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ウェスタンブロットのリプローブ操作の原理
リプローブ操作の、抗原と抗体を剥がす操作について質問があります。 メルカプトエタノールやSDSを用いて抗体を剥がすことが一般的だと思われますが、 どのような作用で剥がれるのか、原理を教えていただけないでしょうか? また、他に抗体を剥がす作用のある物や、剥がす原理があれば教えていただけないでしょうか? ご存知の方がいらっしゃいましたら、何卒お力添えをよろしくお願いいたします。
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膜に転写されたタンパク質は通常であれば、SDSや還元剤が加えられ、熱にかけられてPAGEされます。 要はもとあったタンパクの形はなく、S-S結合の切り離され、変性した形で流される訳です。 そんなタンパク質でもアミノ酸だけを認識する抗体は結合してくれるときがあります。 そんな抗体の利用によってウェスタンブロットは成り立っています。 抗体もタンパク質で3重構造(良く言われるY型)を形成しています。 IgGなどは比較的寿命が長く、生体内でも半減期が3週間あります。 ただ、タンパク質としての運命で、界面活性剤や還元剤、変性剤を浴びると抗体とて変性します。 変性した抗体は、もはや抗原とは結合することはできません。 よって、今まで抗原と結合していた一次抗体、それに結合していた二次抗体もろとも剥がれ落ちます。 これが理論です。 抗体を変性しうるタンパク変性であれば、リプローブ可能です。 抗体によって、安定不安定などありますので、一律に変性する訳ではありませんが、大まかにそうなります。 他に、高濃度の塩酸グアニジン、尿素、などもタンパク変性剤として使われます。 温度も促進的役割があり、リプローブ液は室温よりもウォーターバスなどで温めて使うことが多いでしょう。
お礼
タンパクの変性によって剥がしているのですね! ご丁寧な解説ありがとうございます。勉強になりました!