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金属、半導体の抵抗の温度変化について

金属は温度が高くなると抵抗が大きくなり、半導体は温度が高くなると抵抗が小さくなるということで、理論的にどうしてそうなるのでしょうか。 金属については、温度が上がると粒子が熱振動し自由電子が流れにくくなるというようなことを聞いたことがありますがあっていますか? 半導体についてはまったく理由がわからないので詳しく教えて頂くとありがたいです。 あと自分で調べていたところ「バンド理論」というのを目にしました。 関係があるようでしたらこれも教えて頂くとありがたいです。

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  • sanori
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回答No.1

こんにちは。 >>>金属については、温度が上がると粒子が熱振動し自由電子が流れにくくなるというようなことを聞いたことがありますがあっていますか? だいたい合っています。 金属については、温度が上がると正イオン(自由電子が引っこ抜かれた残りの原子)の振動が激しくなるので、自由電子が正イオンに散乱されます(進路を乱されます)。 それをマクロで見たとき、電気抵抗の上昇という形で現れます。 >>>半導体についてはまったく理由がわからないので詳しく教えて頂くとありがたいです。 半導体の中において金属の自由電子に相当するものは、電子とホールです。この2つは電流を担う粒子ですので、「キャリア」(運ぶ人)と言います。 ホールは、半導体物理学においてプラスの電子のように扱われますが、その実体は、電子が欠けた場所のことを表す「穴」のことであって、おとぎ話の登場人物です。 電子の濃度とホールの濃度に違いがあったとしても、一定の温度においては、両者の濃度の積は一定です。 これは、水溶液において、H+ と OH- の濃度の積が一定(10^(-14)mol^2/L^2)であるのと実は同じことなのです。 中性の水溶液の温度が高くなると、H2O が H+ と OH- とに解離しやすくなり、H2O に戻る反応が劣勢になります。 それと同様に、真性半導体においても、温度が上がると電子とホールが発生しやすくなるのに比べて、両者が出合って対消滅する反応が劣勢になるため、両者の濃度の積は増えます。 キャリアが増えるので、電流は流れやすくなります。

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  • semikuma
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回答No.2

ANo.1にすばらしい回答がされていますが、バンド理論について少し説明しておきます。 簡単に言えば、横軸に結晶内の場所、縦軸にその場所の電子のエネルギーを取ったとき、電子が存在しうるエネルギー帯(価電子帯、伝導帯)と、電子が存在し得ないエネルギー帯(禁制帯)とが、帯(バンド)状に上下に並ぶというものです。 どうしてそうなるかは、大学の電気系または物理系の学科に入れば詳しく習います。 電子はエネルギーの低い状態、つまり原子核に近い軌道に落ちようとするので、下の方のバンドから順々に詰まっていきます。 そして電子は軽いので、箱の中にピンポン玉を入れて揺さぶったときのように、周りの熱で常に飛び上がったり、下に落ちたりしています。 一番上の価電子帯が詰まっていて、電子が左右に動けず、その上の伝導帯にも飛び移れないものが絶縁体、伝導体に電子がある程度存在して、左右に自由に動けるのが金属です。 半導体はその中間で、熱がなければ伝導帯には電子が存在しませんが、禁制帯が狭いので、室温でも電子が禁制帯を飛び越えて、すぐ上の伝導帯へ移ることができます。 # 電子が価電子帯から抜け出た穴が、ANo.1のホールとなります。 従って、温度が高くなると、伝導帯へ飛び移る電子が多くなるので、抵抗は小さくなります。 金属の場合は、元々伝導帯に電子がいっぱい存在するので、電子が飛び上がってきて抵抗が下がる効果よりも、むしろ原子の振動が激しくなり、電子とぶつかって流れにくくなる効果のほうが大きいので、抵抗が上がります。

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