この質問はまだ締め切られていなかったのですね。
>例えば、予実管理の正当性が保てない等
予実管理とは何でしょうか?
予定を立てて、それを実行しながら、予定どうりに実行されているかどうかを調べて、予定どうりでなかったら予定どうりになるように実行方法などを修正してゆくことですよね。
今期1億2千万円の売り上げを上げようと目標を設定し、そのために毎月1千万円ずつ売り上げを上げようと予定を立てるわけです。
でもちょっと待ってください。1億2千万円の売り上げ目標というのはどうやって決めたのですか?1億3千万円とか1億1千万円とかではいけないのですか?
売り上げがかつては年間7億円ありました。
それが翌年は5億円に減り、翌々年は3億円に減り、さらに前期は1億円にまで減ってしまいました。毎年2億円ずつ減ってきましたから、今期の売り上げはきっとマイナス1億円になるのでしょう・・・?
そんなばかな!
では今期の売り上げ予想はいくらですか?5千万円ですか?7千万円ですか?
制度会計では、今期の売り上げをいくらと予想するのが『正しい予想』であると定めてありますか?
そんな定めはありませんよね。ですから予想売上高というのは制度会計ではなく管理会計なのです。
とはいえ、こんなに売り上げが落ちてしまっては困ります。今期は頑張って売ることにしましょう。今期の売り上げ目標は1億2千万円?それとも1億円を死守する?
制度会計では、売り上げ目標をいくらにするのが『正しい売上目標』であると定めてありますか?そんな定めはありませんよ。ですから目標売上高というのは管理会計であって、制度会計ではないのです。目標が制度会計ではないわけですから、目標を達成するための予実管理も管理会計であって制度会計ではありません。
制度会計というのは過去の業績を報告するためのものですから、未来の予想や予定は、制度会計では扱うことができないのです。
これを制度会計と一致させるということは、『予想や目標を立てない』ということです。制度会計と一致した予実管理などということはあり得ないのです。
営業部のA君は前期に1人で1億円を売り下ました。
やあ、A君頑張ったね。
B君、君は前期売上5千万円か。今期はもうちょっと頑張ってくれよな。
C君、1人で2億円!すばらしい。君には特別ボーナスを上げよう。
いや、ちょっと待ってください。3人の個別の売上高はどうやって調べたのですか?
簿記の教科書を読んでください。売り上げた営業マンの名前は仕分のどこに記載することになっていますか?そんな記載欄はありませんよね。ですから、営業マンの個別の売上高は制度会計ではないのです。管理をするうえで便利なので多くの会計ソフトにはそれを調べる機能がありますが、管理のための機能つまり管理会計の機能なのです。
これを制度会計に一致させるということは、『営業マンの個別の成績を調べない』ということです。
こういう管理を行わなくてもそこそこ業績を上げている企業もありますが、制度会計ではできない管理をやめてしまうと、かなりまずいことになるのでは?
(ボーナスの査定ができないとか)