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「酷似する毛布と領土の奪い合い」という俳句について

 日本語を勉強中の中国人です。外国人の俳句の秀作を読んでいます。「酷似する毛布と領土の奪い合い」はどういう意味でしょうか。  また、質問文に不自然な表現がありましたら、それも教えていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

質問者が選んだベストアンサー

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  • momordica
  • ベストアンサー率52% (135/259)
回答No.3

この句がどういう意味かと問われれば、言葉そのものについては、  「毛布の奪い合いと、領土の奪い合いがひどくよく似ている」 という意味です。 もちろん、これだけでは面白くも何ともありませんので、そこから想像力を働かせる わけですが、私がこの句で思い浮かべた情景はこんな感じです。 あくまで私の想像なので、作者の意図通りではないかもしれません。  冬の夜、部屋でテレビを見ているうちに、二人並んで眠りこけてしまった幼い兄弟に、  風邪をひかないように毛布を掛けてやった。  そのうちに、一方の子供が寝がえりを打ち、毛布はその子の方へ引っ張られ、  もう一人の子の手足は毛布からはみ出してしまった。  すると、毛布をとられてしまった方の子は、寒くなって、無意識に毛布を引っ張りよせ、  今度はさっきとは反対の方の子が毛布から出てしまう。  すると、今度はまたその子が、眠ったまま毛布を引っ張りよせて…  そんな風に、一枚の毛布をめぐって無意識のうちに繰り広げられる小さな攻防が、  国同士が繰り広げる壮大な領土の奪い合いと、何だかとてもよく似ている気がして、  おかしくなってしまった。 「毛布」という小さなものを巡るささいな争いと、「領土」という大きなものを巡る争いを 「酷似」しているとまで言ってしまうあたりがユーモラスで面白い句だと思います。 確かに、川柳的な面白みもある句ではあると思います。 とは言え、私は、冬の季節感も伝わってくる立派な「俳句」だと感じました。 なお、#2さんは季語がないと言っていますが、この句の季語は「毛布」ですね。 表す季節はもちろん「冬」です。

awayuki_cn
質問者

お礼

 ご親切に教えていただきありがとうございます。とてもわかりやすいです。大変参考になりました。本当にありがとうございました。

その他の回答 (3)

  • nishikasai
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回答No.4

川柳を嗜む者です。 質問もそれに対する回答も興味深く読ませていただきました。 いずれの回答も鋭いと思いました。 川柳と俳句は違いますが、川柳の中には俳句のような句も見られます。同時に俳句の中には川柳のような句も見られます。 ドイツもフランスの間にアルザス・ロレーヌという地方がありますが、なんども奪い合いがありました。いまではフランスに組み入れられています。 領土争いは三番さんのご回答にある子供二人の毛布の奪い合いと本質は同じです。 国家の大事をこどもの喧嘩に例えるというのは川柳ではよくあります。たとえば永田町の総理の座をめぐる争いはよくサル山のボス争いに例えた川柳が見られます。まあそのように揶揄するのが川柳の面白さだと思います。 私はこの句はどちらかというと川柳>俳句だと思います。 さて、この句が秀作かどうかという点については難しいです。人により感性が違うからです。川柳では上から天地人、五客、十秀、という順番になりますが、私の判断では秀の上位くらいだと思います。 着眼点は非常に良いです。領土を毛布に例えたのは上手かった。これが食べ物ではダメです。食べたら終りですから。一つの毛布が行ったり来たりする光景が領土争いに似ています。 天地人に入選するにはもう少し捻りが必要です。 さらに川柳は五七五でないと減点されます。この句は五八五になっています。これは中八と呼ばれて一段評価を落とします。 着眼点100点 捻り50点 平均点で75点。 それに中八の減点を10点とすると65点という結果が出ました。

awayuki_cn
質問者

お礼

 ご親切に教えていただきありがとうございます。興味深く読ませていただきました。大変参考になりました。本当にありがとうございました。

  • Ishiwara
  • ベストアンサー率24% (462/1914)
回答No.2

私はこれを「俳句」だとは思いませんし、「秀作」だとも思いません。どなたが「秀作」と考えたのでしょうか。 「俳句」には「季語」が必要です。それは、もともと俳句は「自然に対する感動」が最初ですから、当然「季語」が必要でした。後世になって「人情の機微」が詠まれるようになっても、やはり「季語が必要」という伝統は守られています。 さらに「酷似する」も、俳句の道に合いません。「よく似たり」のような「やさしい語」を使うべきです。また、「俳句から季語を抜けば川柳になるのか」という問いに対しては「ノー」ですが、この句は、川柳の性質を備えています。 この句は、被災地に届いた救援物資を民衆が奪い合っている状況と、国家の間で「力ずくで」領土を奪い合っている状況を対比して、その根元に人間の持っている「あさましさ」を表現したものです。さらに進めて考えれば、これは日本以外のどこかの国に対する皮肉ではないか、とも思われます。また「1人殺せば犯罪者だが100万人殺せば英雄だ」という言葉を連想させ、国家権力の恐ろしさを思わせる警句でもあります。

awayuki_cn
質問者

お礼

 ご親切に教えていただきありがとうございます。月刊誌「文芸春秋」で「新春外国人句会」の秀作らしいです。新聞で読みました。俳句を作りたいのですが、文法がよくわからないので、外国人が作った俳句の秀作をまず読もうと考えました。大変参考になりました。本当にありがとうございました。

  • hakobulu
  • ベストアンサー率46% (1655/3578)
回答No.1

俳句というより川柳という趣のある句ですね。 どちらも必死になって奪い合いをするので、その点が酷似している、と詠んだのでしょう。   

awayuki_cn
質問者

お礼

 ご親切に教えていただきありがとうございます。よくわかりました。とても参考になりました。本当にありがとうございました。

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