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高K血症時のイオンチャネルの開閉について
「高K血症になると静止膜電位が上昇し、その結果としてNaチャネルは開きにくくなり、逆にKチャネルは開きやすくなる」、と教科書に書いてありました。 なぜ、静止膜電位が上がるとチャネルが開きやすく、または開きにくくなるのでしょうか? どなたか教えてください!
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質問者様がおっしゃられているのは心臓のイオンチャネルでいいですよね?高Kが問題になってましたから…。 心臓のイオンチャネルにはいろいろありますが、Naチャネルは『電位依存性』のチャネルでして、細胞膜の電位によって開閉します。 Kチャネルは実は多くの種類があるのですが、ひとくくりにして、電位依存性のKチャネルとします。こちらも細胞膜の電位によって開閉します。 質問者様はご存知でしょうが、チャネルは各イオンを通す通路ですよね。Naチャネルは細胞外から内側へNaイオンを通過させ、Kチャネルは細胞内から外へKイオンを排出させます。 で、本題ですが各イオンチャネルには『平衡電位』という、チャネル機能の特性があります。Naチャネルだと+40mV、Kチャネルだと-90mVくらいです。←実際は違いますがこんなもので、ということで この平衡電位は何かというと、この電位の時『流入イオン=流出イオン』 となり、みかけ上、イオンの出入りがゼロになります。 細胞膜の静止膜電位を-60mVとします。Naチャネルには差-100mVの力、Kチャネルには差+30mVの力がかかっています。+の力は細胞内→外の力で、-の力は細胞外→内の力です(この説明はやめておきますが…)。 この時、Naチャネルは100のパワーでNaイオンを内側に通し、Kチャネルは30のパワーでKイオンを外に出しています。 しかし静止膜電位が上がって-40mVになったとしましょう。Naチャネルには差-80mVの力、Kチャネルには+50mVの力がかかることになります。この時Naチャネルは80のパワーでNaイオンを内側に通すことになり、さっきの100より減ったことになります。逆にKチャネルは50のパワーでKイオンを外に出そうとしていることになり、さっきの30より増えたことになります。 少しややこしい話をしましたが、各チャネルには流出or流入しやすい電位が個別に設定されているということにです。 Naチャネル(平衡電位+40mV)なら、マイナス領域で大きく流入が起こり、プラスの領域に近づいていくにつれ流入が減少、+40mVで流入=流出となりみかけ上ゼロ。そして+60mVなど平衡電位より上がっていくと今度は流出オンリーになってしまいます。 まあこんな条件は人為的に作らないとないですし、実際のNaチャネルの流入は-20mVで最大になったりするんですけどね。 余計わかんなくなると思うので、これ以上の説明はやめておきます。 こういう勉強は『電気生理学』というジャンルに入ります。もし医学部の学生さんだったら、生理学の研究室で聞いてみるといいかもしれません。あと心臓のチャネルなら循環器内科でイオンチャネルを研究してる先生に聞くといいかもしれませんね。本なら倉智嘉久さんの『心筋細胞イオンチャネル』という本にわかりやすく書いてあります。 イオンチャネルを研究しているしがない大学院生より