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化学と物理で「熱容量」という言葉の定義は違うのでしょうか?
化学と物理で「熱容量」という言葉の定義は違うのでしょうか? センター化学の過去問を解いていたのですが、1994年度の本試験の問題で、 「~~~、ただし、溶液の密度は1.0g/ml,熱容量は1.0cal/(K・g)とする。」 という問題文がありました。 cal/(K・g)という単位は(今はcalではなくJですが)、普通、(私が物理で習ったのは)「比熱」と言って「熱容量」は「cal/K」とか「J/K」だと思うんですが、これは化学と物理で違うと言うことなのでしょうか? それとも旧課程と新課程で熱容量という言葉の使い方が変わったのでしょうか?
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センターでこういう使い方をしていたのですか。 よくない使い方だと思います。 理化学辞典でも化学辞典でも熱容量は「物体の温度を単位量だけ上昇させるのに必要な熱量」です。 「比熱」の使い方に少し変更があるようです。 化学辞典(東京化学同人)に 「比熱specific heat=比熱容量specific heat capacity」 「比熱容量:単位質量当たりの熱容量」 「以前は比熱と呼ばれていたがこの名称は用いないことが推奨されている」 と書かれています。 この化学辞典の出版は1994年です。 それ以前に多分IUPACの勧告があったのでしょう。 熱力学、気体分子運動論のところでモル比熱という言葉がよく使われていました。 これも今は「モル熱容量molar heat capacity」と表現されています。 こういう変更はありますが比熱の意味で熱容量という言葉を使うということはなかったはずです。 「モル比熱」のモルをはずすと「比熱」になる、それなら「モル熱容量」のモルをはずした「熱容量」が「比熱」と同じ意味になると考えてしまったのではないでしょうか。 元々の比熱の意味と熱容量の意味の違いが理解されていなかったようです。 比熱は元々は水を基準として同じ温度上昇に必要な熱量の比較をしたものです。比較のために質量を共通にしています。物質の性質を知ろうというための量です。specificという言葉は「物質に固有の」というような意味です。「比重」と似た言葉の使い方です。 熱量の単位、温度の単位が確立してから比較ではなくて単位を持つ量に変わりました。密度のような表現になったのです。水1gの温度を1度上昇させるのに必要な熱量を1calと決めましたので単位の表現に変更があっても値の変更は生じなかったのです。