「笑面夜叉」(「老学庵筆記」)、「笑面虎」(龐(ほう)元英「談数」)
「外面似(に)菩薩内心如(にょ)夜叉」(「成(じょう)唯識論」)、「外面如菩薩内心如夜叉」(竜樹「大智度論」)
へびくふときけばおそろし雉の声 松尾芭蕉
「笑中に刀あり」Give one a Cornish hug.(コーンウォール人式のハグをする。)
コーンウォール人はレスリングが得意なので、表面では抱擁すると見せかけて、内心は相手の失脚をもくろむ。
「羊の皮着た狼」A wolf in sheep's clothing. 善良を装った危険人物を指します。
このような「顔に似ぬ心」について、対蹠的なものでは、
「後ろ弁天前般若」、「後ろ別嬪前びっくり」、「後ろ千両前一文」などがあります。
そしてこの言い方の逆(つまりは「笑面夜叉」の同類に戻る)としては、
「後ろ坊主の前角鬘(すみかずら)」後ろは禿げ頭だが、見た目は少年の美しい前髪。
これでは「チャンスの頭は前だけ毛があり、後ろは禿だ」Occasio prima sui parte comosa, posteriori parte calva.
また、単に感情の起伏が多い者に対しては、
「げたげた笑いのどん腹立て」「げらげら笑いの仏頂面」といった俚言も。
お礼
ありがとうございます、色々な諺があって とても参考になります。一つ一つ調べてみたいと思います。