- ベストアンサー
「蒼い」とは、文学的にはどういう意味合いに?
40年くらい前に日本テレビで『蒼いけものたち』という題名のテレビドラマがありました。 「蒼いけものたち」というタイトルそのものの意味合い、 あるいはここでいう「蒼い」とはどういう意味合いになるのでしょうか。 この番組は、有名な『犬神家の一族』のドラマ化です。 「けものたち」とは、莫大な遺産をめぐって憎み合う人々(この辺りは原作どおりの展開)のことかな、と。 しかし「蒼い」の意味がわかりません。 わざわざこんなタイトルにしたくらいだから、「文学的?な意味合いを持つのでは」と考え、 質問を投稿させていただきました。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
あくまで個人的な見解ですが、『蒼=人間臭い青』という感覚でしょうか。 基本的には、「色としての青」という意図を極力排除した表現。 「ブルー」というのは心理学的にも明るいイメージはありません。 その反面、落ち着き、深淵、悲哀、といった、「深い感情」を表すのに適しているように思われます。 また、蒼(青)は黒に近い色であることから、暗黒や、落ち込み、あるいは、みなさんがおっしゃるように死などといった、マイナスのイメージに通底する要素も含んだ言葉と言えるでしょう。 このように、色彩としての青ではなく、『心象としての青いイメージ』を表したい場合に、「蒼い」という表現が使われるような気がします。 『犬神家の一族』のドラマ化タイトルとしての「蒼いけものたち」であれば、 「暗い深淵を抱えた存在としての人間というけものたち」とでもいったようなイメージを表現したかったのでしょう。 必ずしも、死に限定せず、どろどろとした煩悩に突き動かされる、動物としての本能的闇の部分を強調したタイトルのように感じます。
その他の回答 (3)
- SPS700
- ベストアンサー率46% (15297/33016)
「蒼」という字は、下記にもあるように草の色(草冠で表す)で発音は「倉」と同じ、という形声文字です。 http://www.chineseetymology.org/CharacterASP/CharacterEtymology.aspx?characterInput=%E8%92%BC 顔面蒼白、というように血の気の無い(=「死」)色を思わせます。 「あをい」という大和言葉は古くからありますが、それと「蒼」という漢字を組み合わせたことで、血も涙も無い、死神たちの奪い合いを象徴したものと思われます。「けもの」は、毛者、動物的な欲望むき出しの、という色合いが感じられます。 したがって、東洋の範囲内でも十分にその意図を汲み取ることが出来るように思います。
お礼
ありがとうございます。 日本語としても「蒼」は死を連想するのですね・・・
- do_ra_ne_ko
- ベストアンサー率41% (85/207)
当面は、「蒼い」=「pale」=青白い、青ざめた、として置かれては如何でしょう。 断定はできませんが、おおもとは次の翻訳で使われた用語「蒼」ではないか と思っています。 ロープシン『蒼ざめた馬』 1907 年刊のこの有名な書は二十世紀初頭のロシアのテロリストを描いた 日記体小説である。題名は,ヨハネ黙示録に現われる「死」の跨がる 蒼い馬から採られている。 日本人は例えば、 「昔は今太閤とよばれたが、今の様子を見れば諸行無常だな」と聞けば、 理解します。太閤記と方丈記からの引用だとすぐ分かるからです。 西欧人の多くは聖書についての知識がありますので、 pale horse つまり蒼ざめた馬と聞けばヨハネの黙示録を思い出します。 これが日本で転用され「蒼」が「死」を連想されうようになったと推定しています。 And I looked, and behold a pale horse: and his name that sat on him was Death, 試訳: 私は、蒼白い馬とその馬に乗った「死」という名前の者を見た。 なお、聖書はヘブライ語→ギリシャ語→英語→日本語 となった関係で 蒼 (pale) は青いとは異なる色なのだが、その色の説明には 1ページ必要で、語訳だが仕方がないと物の本に書いてありました。
お礼
ご丁寧な回答、ありがとうございます。 西洋では、「蒼い馬」というのが死を意味するのですね。 ベストアンサーに選べずごめんなさい。
- tanuki4u
- ベストアンサー率33% (2764/8360)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92#.E5.8F.A4.E4.BB.A3.E3.81.AE.E9.9D.92 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%8D%E3%81%AE%E9%BB%99%E7%A4%BA%E9%8C%B2 ヨハネの黙示録の青白い馬かな 古代の中国でも青は死を意味するようです
お礼
ありがとうございます。 「青褪たる馬」という言い回しを思いだしました。 東洋でも死を連想するのですね・・・
お礼
そういえば、「今日は、(気持ちが)ブルーだ」とか小説では言いますね。 ありがとうございます。