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地理的表示と商標登録の関係について
地理的表示と商標登録の関係について単純な疑問が有ります。 各国の法にもよりますが、地理的表示や地理的名称を含むものは商標登録できないと考えています。 例えば、「ボルドー」や「カマンベール」等です。 では、何故に「HITACHI」等の地理的名称の入った商標は登録できるのでしょうか? 別に「HITACHI」に限らず、地域名称の入った商標はぽつぽつ見かけます。 恐らく、根本的なところが理解できておらず、レベルの低い質問であるとは思いますが、 地理的表示と商標の関係についてご教授・解説御願いします。
専門家の回答 ( 2 )
- 専門家伊藤 寛之(@skiplaw) 弁理士
弁理士です。 「地理的表示や地理的名称を含むものは商標登録できない」というところが正確ではないと思います。 日本の商標法だと、4条1項17号で、「ぶどう酒若しくは蒸留酒」の産地の登録が条件付きで禁止されていますが、地域名称の入った商標が無条件で拒絶される訳ではありません。 十七 日本国のぶどう酒若しくは蒸留酒の産地のうち特許庁長官が指定するものを表示する標章又は世界貿易機関の加盟国のぶどう酒若しくは蒸留酒の産地を表示する標章のうち当該加盟国において当該産地以外の地域を産地とするぶどう酒若しくは蒸留酒について使用をすることが禁止されているものを有する商標であつて、当該産地以外の地域を産地とするぶどう酒又は蒸留酒について使用をするもの むしろ、地域名の入った商標は、「地域団体商標」として、その登録を認めるための制度があります。 http://skiplaw.blog101.fc2.com/blog-entry-182.html 地域名を含む商標が問題になるのは、商標の表示と指定商品とに不一致が生じている場合です。 商標が「長崎〇〇カステラ」で、指定商品が「カステラ」だとすると、大阪産のカステラに商標が付されると誤認混同が生じますので、拒絶されます。この場合、指定商品を「長崎産のカステラ」にすると、拒絶理由が解消して、登録されます。
伊藤 寛之(@skiplaw) プロフィール
SK特許業務法人 弁理士 伊藤 寛之 (いとう ひろゆき) 日本弁理士会 ■お問い合せ■ SK特許業務法人 【対応エリア】全国 【営業日】10:00~18:00 ■事務所について...
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補足
丁寧なご回答感謝します。 下の方の例を取らせていただくと、例えば、 「SAPPORO」で指定商品ビールの場合に、札幌市以外で生産しても誤認混同には問われないのでしょうか? 恐らく、下手にTRIPS協定の「地理的表示」という概念を知っため、かなり混乱しています この辺りの概念は特に懸念する必要はないのでしょうか?