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ハチや蟻は何故、階級分化(分業)が起こったのでしょうか?
ハチや蟻は何故、階級分化(分業)が起こったのでしょうか? 自分の考えでは女王ハチや蟻の為に働いたほうが自分で子を産むより遺伝子が残せるからだと思うのですが皆様の意見をお寄せください。
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>女王ハチや蟻の為に働いたほうが自分で子を産むより遺伝子が残せるからだと思うのですが 定説でもその様に考えられている様です。 正確には、女王の為というよりは、自らの妹である次世代の女王蜂(蟻)の為だと思います。 現在、定説とされている血縁選択説では次の様に説明されています。 多くのの生物の遺伝子は類似したDNAを2組ずつ持っている2倍体と呼ばれる形式で、精子や未受精卵は、その半分の1組ずつのDNAを持っています。 女王蜂(蟻)や働き蜂(蟻)も、この2倍体であるのに対して、雄蜂(蟻)は受精していない卵から生まれるため、類似したDNAを1組しか持たない1倍体なのです。 このため、1匹の雄蜂(蟻)が持つ精子は、どれも同じ遺伝子を持っています。 このため、1匹の女王蜂(蟻)から生まれる、次世代の女王蜂(蟻)や働き蜂(蟻)が持つ遺伝子の内の、雄蜂(蟻)由来の遺伝子は、全て同じになります。 これに対して、女王蜂(蟻)の遺伝子は2倍体ですから、次世代の女王蜂(蟻)や働き蜂(蟻)間で、持っている遺伝子の内の、女王蜂(蟻)由来の遺伝子を比較すると、複数あるDNAの中に同じ遺伝子を持っている比率は平均すると2分の1の割合になります。 次世代の女王蜂(蟻)や働き蜂(蟻)が持つ遺伝子の内、雄蜂(蟻)由来のものが同一で、女王蜂(蟻)由来のものの半分が同じという事は、働き蜂(蟻)にとって次世代の女王蜂(蟻)は、平均して4分の3の割合で、共通の遺伝子を持っている個体になります。 普通の有性生殖を行う場合、産まれて来る子供の遺伝子は、片方の親から見ると、共通の遺伝子は半分しかありません。 つまり、働き蜂(蟻)から見ると、他の働き蜂(蟻)や次世代の女王蜂(蟻)は、自分が卵を産んだ場合に産まれて来る子供よりも、共通の遺伝子を多く持っている(血縁が濃い)事になります。 このため、働き蜂(蟻)は自分で卵を産んで育てるよりも、次世代の女王蜂(蟻)のために働いた方が、自分と同じ遺伝子を残す確率が高くなるため、卵を産まずに女王蜂(蟻)に尽くす性質を持つ蜂(蟻)が、生存競争で有利となり、自然選択の結果、生き残って来たとされています。 【参考URL】 血縁選択説 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%80%E7%B8%81%E9%81%B8%E6%8A%9E%E8%AA%AC complex fraction | 『蜂』シリーズ7 ~娘よりも妹を欲しがる働き蜂 http://homepage3.nifty.com/logical/column040.html 尤も、実際には女王蜂は巣作りを行う前の空中結婚でのみ、複数の雄蜂と交尾を行い、その時に得た雄蜂の精子を体内に保存して、生涯の産卵に使用していますから、雄蜂由来の遺伝子は、必ずしも同じとは言えず、この辺りが学説としては不完全だと思います。 【参考URL】 complex fraction | 『蜂』シリーズ8 ~不倫が推奨される女王蜂 http://homepage3.nifty.com/logical/column043.html
お礼
とても分かりやすい内容です!!ありがとうございました