CREを用いたノックアウトマウスの作成
バクテリオファージのCREタンパクはloxpという塩基配列を認識して2つのloxpではさまれた塩基配列を切り出す。
よってloxp間の遺伝子(エクソン)はCREによって欠損させることが可能である。
では、ある疾患に対し膵臓の内分泌細胞に問題があり、これには遺伝子Bがかかわっていることが予測されている。
そこでこの遺伝子Bが膵臓の内分泌細胞においてどのような役割があるか調べることにした。
遺伝子Bの機能を膵臓のない分泌細胞だけにおいて欠損させたマウスを以上のことから作りたい。
どうすればいいか?説明せよ。
という問題がありました。
解答が
1:B遺伝子をloxpで挟んだ遺伝子を作り、ホモ接合のマウスを得る。
ついで膵内分泌細胞で特異的に発現していると思われるプロモーター、エンハンサーの下流にCRE遺伝子をつないだDNAをマウス由来の受精卵に導入する。
2: 1と同じ手法で膵内分泌細胞でのみCREを発現しているマウスを作成し、1のマウスと交配する
というのが解答でした。
生物IIのノックアウトマウスの概念を呼んだことがあるだけで上記の答えをみると疑問が湧きました。
まず、1のステップではB遺伝子を切るためのアクションだというのはわかるのですがなぜCRE遺伝子をつないだものを受精卵に導入するのでしょうか。
受精卵に導入するだけでB遺伝子にloxpを挿入したように簡単にCREの機能を備えた遺伝子を受精卵に電気穿孔でいれるだけでCRE機能+のマウスができてしまうのですか?
というかB遺伝子loxp(+)のホモを作成というステップ自体もそもそも受精卵にB遺伝子loxp(+)の遺伝子を受精卵に導入して作ったということなのでしょうか。
よく、ノックアウトマウスの説明をする際、超頻出文章で
「●●遺伝子のホモを作成」とありますがこのホモ接合体を作成=受精卵への遺伝子導入
ということなのでしょうか。
そして問題なのは1のステップでは導入がうまくいけば
B遺伝子を切り取るマウスが出来上がる
はずですがなぜ
ステップ2を行う必要があるのでしょうか。どうして1だけでは膵臓のみでCREを発現しているマウスが得られたといえないのでしょうか。
そしてステップ2を行うならば最初から
「膵臓の内分泌でのみCREを発現する遺伝子操作をおこなったCRE結合遺伝子を受精卵に導入する」
ということで済むはずだと考えたのですがなぜそれでは駄目でわざわざ別々の方向からCREの制御をしているのでしょうか。
このままだと交配してホモを作成することも考えるとステップ1のCRE導入時にすでに膵内分泌特異的塩基配列の場所でCREをいれればいいのにと考えてしまいました。
長くなりましたが、時間はいつでもかまいませんので一つ一つ上記疑問点にお答えくださる方ご指導お願い申し上げます。