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※ ChatGPTを利用し、要約された質問です(原文:レトロウィルスの疑問点)

レトロウィルスの疑問点

このQ&Aのポイント
  • レトロウィルスはなぜRNAをcDNAに逆転写するのか?
  • レトロウィルスはなぜDNAを逆転写してまで作る必要があるのか?
  • レトロウィルスがRNAを持つ理由とは?

質問者が選んだベストアンサー

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noname#160718
noname#160718
回答No.6

 No.5のJagar39です。ちょっと判りにくかったかもしれないので、補足します。 >レトロウィルスには、リボソームなどの細胞内小器官がないので、コピーする必要性もないのに、なぜRNAを持っているのか分かりません。  細胞内小器官を持たないのはレトロウイルスに限らず、ウイルス全てに当てはまります。というよりむしろ、細胞内小器官を持たず、自力で代謝も増殖もできない微生物をウイルスと定義している、と言った方が正しいです。  ですがそれは「コピーする必要性がない」ということではありません。コピーしなければ増殖できませんから。  ウイルスは生きた細胞内に侵入して、細胞に自らの遺伝子を読ませて生産してもらうことによって増殖する微生物です。  そのウイルス遺伝子はDNAだけでなく、RNAを遺伝子として持つウイルスもある、ということです。  そしてRNAを遺伝子に持つウイルスは、ウイルス遺伝子のRNAが細胞内でそのままmRNAとして機能するものと、そのままではmRNAとして機能しないので一度RNA→RNAの転写を行うウイルス、そして逆転写によってRNA→DNAの転写を行うウイルス、というバリエーションがあるわけです。逆転写→インテグレート(宿主細胞のゲノムにウイルス遺伝子を組み込むこと)を行うのはレトロウイルスただ1種ですが、前二者にはさらに様々なバリエーションが存在します。  なお、DNA→RNA→DNA(逆転写)という複雑怪奇な増殖をするウイルスもあります。ヘパドナウイルス(B型肝炎ウイルス等が含まれる)がそういう奇妙な増殖をします。なのでDNAウイルスの増殖方法もバリエーションがある、ということです。 >レトロウィルスのような生体構造ならばRNAだけの方が効率的  それは一概には言えません。+鎖RNAのウイルスならば細胞内でウイルスゲノムがそのままmRNAとして機能するので「効率的」と言えば言えなくもないのですが、-鎖のRNAウイルスはそのままでは機能しないので、-鎖から+鎖へ、RNA→RNA転写をしなければならないという、一見非効率な増殖方法をとりますから。  ちなみにRNA→RNAの転写、それにRNA→DNAの転写(逆転写)は、その酵素を細胞は持っていません。普通の生体内ではそのような反応は存在しませんから。  ですからRNAからRNAを転写する酵素やRNAからDNAを転写する酵素(逆転写酵素)は、ウイルスが自分で持ち込む必要があります。  さらにDNAを遺伝子にもつウイルスは、細胞内のRNA合成酵素をそのまま使ってmRNAを合成することが可能なのですが、それにも拘わらずわざわざ自分でRNA合成酵素を持ち込むものもあります。  ですから少なくとも人間の目から見て「効率的」な増殖方法は必ずしもとっていない、ということなのです。  人間や高等生物の身体の構造にも非効率に見える、あるいは明らかに効率的でない構造はいくらでもあります。それらは「進化の痕跡」として理解されているものもたくさんあります。  ウイルスも同様に、進化の結果、現在の形があるわけです。  レトロウイルスの逆転写などはその中でも、その理由(生き残りに有利であった理由)が理解しやすいのですが、訳がわからないものもたくさんあります。その点も高等生物と同じです。

noname#130324
質問者

お礼

自分の考えの間違いを具体的に指摘下さって本当にありがとうございます。 確かに、生物の体やシステムには不安定、非効率なものが沢山あります。 効率ばかり考えていては、いけないのですね。そう考えると、細胞やウイルスなどは本当に面白いし奥が深いです! 高専でも頑張っていきたいです。ベストアンサーに選ばせて頂きました。 獣医師のお仕事頑張ってください。

