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エネルギーは回収か生産か
地球温暖化の為には原子力が欠かせないと思っているのですが、一方で再生エネルギーというのも注目されてます。 面白いのだとトイレの排水やサッカーボールで運動エネルギーを回収とか。 現実的にはどちらに進んで行くんでしょう?
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どちらにも進んでいきます。あれもこれも。エネルギー政策は多様化の方向に進みます。 戦前の鉄道の歴史を振り返ってみます。明治5年(1872年)日本初の鉄道が新橋~横浜間に開業しました。動力は石炭を用いた蒸気機関でありました。明治15年(1882年)日本初の馬車鉄道である東京馬車鉄道が開業し、明治36年(1903年)に動力転換を実施して東京電車鉄道に生まれ変わりました。 明治20年(1887年)に日本初の電力会社である東京電燈が石炭火力で送電を開始しました。その一方で藤枝焼津間軌道会社が明治24年(1891年)に人車軌道として開業しました。このように鉄道の動力は、蒸気→馬力→人力→電力の順番で日本に登場しましたが、日本全国の路線が全てこのように一斉に切り替わったわけでもなく、一定の時期はそのどれもが共存共栄していたのです。今日では鉄道の動力は電力が主で内燃機関が副、ごく一部に蒸気が用いられています。馬力と人力は競争に勝てず廃れています。 今後のエネルギーについても、おおむね鉄道の歴史のように進むと考えています。現在の電力は火力:原子力:水力=6:3:1の比率で太陽光発電に代表される再生可能エネルギーは微々たる比率に過ぎません。火力はさらに石炭火力、石油火力、ガス火力の3つに分類できます。今般、社会的要請から脱火力とも脱原発とも叫ばれていますが、そう簡単なことではありません。太陽光発電、燃料電池、マイクロ水力発電、潮流発電、風力発電、海流発電、オーランチオキトリウムといった新エネルギーが注目を浴びていますが、どれも一長一短の問題を抱えていてにわかにどれが新主力になるとも判断できません。どの新エネルギーもまだコストが掛かりすぎる問題があります。また太陽光発電や風力発電には需要の変動に無関係に発電量が変動してしまう問題もあります。現行の発電源には地球温暖化、放射能汚染の問題など深刻な問題があるといえど、やはりコストの問題は軽視できません。当面、現行のラインアップが大きく変わることは難しいと考えています。それでも全方向的に技術開発を進め、たとえ0.01%づつでも新エネルギーの比率を増やし、脱火力・脱原発の方向に進めていくことになろうと思います。これらのことは、ひとつの機関がひとつの意思に従って推進していくわけではなく、大学等の研究機関、技術系企業、山師系企業、官公庁、地方自治体、個人などの様々な取り組みによって進んでいきます。発電源だけが多様化するのでなく発電主体も多様化していくことでしょう。また発電形態も現行のようなオンライン発電だけでなくオフライン発電も伸びていくことになります。オンライン発電とは発電・送電・配電という3つの分担で発電所で起した電気を需要者に配分する伝統的な電力需給モデルです。それに対しオフライン発電はもっとローカル的に自分で発電して自分で使うような電力需給モデルです。オフライン発電は現在でも祭りの屋台、消防設備の非常用電源、病院の非常用電源、漁船・離島・灯台の自家発電といった形で現在でも幅広い分野で実現されています。 地球温暖化阻止の為の温室効果ガス排出削減推進という観点からは従来のガソリン車から電気自動車への転換も推進されています。それはとりもなおさず新たな電力需要になるわけですが、電気自動車の充電ステーションもオフライン発電で賄えないかと考えています。 明治以来、日本は電化を推進して来ましたが、電化の歴史はまだまだ中途段階であり、最終的な到達地点は数十年、あるいは数百年先のことだと思います。今後もエネルギー政策は多様な視点で多様化が推進されていくことは間違いないと考えています。日本はエネルギー政策においてもトップランナーとして国際社会に貢献していかねばなりません。だから日本のことだけを考えていても仕方が無い。原子力発電が嫌だからといって温室効果ガスを輸出するようなことは許されない。現在、同時並行的に様々な取り組みが推進されています。期待される回答ではなかったかも知れませんが、今後のエネルギー政策の概観を簡単にまとめてみたつもりです。以上。
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もともとのエネルギーが少なければエネルギーを回収しても取り出せるエネルギーは微小です。 発電床なんかはその最たるもので、どんなに通行量の多いところに設置しても発電量がすくなすぎて設備を作るためのエネルギーを回収できません。 ってことでエネルギーを取り出せるところはいっぱいありますが、エネルギーを取り出す価値のあるところはそうないのは実情です。 あとエネルギーってのはただあればいいってものではなく、必要なときに必要な量があるってのが重要なことです。 たとえばテレビを見るための電源をトイレの排水に依存すると、下痢をしたときには電力が余りまくるけど、便秘だとテレビが見えないことになっちゃいますよん。
- yukaru
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>トイレの排水やサッカーボールで運動エネルギーを回収とか これが何万ワットも発電可能にできるような気がしません 各家庭につけて塵もつもれば作戦は、逆に難しいでしょうし 再生可能エネルギーは多少は増えるでしょうけど 10年で+10%以上まではとどきそうなさげです 環境負荷も大きいですし、アセスも難しいです もし事故ったときの放射線の被害とこれからの温暖化の問題は 圧倒的に温暖化のほうが大きいでしょうが 温暖化はメカニズムが疑問なとこもあるし、 いまんとこ被害が見えマスコミ受けするのは、この前の地震で壊れた原発のほうですから しばらくは反原発で、数年後には忘れたように原発が稼動しているのでしょう
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ありがとうございます。 たしかに抜本的なエネルギーリサイクルメカニズム(汎用)が発明されないかぎり、難しいところですね。 半導体技術によっていかなる熱や光、運動エネルギーからも発電可能な無可動なモノリシックな発電チップが出来るんじゃないかなぁと思ってます。 原発事故が深刻な健康被害を招いてくると、かなり厳しい事になりそうですが・・・やはり現実的な解決策は「原子力とともに生きる」になりそうですね。
お礼
長々と具体的なお話し、大変さんこうになりました!分かりやすく面白いです! 電車は現状で、もっとも運動エネルギーを高効率で回収(回生ブレーキ)していますよね。 私は再生エネルギーといいましたが、回生エネルギーといえばよかったのかな? 自動車や自転車、エアコンの排熱程度の温度差からもエネルギーを回収できる新しいアーキテクチャによって、世界が変わる。それなら可能性もあるのではないかと思ったりするようになりました。