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この名詞にこの動詞
「のこぎりで挽く」とか、「煙草をのむ」とか、「座布団を当てる」とか、「たんこぶをこさえる」とか、今は一般には廃れた言い回しがありますよね。大抵は他の簡単な語に言い換えられていると思います。 それと同時に「鼻をかむ」とか、今でもまだ命脈を保っているものもあります。 でも、よく考えてみると今の若い世代からすると違和感があるのではないでしょうか。 そこで質問です。 この「名詞」にこの「動詞」という渋い組み合わせを思いつくだけ皆さんに挙げてもらいたいと思うのです。 もちろん、そういうのが載っているサイトがあるだろうということは予想できますが、それを掲載するのは「興を削がれる」ので、ご遠慮願い、皆さんの頭の中の語彙だけで答えて頂ければと思います。 締め切りは今月末ほどを予定していますので、よろしくお願いします。
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性懲りもなく出現。 ○小股が切れ上がる (正直なところ私にも具体的なイメージは湧きにくい表現の一つです。裾捌きの鮮やかさ、立居振舞の颯爽感などから粋筋よりは町娘、のイメージなのですが) ○首を傾げる(慣用句ではなく、特に女性の仕草を形容する表現として。「傾ける」では色気なしです) ○情に掉さす(誤用の例ではよく見かけますが、現実の使用頻度は少ない言葉のひとつです) ○人目を憚る→避ける (トイレも事物の性質上隠語、言換えの多い言葉ですが、「はばかり」は流石に殆ど使われなくなりました) ○先方へ赴く→行く (「赴任」等の言葉では生き残っていますが、動詞としては使われなくなりました) ○衣服を調える→そろえるor合わせる ○身をつくろう(最近では身づくろいをするのは猫くらいかもしれませんが) ○粟を食む→給料をもらう(やや苦しい) (「食む」は「草を食む」が既出ですが、他にも「碌を食む」もありますね) ○産を破る→破産する(○○する、というのはかつては漢語を用いた安易な造語だったのかもしれませんが、多くは日本語として定着しています。ただ、特に漢語以外の外来語で乱発すると訳が分からなくなります。私の感覚では「サボる」は定着、「アジる」「ラリる」は殆ど死語、「ビニる」(コンビニへ行く)は??といったところです) ○荷を担う(担ぐ)→荷物を持つ ○些事に拘う(かかずらう)→こだわる ○鬼を拉ぐ(ひしぐ)→やっつける (意味は「制圧する」に近いでしょうか。柔道の技に「腕拉ぎ十字固め」というのがありますが) ○敵を平らげる→やっつける (同じ「やっつける」でも字義からは前者が動作、後者は平定された状態に力点があるように思われます) ○国を統べる→治める (古語の分類になるかとは思いますが、「しろしめす」も良い響きの言葉です。古事記やブラウニングの詩を思い出させます) 最後の3語以外は前回のストーリーの続きを少し意識したのですが・・・両方混ぜるともう少しましになるかも知れません。 お邪魔いたしました。
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- mide
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「弁当を使う」 私も実生活で聞いたことはありません。落語の中だけ。
お礼
「弁当を使う」ですか。 「使う」という言葉は結構便利だったんですね、昔は。 今では「風呂を使う」は少し通じる程度ですが、何、借りたの?、という感じになってしまいますね。あ、むしろ「トイレを使う」の方が。まあ、May I use washroom?のように英語から復権しているのかもしれませんが。 落語の言葉ということで、やはり江戸弁が入っているのかもしれませんね。 ご回答ありがとうございました。またよろしかったらどうぞ。
- yo-kan-62
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よだれを喰うは如何ですか?