その他の回答 (5)

noname#160718
noname#160718
回答No.5

 獣医師でウイルスに専門知識を有します。ウイルスの中でも一応レトロウイルスで論文を書いているので、「レトロウイルスを専門にしている」と言えるかどうか・・・といったところです。  ちなみに関係ありませんが、長男がやはり高専の物質工学科に在籍しています。  さて、ウイルスの増殖方法は科によって全て異なります。特にRNAウイルスはよくぞここまで、というくらいバリエーションが豊かでとても覚えきれないほどです。  ウイルスゲノムの複製方法は、主に+鎖の1本鎖RNAを遺伝子に持ち、細胞内でウイルスゲノムがそのままmRNAとして機能するもの、-鎖の1本鎖RNAを遺伝子に持ち、ウイルスが持ち込んだ酵素でいったん-鎖RNA→+鎖RNAの転写を行うもの、という2種類に大別されます。  レトロウイルスは-鎖の1本鎖RNAを遺伝子に持つウイルスですが、これはやや特別な複製方法を持っていて、ウイルス自らが持ち込んだ逆転写酵素によって-鎖RNA→+鎖DNAに「逆転写」を行い、そのDNAを宿主細胞のゲノムに組み込んでしまいます。ここまでは理解されているわけですよね。  なぜDNAではなくRNAを遺伝子に持っているのか、なぜわざわざ逆転写をするのか、というのは「進化の結果」としか言いようがないわけで、いわば結果論に過ぎないわけですが、この逆転写→宿主ゲノムに組み込み、という特異的な複製方法によって、レトロウイルスが他のウイルスと比較して"有利"な点が1つあります。  それは「ウイルス粒子」を生産しなくても宿主の細胞内で生存し続けることができる、ということです。  ウイルス遺伝子は宿主細胞のゲノムに組み込まれてしまいますので、ウイルス粒子を作らなくてもそのままの状態でウイルス(の遺伝子)は存在し続けることができます。ウイルス粒子を作りませんから、宿主の免疫系による攻撃を受けません。  なので多くのレトロウイルスは、宿主細胞のゲノムに組み込まれたままの状態を持続します。HIV(エイズの原因ウイルス)は活発にウイルス粒子を産生し続けるのですが、これはレトロウイルスの中では珍しい方です。大半のレトロウイルスでは、感染初期などのごく一時期を除いてはウイルス粒子は産生されず、細胞間の感染も、感染細胞の接触によって成立しています。従って宿主はウイルスに対し抗体を産生しますが、その抗体はウイルスの排除には何ら役に立たない、ということになります。  抗体が産生されてもウイルスが長期にわたって感染を維持することを「持続感染」と言います。  持続感染するウイルスはレトロウイルスだけでなく、多くのウイルスがそれぞれの進化の結果、様々な方法で宿主の免疫系をかいくぐって持続感染するシステムを獲得していますが、レトロウイルスが逆転写によってRNAからDNAを合成することは、その「持続感染を成立させるためのシステム」の1つ、というわけです。  ちなみに「大量に複製すること」は、ウイルスに限らず生体内の普遍的な現象なので、このこと自体はレトロウイルスの逆転写を説明できるものではありません。というより、宿主ゲノムに組み込まれるウイルスゲノムは最終的には数分子に過ぎませんから、逆に「わずか数分子のDNAで確実な持続感染を確立するためのシステム」ということができます。  また、「エラーの多さ→変異の激しさ」という説明は、むしろ他のRNAウイルスに当てはまる説明です。  RNA合成酵素は校正機能を持ちませんから、DNA転写に比べて非常にエラー=変異が多いです。  「変異が激しい」のはレトロウイルスの中でもHIVが属するレンチウイルス亜科くらいなもので、多くのレトロウイルスは逆に遺伝的には極めて安定的です。  宿主ゲノムに組み込まれてしまえばどれだけ抗体を産生されてもウイルスは排除されない、すなわち抗体の攻撃対象になるウイルス抗原を産生しなくても存続が可能なわけですから、「変異する」というのはレトロウイルスにとってはメインの戦略ではないわけです。

