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「一般に、半導体のバンドギャップは温度を上昇すると小さくなります。」な

「一般に、半導体のバンドギャップは温度を上昇すると小さくなります。」なぜ小さくなるのでしょうか??

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  • inara1
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回答No.1

温度が高いほどバンドギャップが小さくなるのは、温度が高いほど熱膨張のために格子定数が大きくなるからです。 ここ(http://www.ee.knct.ac.jp/teachers/takakura/zairyo/chapt3.pdf)の Fig 3-7 に、化合物半導体の格子定数とバンドギャップの関係が出ていますが、全体に右下がりになっていて、格子定数が大きな半導体ほどバンドギャップが小さい傾向があります。2つの化合物の間の曲線は、混晶の格子定数とバンドギャップの関係ですが、混晶比を変えて格子定数を大きくするほどバンドギャップが大きくなります(多少の例外はあります)。 温度が高いほど格子定数が大きくなるのは、ここ(http://www.cis.kit.ac.jp/~morita/jp/class/EleEngMats/4.pdf)の図4.5にあるように、格子振動による原子間距離の振幅(a-b間の距離)が、温度が高いほど大きくなるので、原子間距離の平均値が大きくなり、結果的に温度が高いほど格子定数が大きくなるからです(この資料は、温度が高いほどヤング率(硬さ)が小さくなることを説明したものです)。 格子定数が大きいほどバンドギャップが小さくなる理由は簡単には説明できません。ここ(http://www.tuat.ac.jp/~katsuaki/el/EL2008/bussei_hosoku.pdf)の図2に、Siの原子間距離がとバンド構造の関係が出ています。右側にいくほど原子間距離が小さくなるのですが、ある距離より小さい領域では、原子間距離が小さくいほど(右に行くほど)バンドギャップが大きくなっています。しかし、ある距離より大きい領域では、格子定数が大きいほど(左に行くほど)バンドギャップが大きくなっているので、「格子定数が大きいほどバンドギャップが小さくなる」というのは、限られた範囲でしか成り立たないようです。

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