胡椒には色の違いがありますけど、元は同じです。収穫した後の処理の方法の違いです。そして質問の等級の違いは、仕分の段階で決まります。
●生産国
胡椒を生産できるのは緯度が14度以内の地域に限定され、主な生産国はインド、マレーシア、ベトナム、インドネシアの4ヵ国です。品種はおそらく同じなのでしょうけど、味と香りについては、国による違いがかなりあります。でも一般の人は国までは選べません。
●種類
胡椒は細い1本の茎の周りに房状に緑色の実を付けます。これを乾燥して茎を外したものが黒胡椒、水中に長期間浸して周りの果実部分を腐らせて除去して洗い、種の部分だけを取り出したものが白胡椒です。この作り方はほとんどどの国でも同じらしいです。
●ルート
胡椒を生産しているのは零細農家です。これを集める人がいて、現地の元売り商社の様な所に集まって来ます。そして元売りの段階で選別が行われて格付けされ、これを日本の香辛料商社が購入する。そんなルートです。
●選別
集められた現地の元売りの段階で選別と等級分けが行われます。軽い粒が少ない方が高級品です。おそらく日本に輸入されるのは、上位グレード品と思います。
●殺菌
現地段階の胡椒は、微生物汚染の度合いが高いので、殺菌してから市場に出回ります。
γ線による放射線殺菌が許可されている国もあります。熱劣化がないので味風味的には勝っているはずです。
放射線殺菌が禁止されている日本では、全て高圧過熱水蒸気で殺菌されます。多少ですけど味と風味に劣化が発生しているのも事実です。
●質問者さんが言う「いい胡椒」
良い香りが高くて、適度な辛味がある。これが使う側でみた良い胡椒なのでしょうけど、以上の説明で分かる通り、ユーザー側にその選択の余地がありません。せいぜいできる事は香辛料会社を選ぶだけの話です。
香辛料会社による味と香りの違いは、今述べた産地とグレードの違いでしょう。これをどの様にブランドしているかで僅かな違いが出るのだと思います。
お礼
詳しく教えていただき大変感謝いたしております。 胡椒のことがよくわかりました。 ありがとうございました。