回答No.4

細胞内で、DNAがタンパク質を作る時に、1個だけRNAを 合成するのではありません。 DNAを鋳型に大量のRNAを複製し、それを用いてタンパク質を 合成することで、増殖し得るのです(細胞内での生化学反応は たぶんにランダムな動きに依存するので、少量では機能しない)。 ゆえにレトロウィルスは、RNAからいったんDNAを合成することで、 宿主のセントラルドグマを活用して増殖するのです。

noname#130324
質問者

お礼

解説ありがとうございます。やはり、勘違いしていた部分がありましたね。「大量に複製する」ことと、結局はセントラルドグマの考えで増殖することです。 勉強不足でした。

  • C-elegans
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回答No.3

『Transposon(転移因子)』というものがあります。 これはゲノム上で自身の配列を別の場所に転移させることのできる配列のことです。 転移の形式は大きく分けて「カット&ペースト」と「コピー&ペースト」の2種類があります。 前者はDNA断片がそのままゲノム本体から分離して別の場所へ移動し、後者は配列をRNAに転写したのち、DNAへ逆転写したものがゲノム本体へ挿入されます(コピー元はそのままの位置)。 前者と後者の名称はいくつかあり、「DNA型トランスポゾン/RNA型~」「トランスポゾン/レトロ(トランス)ポゾン」などがあります。 ※高校と大学で教えられた名前が違っていたりして、どうも呼称体系がきちんと整備されていないようです… このトランスポゾンはゲノムの多様性や突然変異を生み出す機能を担い、生物ゲノムにおいては普遍的にみられるものです。 例えばトウモロコシにおいてはゲノムの80%がトランスポゾンとそこから派生した配列に占められています。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%82%BE%E3%83%B3 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%82%BE%E3%83%B3 そして、このトランスポゾンのうち「コピー&ペースト」の形式をもつものがレトロウイルスの起源だという仮説があります。 つまり、レトロウイルスは生物種として発生したものではなく、ゲノムが持つ多様性確保のシステムが独り歩きし始めたものだという仮説です。 また、逆転写のシステムは独立した生物種としてみると非効率的に見えますが、「異物として認識されずにホストDNAに自身の配列を紛れ込ませる」という目的のためには効率的なシステムといえます。

noname#130324
質問者

お礼

詳しい解説ありがとうございます。異なる視点から、捉えると理にかなったシステムなのですね。 勉強不足でした。 トウモロコシの部分はとても驚き、また興味を持ちました。頑張ります。

  • Tacosan
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回答No.2

質問文に書かれているように, RNA は「遺伝情報を保持する」ことができます. つまり, ある意味で「DNA の代わり」をすることができます. さらに, RNA の中には酵素活性を持つものもあります. そのような RNA を「リボザイム」と呼んだりします. 極端なものとして, 「自分自身をスプライスする」ものも知られています. そこで, RNA が「タンパク質の代わり」もできることがあります. つまり, セントラルドグマで想定している ・DNA: 遺伝情報の保持 ・タンパク質: 化学変化の触媒 という役割を, RNA はそれだけで果たすことができるわけです. そこで「RNA が全てを担った時代があった」という仮説 (RNA ワールド) があります. この仮説のもとでは, もともと RNA が全ての機能を担ったんだけど ・RNA は DNA より化学的に不安定 ・触媒作用としてはタンパク質の方がよほど効率的 ということでそれぞれの役割をゆずったということになっていたはず.

noname#130324
質問者

お礼

詳しい解説ありがとうございます。おっしゃっています仮定説は僕も聞いた事があります。なるほど、疑問に思っていた事が解決しました。これからも勉強したいと思います(・∀・)ノ

noname#129187
noname#129187
回答No.1

素人ですが。まず、進化上、レトロウイルスができてしまい、それが生き残った、と考えるといいと思います。では、RNAを遺伝子に持つメリットは何か、という事になります。一つ考えられるのは、逆転写酵素のエラーが起こりやすいのではないか、という事です。つまりRNAが遺伝子だと、遺伝情報が”不安定”だという事になります。逆にいえば、不安定なので変異も早く、新しいウイルスが出やすいということです。HIV(エイズウイルス)も、変異が早く、ワクチンを作れないのは、逆転写酵素のエラーが一つの原因だと聞いたことがあります。しかし、進化上RNAウイルスが出現した過程というのは不思議ですね。まず始めに逆転写酵素ができてしまったのでしょうか。 2本鎖DNAを遺伝子に持つ場合と、1本鎖RNAを遺伝子に持つ場合で、そんなに効率が違うとは思えません。それこそ、レトロウイルスは逆転写酵素を保持しなければならないですから。

noname#130324
質問者

お礼

HIVについては、特集で見たことが多々ありますがどうやら知らない事ばかりでしたね… 丁寧な解説ありがとうございます。 これからも勉強したいと思います(・∀・)ノ

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