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安息香酸のTLCについて
安息香酸にTLCを行なったところ、そのRf値が溶液の濃度により変化しました。 安息香酸は水素結合により二量体を形成するそうで、そこには平衡があると聞きました。 ならば高濃度の安息香酸は二量体の形が多く、低濃度のものは独立しているはず。 すると、分子間で水素結合している高濃度の方は低濃度のものに比べてTLC板との相互作用が弱くなり、Rf値は高くなると思うのですが、どうでしょうか。 ネットにも図書館の機器分析の本にも書かれていないので困っています。 Rf値は濃度によらず一定と言われているので、私の技術不足かもしれません。
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TLCの経験はあまりありません.昔勉強したクロマトの基礎の記憶で回答させてもらいます(参考程度にしてください). たとえば,GC分析の場合,酸性物質は濃度が高くなると(注入量が増加すると),リーデングが起こりやすかった記憶しています.また,クロマトは最適濃度(最適試料量)領域があります.その範囲内で定性,定量分析が可能になるので, “Rf値は濃度により一定…”とは言えないと思います. …酸の二量体の分析の存在が予想されるのであれば,試料を完全に安息香酸塩にしてピークが1つになれば,その可能性の傍証になるでしょう. また,展開後のスポット部分を削り取りIR分析するれば,二量体の確認が可能と思います(固定相の吸収で分析不能かもしれませんが…).
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- DLIVE
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私の経験では、Rf値が変化するときは展開槽や展開の仕方に問題があることが 多いです。 すでにご存知であったり検討済みの場合はすみません。 私の経験からお話しします。 カルボン酸の展開溶媒ですから、有機溶剤とテーリングを避けるために酢酸の 混合溶媒を使用していませんか? 展開中のTLC板において液面より上の部分(液が染みている部分です)、 展開槽の中ではここから展開溶媒が蒸発しています。 これが重要なポイントで、展開槽に展開溶媒を入れてからしばらく置いて、 展開槽の空間に展開溶媒の蒸気を充満させて安定させておく必要があるのです。 そうしないと、展開中のTLCから展開溶媒のいずれかの溶媒が優先的に蒸発 してしまい、調製した展開溶媒の組成とTLCに染みてスポットを押し上げている 溶媒の組成が異なってしまうのです。 1枚のTLC板に複数のスポットを打って一度に展開して比較する場合は それほど気を使う必要はありませんが、複数回に分けて展開する場合は 注意する必要があります。 このため、確認のため同じTLC板に濃度の異なる3つのサンプルをスポットしたものを 展開して確認してみることをおすすめします。 また、濃度の異なるサンプルをTLC板にスポットしても、展開前にスポットを乾燥させる 段階で濃縮されます。このためTLCのスポットにおいては単量体と二量体の差は なくなると考えられます。 nyunyunさんの場合は、濃度の異なるサンプルをスポットしたTLC板を、 濃度の順番で複数回に分けて展開したために、展開槽内の溶媒蒸気の組成に一定の 傾向ができてしまい、Rf値に濃度との相関性が見られた可能性があります。 このため、上記のようなコメントとしました。