- ベストアンサー
抗菌薬/抗真菌薬
抗菌薬/抗真菌薬 抗菌薬に抗真菌薬は含まれますか? また、真菌は真核生物に分類させますよね。 ということは、細胞壁も持たないし、リボソームの大きさも動物のものと同じだと思うのですが、 抗真菌薬の作用機序はどのようなものなのでしょうか?
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
広い意味では抗菌薬(抗菌剤)は抗生物質などを含むため、抗真菌剤も含まれると思いますが、その定義は割とあいまいなようです。 真菌は真核生物に分類されますが、一応細胞壁も持ってますよ。 ただし、真菌の細胞壁がキチンやβグルカン(多糖類)を含むのに対し、細菌の細胞壁はペプチドグリカンというように成分や構造は異なっています。(もちろん植物はセルロースですね) また、リボソームは80Sで原核生物の70Sとは大きさ(沈降速度)が違いますね。 ここで抗真菌剤の作用なのですが、これは薬剤の種類によってバリエーションがあります。 例をあげると、よくつかわれる抗真菌剤の1つのCycloheximide(シクロヘキシミド)なんかは、60Sサブユニットに作用し、ペプチド鎖伸長における転移反応を阻害することでタンパク質合成を阻害し、細胞を殺します。人間も同様の60Sのリボソームを持つため、この薬剤は強い毒性があり、殺鼠剤や農薬としても使われるようです。 また、Fluconazoleなどは、真菌の細胞膜の成分であるエルゴステロールの生合成を阻害することで殺菌作用を示します。このエルゴステロールは真菌のみ特有のもの(動物ではコレステロールをもつ)なので我々人間には毒性は少ないということになるでしょうね。 他にもアオカビから取れるGriseofulvinなんかは、真菌の微小管に結合して脱重合を阻害し、有糸分裂を阻害する(つまり細胞分裂を阻害)ものなど、色々な種類と機構があるようです。 ちなみに自分が参考にした和光純薬さんのカタログのページを載せておきます。簡単な説明が載せてあってわかりやすいですよ。というよりも説明の多くはここから引っ張ってきました(^^;)
お礼
ありがとうございます! すごくすごく分かりやすかったです!!