お礼
不勉強ですみません。 「よだれを喰う」、聞いたことがありませんでした。 意味としてはどんなものになるのでしょうか。 涎というと、どうしても「垂らす」「垂れる」ものだと感じてしまいます。「垂涎」という言葉があるくらいですから。 でも、「こぼす」「こぼれる」という動詞が使われることもあり、少し妙な感じもします。 今回は不勉強で申し訳ありませんでした。 ご回答ありがとうございました。
- pippy
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「ご飯を盛る」というのが私の中では常識だったのですが、「ご飯をつぐ」とのたまう方がいらっしゃいます。 それから「跡を襲う」が通じませんでした。 痰を切る → 痰を吐く 咳を切る → 咳をする ひげを当たる ← ひげを剃る(忌み言葉による逆パターン) 目をつむる → 目を閉じる マスをかく
お礼
「ご飯を盛る」 これは地方によって違うようです。私の場合は、「ご飯をよそう」と言います。「装う」という表現が即物的な物言いを避けていて美しいと感じています。 「跡を襲う」ですか。襲撃というニュアンスだけしか残らなくなってしまった「おそう」という動詞ですが、動詞だけでなく、「襲名」という漢語を見てもピンとこない人は多いかもしれません。これは「襲う」自体が既に襲撃の意味で固定しつつあるのかもしれません。多彩な意味を持っていた言葉が単純化していくのは、なんだか淋しい気もします。 痰を切る → 痰を吐く 咳を切る → 咳をする 「痰を切る」というのはうまい表現ですね。どこまでも伸びているような痰をどこかでかぁっ、ぺっと切るというのは見立てとして優れたものであると感じます。 「咳を切る」は残念ながら存じ上げません。咳をするという意味の動詞「しわぶく」という可愛い語感のものがありますから、それと「咳をする」を比較しただけでも随分情緒が違います。 ひょっとして「堰を切る」のことかと思ったのですが、違いますか? ひげを当たる ← ひげを剃る そうですね。江戸弁では「そる」ではなくて「する」と言い、賭け事の「する」を嫌った忌み言葉ですね。同じように「するめ」→「あたりめ」になるわけですね。これも地域的な差異と言えるかもしれません。 目をつむる → 目を閉じる そうですね。目は閉じるか開けるかどちらかと感じられるところですが、目を瞑る、には心理的な深みを感じさせる表現で、即物的な「閉じる」になるという趨勢を窺い知ることができます。 「目をつぶる」という風に言う人もいますが、これもおそらく地方差の問題でしょう。 マスをかく 最後に一言ぼそっとこれで止めますか。これは割と新しい言葉であるというのがキーですね。即物志向と逆を言っているわけですね。おそらくは性的な言葉に関しては即物的に言いづらいものがあるのか、隠語が発達してくるのだと思います。 ストレートに自慰すると言うと、卑猥さのない、したがって味気ないなものになってしまうかもしれませんね。分野によってははっきり言わない表現が発達しているのだという例を知り、はあなるほどと思いました。 ご回答ありがとうございました。 またよろしかったらどうぞ。
- mak0chan
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「孔を穿つ」 孔と穴の区別も曖昧になり、何でも"穴を開ける" という。
お礼
「孔を穿つ」 あ、また来て下さいと書く前に既に2度目の投稿があったのですね。 「雨垂れ石を穿つ」とか「涓滴岩を穿つ」とかいった言葉はあるものの、「穿つ」という動詞も使用頻度が少なくなりましたね。「貫通する」のニュアンスが伝えられる、便利な動詞なのに。 「穴」と「孔」ですが、国語教育のせいか、違いを教えることがなくなって、結局先に学習する「穴」で統一されて、なんでもかんでも穴になってしまっているのでしょうね。孔の方が細かく、貫通しているという感じなんですが、そういうニュアンスを文字で知るというより、音で覚えるのが若者の傾向なんでしょうか、道理で「あな」の区別が付かなくなってしまいます。 「窖」と書いて「あなぐら」と読む、なんて、誰も知りません(これは漢字検定1級レベルです)。みんな「穴蔵」と書いてしまいますし。 「穿孔機」も「ドリル」と言わないとわかりにくくなっている時代ですから、この「孔を穿つ」というのは棺桶に片足を突っ込んでいるような印象がありますね。 再度のご回答ありがとうございました。 またありましたら、是非。
