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物理学と化学と生物学の関係、では物理学と医学とは?
紀伊国屋書店の某支店にいったところ『「パラダイムでたどる科学の歴史』(べレ出版)という本があり、著者が中山茂さん、だったので、それも併せ3冊ばかり購入し帰宅しました。まだ、読んでいませんが、早く読了したいと思っています。 第6章の、198ページに「物理学と化学と生物学の関係」という節があります。それらの関係に理論的な必然性があるとすれば、物理学と医学の関係にも及ぶはずです。皆様のご意見を拝聴できればと思います。
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ご丁寧な再度の補足をいただきました。 質問者様の問題提起された内容がある程度理解できたように思います。 >病気は医学では治せない、医学は科学ではない、といったことを主張する人たちがいます。これは、諸医学が病気に対抗するための十分な論理や方法を持っていないことに起因する。多くの病気が簡単・即効的に治癒するならば、そんなことにはならないはずです。 >ですから、医学の論理や方法、つまり、医学の核心部分こそ問題なのです。 このあたりに論理の飛躍があるような気がします。 A>病気は医学では治せない、医学は科学ではない、といったことを主張する人たちがいます これだけなら確かに奇異な発言であり、問題視するのは当然ですが、病気というものの定義、あるいは医学の定義から見れば必ずしも当たっていないこともないと思います。現在の最高水準の医学でも治せない あるいは原因がなおはっきりしない病気は少なくありません。そしてそれが現代医学の論理や方法に問題があるとすれば確かに大問題ですが、A という考えがあるからそうなのだということにはならないと思います。A にはそれなりの論理があり、単に貴方の主張する物理帝国の配下に下ればそれが解決するという問題ではないと思います。 生命というものは、たとえば量子物理学の分野からの支援を得ればたちどころになぞが解決するというような単純なものではありません。生命、特に人間の身体は何億年もの間に限りない試行錯誤を重ねて変化改良をされてきたいわば超巨大で複雑なひとつの論理構造を持った世界であり、まだまだ人間自身がよく理解しえていないものです。ですから >生物学者や医師たちの間には、生命現象が物理法則に従っていることを認めない風潮があります。 こういった考えを持つ学者が存在することもなんら不思議ではなく、それを批判することは不当だと私は思います。ひとつの例として、精神的な病いが科学的に分析され始め、それが神秘学から分岐したのはつい最近なのです。まだまだ超心理学から科学へと引き出される事例は今後も多くなるだろうと思います。 >生命を化学的現象とみて、それが科学的生命観と考える。それは、物理学を基礎とする科学の体系とは、少しずれているわけです。科学の体系性からみれば無駄な抵抗なのですが、物理帝国にいまだに抵抗している。物理学・化学・生物学・医学の包摂関係(理論的必然性)を理解していない。この意味での特異性ということです。私は、これを隠れ生気論と呼んでいます。 そういった気分は理解できないこともありませんが、どちらかというと私はそれもひとつの単純な思想に過ぎないとおもいます。 >物理学を基礎とする科学の体系 こういったものが現状で目覚しい成功を収めていることは事実かもしれませんが、これを医学が受け入れていないわけではなく、応用できるものから取り入れていくということで十分ではないでしょうか。人体のいとなみはまだまだ物理学で多くを記述するまでには至っていないのです。病気の治療にそれが応用できるまで完全に理解されるにはなお長い時間がかかるのではないでしょうか。 >現代医学の論理や方法に、何らかの瑕疵があると考えるべきです。代替医療には、多くの疑似科学が混在していますが、それらの中に現代医学をはるかに上回る有効なものがあります。病気が物理法則に従って起きているのであれば、それを応用することで治療が可能になるはずです。 それは否定しません。鍼医療や一部の漢方医療に対する現代医学の偏見は存在するのかもしれません。そういった意味で科学的な方法論を取り込むべきだと仰ることは正論であろうと思います。
- alwen25
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単に医師が物理学を理解していないといいたいのでしょうか。 放射線検査や重粒子線治療などの物理学を応用した 医療技術はありますし、薬でも、生化学や物理化学や 量子化学が関係しています。 量子化学や素粒子物理学が直接 医学に応用できるくらいに進歩すれば 医学部のカリキュラムも変わると思います。 今の医師は、生化学はわかっていても 量子化学や統計力学は分かっていないようです。
補足
ご回答ありがとうございます。 私が言いたいことは、回答者様のご指摘とは異なります。生命の秩序についてです。生命の秩序形成には、物理法則が関与しているということです。一般論としてですが、病気を生命秩序からの逸脱と考えれば、それを可逆的に正常化することが治療でしょう。そのためには物理法則を応用し、物理的作用を加えることで可能になるということです。 診断や治療のための機械や薬の問題ではありません。
補足をいただき感謝しております。 質問者様の提起された問題が具体的に示されてあり、わかりやすかったです。 さて >医学を物理学に基づいて再構成するならば、つまり、物理学化を徹底させるならば、医学のパラダイムは転換するのではないでしょうか。 >医学の特異性は、物理学によって解消され、そのとき、病因論や治療法が大きく変わるでしょう。 医学の特異性と私が申したのは、医学が本来科学そのものではなく、強い目的志向性と、倫理的なものを基本的に持っているということで、それを解消することは出来ないと思います。解消する必要がもしあるとすれば、医学全体ではなくその周辺のいくつかの分野くらいのものではないでしょうか。 >現代科学は、物理学を基礎とした諸科学の体系化が進行しています。物理帝国主義なんて揶揄されますが。医学も、その例外では有り得ないはずであり、あってはならない。それが実現していないのが、医学の現状ではないかと。 仰ることが余り理解できないのは、質問者様の問題意識にある具体的な事例を私が不勉強のために知らないからかもしれません。HIVとかガン研究などでの科学的追及においても、仰る医学の特異性(物理帝国主義になじまない?)が負に作用している事例があればお示しいただければ幸いです。
