A 質問の整理
1>基礎工事が終わってから、棟上まで、日取りの関係で一週間ほど時間があきます。
回答
確認します。基礎工事が終わったとは、「基礎のコンクリート打設は完了」し、現在はコンクリートの養生中とのことですね。次は、いよいよ土台、柱、屋根の棟上の工程ですね。
2>この暑さなので基礎のコンクリート部分が割れてしまわないかと心配なのです。
回答
確認します。「このところの猛暑で気温は、最高気温は35度以上となっていますね。この高い気温のためコンクリート自体も温度が高くなり、悪影響(膨張などをして、クラック等の発生、割れてしまうのでは?)が心配です。」とのことですね。
B 問題点について
1.現在は、コンクリートの養生中であるが、コンクリート養生を業者がやっていない。
2.必要な養生を施工していないため、コンクリートに悪影響が出る恐れがある。
・悪影響とは、気温の上昇、コンクリートの温度、上昇で表面付近の水分が不足して、表面クラックの発生が予測される。
・コンクリートの温度応力によって貫通クラックが発生する。
・クラック幅0.15mm以上の場合は、防水性が低下、降雨による水分が浸透し、鉄筋の腐食を早め、鉄筋コンクリートの劣化により、耐久性を低下させる。
C 対策
1.文書による不具合に対する是正指示
工事請負契約約款、工事仕様書、見積書、鉄筋コンクリート仕様書には、品質の確保のためコンクリート養生の規定があります。品質確保のための規定の工事を実施していないことになります。「俗に言う手抜き工事です。」10年瑕疵担保保証の保険加入、履行保証、地盤保証などに加入されているのであれば、業者もこの事柄は理解しているはずです。「俗に言う。コンクリートの養生を知っていてやら無い」ことは、技術者の倫理(モラル)にもっとも反する行為です。言うならば、「品質確保に対する犯罪行為ととられても仕方が無いですね。」
即、文書で、メールで、現状の養生無しの写真を撮り、HM責任者、設計事務所の設計者、現場担当のHM責任技術者(工務店の主任技術者、責任者)に対し、「契約約款の違反行為に対し、不具合が予見されます。即、是正計画を立て、当方に説明し、不良工事に対する陳謝を行い、説明の上実施のこと。」と送信、郵送してください。
2.規定の養生の実施
コンクリートの打ち込み中の規定「暑中コンクリート」はあくまで、施工段階の規定です。
打設後は、一番大事な「コンクリート養生」の工事に入ります。
鉄筋コンクリート工事の品質確保の重要な作業です。
本来は、打ち込み当日から、養生はスタートです。一回目は、べた基礎コンクリート打ち込み工事です。2回目は基礎コンクリートの立ち上がり打ち込み工事です。
養生の手順、要領は、鉄筋コンクリート標準仕様書に規定されています。ポイントは、打ち込んだコンクリートの水分の蒸発しないようにすること。そのため表面の湿潤状態(湿度90%以上)にすることです。これによってコンクリートの強度が発現されるわけです。又、クラック発生も低減されます。
被膜養生を行う方法、マットで型枠とコンクリート全体を覆い、常時水を潅水(潅水ホースし使用)して、湿潤状態を1週間くらい実施します。
所定の期間、養生を終えて、型枠を解体して、クラック調査(目視、計測、記録)を行い
第三者監理の検査を受けて、次工程へ進みます。検査無しでは次工程へ進んではなりませんね。
D コンクリートと温度、気温について
コンクリート打ち込み後、駆体の温度は50度以上になっています。外気温が仮に冬場で3度の場合は、其の差が大きくなりますね。其の差をなくするため冬場は、シートなどで上屋をかけ、ジェットヒーターで気温を上げることが規定にあります。これをしない場合、凍結して、必要な強度がでませんね。
夏は故に、気温は35度でも、コンクリートの温度が50度である場合差は15度です。故に温度の調整は不要です、共通して言えることは湿度、90%以上を確保することです。温度が高い夏場は、水分が不足しますね。故に潅水が非常に重要ですね。(湿潤化)
火災の場合、300度から500度まで、鉄筋、コンクリート含め強度の復元がOKといわれています。したがって猛暑でコンクリートの強度がどうこうと言う事は無いですね。
ポイントは、養生(規定、遵守、実施)です。
お礼
丁寧なご回答ありがとうございました。 専門家のかたでしょうか? ご回答を参考に業者の人にいろいろ確認してみますね。 ありがとうございました。