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ゴムの配合について
ゴムの詳しい方に質問です。 天然ゴムを70~80%、EPDMを20~30%にてブレンドした場合のメリット、デメリットを天然ゴム、 EPDMと比較して知りたいのですが。 またこの場合、合成ゴムと言うのでしょうか
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- paddrink
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まずゴムの基本的なことから 天然ゴムは避妊具からタイヤまで最も多く使用されるゴムです。 その特性は、物理的な強度、薄くしても破壊されない.時速200km以上、10トン以上の加重に耐えることができます。 その反面、耐熱性が低く、紫外線の劣化を受けやすい欠点があります。 輪ゴムを窓際に放置しておくと崩壊してぼろぼろになりますね。 EPDMは2重結合が少ないことから、紫外線劣化を受けにくい特徴があります。 ゴムとしては物理的強度が高く、自動車の窓やドアの内側に使用されます。 数年前ならば、天然ゴムの価格はEPDMの数分の一でしたが、中国の自動車市場が拡大し、天然ゴム価格は高騰しているようです。 この2種類のゴムを混ぜ合わせる目的は、主に紫外線劣化を防止することだと言われています。 2種類のゴムを混ぜ合わせた場合、少ない成分は海に浮かんだ島のような状態でゴム製品の中に点在します。 太陽光線に含まれる紫外線がゴム製品の分子鎖を破壊するのですが、比較的弱い2重結合部分から破壊が始まります。 すなわち天然ゴムの部分から破壊が始まることになりますね。 屈曲を繰り返す製品の場合、オゾンクラックと呼ばれる切れ目が、最初は小さく、次第に大きく成長しゴム製品の破壊につながるのですが、途中にEPDMがあるとその部分で亀裂の成長が停止することになります。 もちろん、天然ゴムのみの製品にも(タイヤ等)多種多様な老化防止剤が配合されていますが、それでも不十分な場合天然ゴムにEPDMをブレンドするようです。 しかし、現在はEPDMと天然ゴムの価格の差が少ないので、最初からEPDMで作れば良いじゃん、てな話になるかもしれません。 ブレンドの欠点としては、機械的強度の低下と分散状態が考えられます。 これらのゴムは両方とも、硫黄で架橋可能ですが、天然ゴムは架橋反応が進みやすく、EPDMは架橋が遅い特性があります。 どうしても、天然ゴムは架橋が強くなり、EPDMは架橋が不足します。 天然ゴム成分は分子量が増えるので、伸びが少なく固くなり、亀裂が発生しやすい状態に、EPDMは架橋の橋掛け部分が不足し、伸びや変形が大きくなりがちです。力が加わった時、2種類のゴムは異なった変形と破壊特性を示すことになり機械的強度は低下します。 2種類のゴムを混ぜ合わせたものに、加える硫黄の量、架橋を補助する薬品、架橋に要する温度と時間、を適切に調整する必要があります。 製品の強度が一定にならない等の問題が考えられます。 さて、このようなゴムを合成ゴムと呼べるか?ですが、 これは私には判りません。ゴム業界では、合成ゴムが少しでも入っていれば合成ゴムであると言っても間違いではないようです。
お礼
paddrinkさま 大変丁寧にご説明いただきありがとうございました。タイヤメーカーなどの公開特許等でも時間や順序、温度、比率などが出ていましたが, 理由が理解出来ました。 ありがとうございました。