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同位体存在度の問題
この問題の解き方を教えてください。 今から20億年前の質量数235のUの同位体存在度を求めよ。 ただし238U,235U,234Uの半減期はそれぞれ4.47×10^9y、7.04×10^8y、2.45×10^5yである。 また現在のウランにおける同位体存在度は238Uが99.275% 235Uが0.2720%である。
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放射性物質は、半減期に等しい時間が経過する毎に、量が半分になって行きますから、 半減期の2倍の時間が経過すると、量は4分の1 半減期の3倍の時間が経過すると、量は8分の1 半減期の4倍の時間が経過すると、量は16分の1 半減期の5倍の時間が経過すると、量は32分の1 ・ ・ ・ 半減期のn倍の時間が経過すると、量はnの2乗分の1 と言う具合に減って行きます。 この事から考えますと、 半減期に等しい時間だけ前の時代では、「現在残っている放射性物質の量」の2倍の量の放射性物質が存在していた事になり、 半減期の2倍の時間だけ前の時代では、量は現在の4倍 半減期の3倍の時間だけ前の時代では、量は現在の8倍 半減期の4倍の時間だけ前の時代では、量は現在の16倍 半減期の5倍の時間だけ前の時代では、量は現在の32倍 ・ ・ ・ 半減期のn倍の時間だけ前の時代では、量は現在のnの2乗倍 存在していた事になります。 例えば、半減期が30.04年の137Csの100年前の存在量は 2^(100[年]÷30.04[年])≒2^3.329≒10.05 と言う計算から、現在の10.05倍であった事が判ります。 同様の計算を238Uや235Uに対しても行い、今から20億年前には、現在の何倍の量の238Uや235Uが存在したかを計算すれば良い訳です。 但し、238Uや235Uの場合には、最初から238Uや235Uとして存在していたものが、そのまま単純に崩壊する事で、減り続けて現在の量になったものであるのに対し、 234Uの場合は、最初から234Uとして存在していたのではなく、 238Uが半減期4.47×10^9年でα崩壊して234Thになる ↓ 234Thが半減期24.1日でβ崩壊して234Paになる ↓ 234Paが半減期1.17分でβ崩壊して234Uになる と言う過程で238Uが元になって生じたものですから、崩壊して減って行くだけではなく、新たに生成された234Uが付け加わって行くため、上記の式では234Uの量を計算する事は出来ません。 途中の234Thや234Paの半減期は、238Uの半減期と比べて極端に短いため、238Uが崩壊すると、速やかに234Uが生成すると見做す事が出来ます。 又、234Uの半減期である2.45×10^5yは、238Uの半減期である4.47×10^9yと比べば、1万8千分の1にも満たない短い時間ですから、238Uから生成した234Uも、生成した端から速やかに崩壊して行く事になります。 このため、234Uの半減期である2.45×10^5yに比べて十分に長い時間が経過した後では、238Uの量に対する234Uの存在比は一定の値に落ち着く様になります。 地球に存在する238Uは、元々宇宙空間に漂っていたものが、地球が形成された際に、他の物質と共に地球に落ちてきたものです。 地球が誕生した約46億年前から、設問にある20億年前までに経過した時間は、234Uの半減期である2.45×10^5yに比べて十分に長い時間ですから、238Uの量に対する234Uの存在比は、20億年前も現在と同じ値であったと考える事が出来ます。 そこで、半減期と経過時間から求めた20億年前の238Uの量に、現在の238Uの量に対する234Uの存在比(ウラン全体に対する234Uの存在比ではない事に注意)の値を掛ければ、20億年前の234Uの量を求める事が出来ます。
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