。教えてくださりありがとうございます。イランの詩は美しいみたいですが、詩はやはり原文じゃないと機微が失われてしまうので、まずは小説家として挙っていたサーデグ・ヘダーヤトを読み、以降、アラブ語をカジるぐらい惹かれれば、詩へと移行したいと思います。 とりあえず、spring135さんの言うように範囲をしぼりながら、ここからはじめてみます。 重ねて、ご回答ありがとうございました。 (ベストアンサーは迷ったのですが、No2の方に、より詳しく回答していただいたので申し訳ありませんが、No2の方にします。すいません)
お礼
ご回答ありがとうございます。 情けないことではありますが、無教養で、知識も詰め込んではすぐに忘れてしまいます。ただ読書は好きで、サイードの『オリエンタリズム』も名著として知ってはいました。が、“いつか読みたいけど、なかなか手を出さない本”のうちの一冊で、内容までは知らず、千夜一夜物語にもスポットをあててあるとの今回の回答を読み、読書意欲が掻き立てられ、今すぐ読んでみたくなりました。 アメリカに呆れたと今読むと恥ずかしくも、質問に書きましたが、今回、このように思ったのは、一か月ほど前に青土社から出ているスピヴァクの解説本を図書館で借りたからかもしれません。 勿論、彼女のサバルタン思想を、私にすべて理解できたわけではありませんが、語ることのできない人、語られない物語に、今、日本に暮らす私がどういう考えでいるべきか、ただ生きてるだけで誰かを傷つけている、誰かを傷つける行為に加担しているという、この事実に鈍感な人間でありたくないと考え、思い、彼女のやろうとし続けている行動に共感しました。 また、今、実際、私は語ることのできない人間である、もしくは語ることのできない人間になる、ということを考えました。そのうえで、スピヴァクの主張である、クィア理論、脱構築を用いた言語における意味のズラシにも、地道な作業として感服しました。 そこから脱構築も興味はもったのですが、哲学的なソシュール、デリダまで掘り下げてしまうと、迷路にハマって出られなくなりそうなので、どうしても表面的な辞書的な定義のみの理解で留まっています。どうしたものでしょうね。 ルバイヤートの情報もありがとうございます。 ウェブで読み、今度、岩波文庫版を買ってみます。 アミン・マルーフの『サマルカンド年代記』『アラブが見た十字軍』は、まだ先になりそうですが、取りあえず、『オリエンタリズム』を読んでみます。 重ね重ね、ありがとうございました。