こんにちは。
これは大脳辺縁系を起点とする「報酬系回路」の一部です。ここでは先ず扁桃体に発生した報酬反応が側坐核に入力され、以降は「側坐核―淡蒼球―視床―眼窩前頭野―側坐核」という閉鎖回路になります。
側坐核といいますのは扁桃体の報酬反応に従って接近行動を発する司令塔です。ですが、扁桃体に報酬体験が学習されていなければそれを報酬と予測することができません。眼窩前頭野はこの報酬学習を強化する役割を担っています。
これとは別に、報酬回路には眼窩前頭野から腹側皮蓋野を通って側坐核に戻ってくるルートがあります。腹側皮蓋野から側坐核に投射されるのは「DA(ドーパミン)」ですが、このDAは同時に眼窩野、扁桃体、海馬にも一斉投射され、報酬系回路全体の働きを亢進させます。
まだ与えられない利益に対して接近行動を選択するためには、それが報酬であることを予測できなければなりません。そして、この一連の眼窩野を経由する回路は新たな体験から報酬を学習するだけではなく、その強化と接近行動の持続という役割を担っています。これにより、我々はまだ与えられていない報酬に対して行動を起こし、それを継続させることができるわけでが、これは果たして、報酬系がその反応を自己刺激によって増幅する閉鎖回路になっているからです。このため、一つ前の回答でも触れましたが、この報酬系回路の自己刺激が限度を超しますと「ギャンブル依存症」などの原因となります。そしてその結果、次は勝てる、絶対に儲かる! といったように、遂にはそんな絵に描いた架空の報酬から逃れられなくなってしまうのであります。
お礼
本当に助かっています。私もいつかさらさらと回答が書ける人になりたいです。 ありがとうございました。