補足
再度のご回答ありがとうございます。 医学・医療には、癒しなどの要素もあり、それを科学一般に対する特異性というならば、それは解消する必要はないでしょう。 病気は医学では治せない、医学は科学ではない、といったことを主張する人たちがいます。これは、諸医学が病気に対抗するための十分な論理や方法を持っていないことに起因する。多くの病気が簡単・即効的に治癒するならば、そんなことにはならないはずです。ですから、医学の論理や方法、つまり、医学の核心部分こそ問題なのです。 生物学者や医師たちの間には、生命現象が物理法則に従っていることを認めない風潮があります。生命を化学的現象とみて、それが科学的生命観と考える。それは、物理学を基礎とする科学の体系とは、少しずれているわけです。科学の体系性からみれば無駄な抵抗なのですが、物理帝国にいまだに抵抗している。物理学・化学・生物学・医学の包摂関係(理論的必然性)を理解していない。この意味での特異性ということです。私は、これを隠れ生気論と呼んでいます。 現代医学の論理や方法に、何らかの瑕疵があると考えるべきです。代替医療には、多くの疑似科学が混在していますが、それらの中に現代医学をはるかに上回る有効なものがあります。病気が物理法則に従って起きているのであれば、それを応用することで治療が可能になるはずです。(一部、適用できない場合もありますが) 私は、鍼治療を行ったことはありませんが、鍼だけでも多くの病気が治ったという歴史的事実があります。これは、異なる病気にもかかわらず、何らかの共通する法則性が存在することを示唆している。再現性が不安定で、原理の説明ができなかったために、現代医学によって否定されてきましたが。気や経穴などの思弁的説明は排除しても、治癒という経験的事実までも否定してはいけません。科学は、経験的事実を基に構築されるものですから、あれこれ思考実験を行ってみる価値はあるのです。 例えば、喘息の治療薬で、うつ病や肝炎を治癒させることは出来ませんよね。しかし、ある物理療法ならば、これらを1日でほぼ完治させるなんてことも。法則の適用範囲内の病気であれば、原因・病名・症状・部位などは問いません。結論だけならば、1ページあれば記述できる、小学生でも理解できる程度の単純な法則なのですが、しかし、それがなぜ可能なのかを説明するためには、本を1冊書かなければ受容されないでしょう。
どういった問題意識をもってこのご質問をされたのか、よく分からないのですが、 物理学は世の中の基本的ななりたち、自然現象の仕組みを研究する学問であり、 化学、生物学とは問題意識も隣接していて、科学というくくりのなかで姉妹関係にあるといっていいと思います。 医学と言うのはその点、少し異なっているようで、 基本的には人間の病気を治すことに特化した知見、技術、学問であり、更に健康を維持するためにはどうすればいいかという身近な目的意識によって進歩してきた歴史があります。 医学を科学のひとつとして捉えるなら、私は、病気の原因を追究する分野で生物学とかさなり、治療の方法として化学、物理学、工学、コンピューターサイエンス、などの科学を応用、準用する分野と重なっているのではないかと思います。 いずれにせよそれらに理論的必然性といったようなものはなく、あえていうならば人間が生物であり、物性的には有機物も無機物もなんらかわるものではないという平易な事実から必然的につながりをもっているという常識的なことに過ぎないと私は思っております。
補足
ご回答ありがとうございます。 >医学というのはその点、少し異なっているようで と記されていますが、医学を物理学に基づいて再構成するならば、つまり、物理学化を徹底させるならば、医学のパラダイムは転換するのではないでしょうか。 医学の特異性は、物理学によって解消され、そのとき、病因論や治療法が大きく変わるでしょう。 現代科学は、物理学を基礎とした諸科学の体系化が進行しています。物理帝国主義なんて揶揄されますが。医学も、その例外では有り得ないはずであり、あってはならない。それが実現していないのが、医学の現状ではないかと。
- SakuraiTomoka
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「二重盲検法」に頼った対症療法は、問題因子群の駆除・取り替えを中心に据えて処置を講じていますので、それは「要素還元論由来の技術の典型例」だと見做され得ましょう。
補足
何を要素と考えるか、ということを別にすれば、要素還元論は科学の方法として有効であり正しいでしょう。統計学や二重盲検法の適用は、カテゴリーエラーですが。
生物学は「複雑系」ですのでパソコンが高性能になるまでモデル化するのは困難でした。 まだ充分とは言えませんが数学や物理学が医学に寄与する割合はどんどん大きくなるでしょう。 MRIなど高性能なコンピュータが安価になるまで誰も考えもしませんでした。 超伝導磁石などもMRIの発達に欠かせませんでしたし。
補足
ご回答ありがとうございます。 複雑系というのは、広義の全体論だと思います。現代科学は要素還元論として発展してきたのではないでしょうか。複雑系というのは、原因と結果を取り違えるようなものだと思いますが。たとえ、モデル化しても、治療に直接役立つことはないでしょう。 物理学と化学と生物学、さらに医学とは、理論的にどのような包摂関係にあるのか、ということについて伺えればと。
補足
またまた、ご回答いただきありがとうございます。 しかしながら、核心部分はANo.5の補足にあります。それが事実であり、そのような理論が既にあるということです。そのうえで、ANo.4の補足を続けてお読みいただければ。