大和物語の一部
水の尾の帝の御時、左大辨のむすめ、辨の宮すん所とていますかりけるを、帝御ぐしおろしたまうて後にひとりいますかりけるを、在中將しのびてかよひけり。中將病いと重くしてわづらひける、もとの妻どももあり、これはいとしのびてあることなれば、え行きも訪ひ給はず、しのびしのびになむとぶらひけること日々にありけり。さるにとはぬ日なむありける。病もいと重りて、その日になりにけり。中將のもとより、
つれづれといとゞ心のわびしきに今日はとはずてくらしてむとや
とてをこせたり。弱くなりにたりとていといたく泣きさはぎて、かへりごとなどもせむとする程に死にけりと聞きて、いといみじかりけり。死なむとすること今々となりてよみたりける、
つゐにゆくみちとはかねて聞きしかど昨日今日とは思はざりしを
とよみてなむ絶えはてにける。
大和物語のこの部分の訳を教えてください。