複素関数の積分
ζ(t)を実数変数tの複素関数とする。
∫[a→b] ζ(t)dtは複素数となるので、
∫[a→b] ζ(t)dt = | ∫[a→b] ζ(t)dt |*e^(iθ)と変形することができる。
この式の両辺にe^(-iθ)を掛けて、ζ(t)=|ζ(t)|*e^(iφ)とおくと、
右辺=| ∫[a→b] ζ(t)dt |, 左辺=e^(-iθ) ∫[a→b] ζ(t)dt=∫[a→b] e^{i(φ-θ)} |ζ(t)| dtとなる。
右辺| ∫[a→b] ζ(t)dt |については、複素数∫[a→b] ζ(t)dt の絶対値をとっているので実数になる。
この左辺のe^{i(φ-θ)} についてオイラーの公式より、e^{i(φ-θ)} =cos(φ-θ)+isin(φ-θ)となるが、右辺| ∫[a→b] ζ(t)dt |が実数となるので、isin(φ-θ)の項は消える。
したがって、| ∫[a→b] ζ(t)dt |=∫[a→b] cos(φ-θ) |ζ(t)| dtとなり、cos(φ-θ)≦1であることから、
| ∫[a→b] ζ(t)dt |=∫[a→b] cos(φ-θ) |ζ(t)| dt≦∫[a→b] |ζ(t)| dt、| ∫[a→b] ζ(t)dt |≦∫[a→b] |ζ(t)| dtが導ける。
※質問です。『この左辺のe^{i(φ-θ)} についてオイラーの公式より、e^{i(φ-θ)} =cos(φ-θ)+isin(φ-θ)となるが、右辺が実数となるので、isin(φ-θ)の項は消える。』というところで、isin(φ-θ)が消えるということは、sin(φ-θ)=0になると思うのですが、この考え方は正しいのでしょうか?
そうなると(φ-θ)は..,-π,0,π,2π..に限定され、cos(φ-θ)の値も同様にcos(2nπ)=1、あるいはcos(2n-1)π= -1 [n=整数]の2つに絞られるはずです。そして、| ∫[a→b] ζ(t)dt |=∫[a→b] cos(φ-θ) |ζ(t)| dtの式は、
| ∫[a→b] ζ(t)dt |=∫[a→b] |ζ(t)| dt [(φ-θ)=2nπ]
| ∫[a→b] ζ(t)dt |= (-1)* ∫[a→b] |ζ(t)| dt [(φ-θ)=(2n-1)π]
の2組以外には考えられないはずですので、なぜcos(φ-θ)≦1であることを持ち出し、
| ∫[a→b] ζ(t)dt |=∫[a→b] cos(φ-θ) |ζ(t)| dt≦∫[a→b] |ζ(t)| dtと変形しているのかが分かりません。
詳しい方教えてください。
お願いします。