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ヘモグロビンは赤錆の色?
ヘモグロビンは赤錆の色? 生物カテゴリで以下のようなQ&Aを見つけました。 http://okwave.jp/qa/q6138912.html このような言い方はよく耳にするような気がしますが、wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%83%A2%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%93%E3%83%B3 によれば、ヘモグロビン中の鉄は2価のままです。 赤錆のとき、鉄は3価かと思いますので、配位子場どうこう以前の問題として ヘモグロビンの色と赤錆の色は無関係かと思うのですが、いかがでしょうか?
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3価の鉄の化合物の色は黄褐色から赤褐色のものが多いです。 FeCl3の色は結晶で赤褐色ですが水に溶かすと黄褐色になります。 酸化鉄Fe2O3の色は茶褐色から赤褐色まであります。 絵具の黄土色、茶色、赤褐色、濃褐色はすべてFe2O3だということです。 2価の鉄の化合物は日常ではあまり出てきません。試薬としては硫酸鉄FeSO4がたいていの高校にあると思います。青みがかった緑です。水酸化鉄Fe(OH)2はくすんだ青に見えます。 動脈血の色と静脈血の色の違い、 動脈血が酸素を運搬していて静脈血は酸素を運搬していない、 血色素の中にある鉄が色の原因である これだけの材料がそろえば血液の色の違いを鉄のイオンの違いに結び付けて考えるだろうというのはものすごく素直な事だと思います。 >“深い研究”をしなければ違うことはわからないのですか? 「酸化数が違うからまず違う」とは言えないのでしょうか? wikiにある、酸素のくっついた状態のヘモグロビン(オキシヘモグロビン)でもくっついていないヘモグロビン(デオキシヘモグロビン)でも鉄イオンは2価であるというのが意外な結果なのです。 あなたはこれを当たり前のように受け取ってあっさりと鉄錆の色とは関係がないと言われているだけのように思います。2価の鉄のままであるということを認めれば鉄錆の色ではなかったというのはあっさり出てくることです。2価の鉄であるということを示すのが難しかったはずです。 >このヘムの鉄原子に酸素が結合し、血液中を通って各組織へ運搬する。 >ヘム部分に酸素が結合しても鉄は2価のままであり、酸化されにくい ここが難しいのです。 >オキシヘモグロビンは鮮赤色で動脈血の色、デオキシヘモグロビンは暗赤色で静脈血の色である。デオキシヘモグロビンの鉄原子はポルフィリンの窒素原子とヒスチジン残基のイミダゾール環の窒素原子と配位した四面体型であり、オキシヘモグロビンはイミダゾール環の反対側に酸素分子が結合して八面体型となっている。 確かにFe^2+、Fe^3+の移り変わりが起こっているとすると可逆性が問題になります。 酸素が鉄と反応してしまってはその酸素は役に立たなくなります。 組織の中で生理的な反応に必要だからこそ呼吸で取り入れているのですから、分子のままで組織に運ぶ必要があります。組織の中の必要な場所で酸素を離すことができなければいけません。 こういうことを整合性を持った形ですべて明らかにするというのはかなり難しい実験だったのではないでしょうか。 2価のイオンのままでどうして2価の鉄と3価の鉄の色の変化と同じような色の変化をするのでしょう。 配位子が変われば色は変わるというのは当然ですが3価のイオンの色でない、2価のイオンの系統の中での色であれば不思議ではないのですが。 KSCN水溶液はFe^3+の検出に使います。敏感な反応です。「血のような色」という表現がよくあてはまるような赤です。Fe^2+では発色しません。これがもし「Fe^2+でもFe^3+でも血のような色になる」ということであれば「え!????」となるでしょうね。 普通にある試薬でFe^2+で赤系統の発色をするという例をご存知ですか。 ヘモグロビンの発色というのは特別なように思います。 偶然そうなったというだけのことかもしれませんが不思議なことです。 大きなタンパク質で取り囲まれた中心にある鉄イオンのところに酸素分子がどうやって行きつくのか、 酸素を離すのは周囲の酸素の分圧に依ってであると書かれていますが ヘモグロビン分子がどうやって分圧を感知し、それを分子の奥深くにある酸素分子を離すという変化につなげていくのでしょう。 不思議なことばかりです。
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- swisszh
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1)鉄の赤錆とは全く関係なしです。 2)鉄とグロビンとの錯体の立体化学構造が光の吸収と目に入る色に100%影響しています。 3)この研究は広く深くされており、Wikipedia の日本語版だけでなく、English, Deutsch を考察されたら いいでしょう。その他にも多くあります。 4)色の化学もよく研究されており、錯体化学もよくしられています。
補足
回答ありがとうございます。 私の知りたいのは、ヘモグロビンについてではなく 鉄(III)の色との相違点です。 いわば回答1)で「全く」と言える根拠です。 “深い研究”をしなければ違うことはわからないのですか? 「酸化数が違うからまず違う」とは言えないのでしょうか?
無関係と言い切るのは気が引けますが、事実上「無関係」です。 血の赤色はヘム、あるいはその中にある鉄-ポルフィリン錯体の色です。
補足
回答ありがとうございます。 配位子の違いを私も認識していることは 質問文から読み取っていただいていると思いますが、 このような回答をいただくということは 配位子の方が酸化数の違いよりも 大きく寄与すると考えてよろしいのでしょうか?
補足
回答ありがとうございます。 ヘモグロビンの発色の奥深さを垣間見ることができた気がします。 >2価のイオンのままでどうして2価の鉄と3価の鉄の色の変化と同じような色の変化をするのでしょう。 血液の色と赤錆の色が似ているように見えるだけなのか それとも実際スペクトルの形までも似ているのかは興味深いですね。 酸化数の違いを飛び越えているとしたら、私には驚きです。 >普通にある試薬でFe^2+で赤系統の発色をするという例をご存知ですか。 私は知りません。 No.1や2の回答者の方は酸化数よりも配位子の方が問題 と言いたいように私には感じられるので、 ヘモグロビンがFe3+と似た発色をしてもおかしくないと思うのが普通なのかな 殊に遷移元素の場合はそういうものなのだろうかと 質問をしたことで逆に悩んでしまっています。 重ね重ねになりますが、丁寧に解説いただき、ありがとうございました。