- umesuruga
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用事をたす というのは含まれますか? (これを使ったとき古いと言われました。)
お礼
「用事」ですか。古いと言われたら、「じゃあ何と言えばいいの?」と問うてみたくなりますね。 用事を済ませる、片付ける、というのは言いたいこととは違いますし、かと言って、用事をなす、する、でも変です。 やはり「用事」は「足す」でなくては。 でも、「足す」という言葉だと、なんだか用事が増えるような違和感があることも否めませんね。 これは将来、おそらく1世紀ほど後には使われなくなってしまっている可能性はあるかと思います。 しかし、「用を足す」には、「(主に)便所での排泄行為」を指すという慣用表現がありますから、もしかすると少しは生き残る可能性もあるかもしれません。 ということで、確かにイマ風な考えからすると違和感があるので、これも含みます。OKです。 ご回答ありがとうございました。 また、これはどうですか?、でもよいので何かご提示いただけると嬉しいです。
- mak0chan
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とりあえず1点だけ、 「縄をなう」 よく、縄を編む、と言いますが、縄はなうものです。
お礼
「縄をなう」ですか。 泥縄と略される「泥棒を見て縄を綯う」、タイミングを逸しているという意味の諺ですが、この「綯う」という動詞がほとんど縄にしか用いられないということもあり、忘れられつつあるのかもしれません。 やはり「編む」ではいけませんね。「編む」というと「網」の語感がありますから、そういうイメージでいくと、一本になる「縄」にはそぐわないんですよね。 せめて、「縄を縒る(よる)」くらいならわかるんですが、やはり縄には「綯う」です。 ご回答ありがとうございました。 またのお越しをお待ちしております。
私が好きなのは「香を聞く」という表現です。日常生活では決して耳に出来ない言葉ですが、何と雅な響きでしょう…… 別なものを思い出したら、またお邪魔致します。
お礼
「香を聞く」ですか。 聞茶なんていう烏龍茶がありましたね。あれもにおいをかぐという意味なんでしょうか。それとも聞き酒のようなものなのか……。 恐れながら初耳なので勉強になりました。 香りであるのにも関わらず、聞くという表現がいかにも雅であり、奥ゆかしさを感じますね。 今だとさしずめ「香をかぐ」になるんでしょうが、これは味がないですねぇ…… どうもありがとうございました。またいい言葉をご教授願えればと思います。
お礼
「小股が切れ上がる」…小股というものが実体がないようで、安易に使えない語ですね。 「首を傾げる」…ぜひ、「小首」にしましょう。そうするともっと渋みが増します。 「情に掉さす」…「草枕」冒頭のイメージが強いのでしょう。「情」というと「絆される(ほだされる)」も使わなくなってきている言葉ですね。 「人目を憚る」…「憚る」という語の日本的な美学のあるニュアンスが、他の語を以て代えられないところですね。「はばかり」に限らず「ご不浄」も「雪隠」も「厠」も、全部古びてしまいました。 「先方へ赴く」…なるほど。個人的に「赴く」はよく見る動詞ですが、実際使うかというとそうでもないですね。 「衣服を調える」…「髪を調える」も同様に言わないんですよね。「縁談」にしても「夕食」にしても、この動詞の頻度が減少していることを示している気がします。 「産を破る」…うーむ、聞いたことがないです。勉強になります。「産を傾ける」というのも見聞せぬ表現ですね。外来語の動詞化は明治以降積極的になされているんですよね。これも興味のあるテーマです。「ジャズる」とか、どうかなあと思ったりするようなのがいろいろあって面白いところです。 「荷を担う(担ぐ)」…「になう」も荷物が名詞だとそろそろ使われにくいですか。「責任を担う」などはまだまだ健在かと思うのですが。それ以上に、どちらにも使える「負う(おう)」は歩が悪いようです。 「些事に拘う」…これを(かかずらう)と読める人がいるのかどうかが考えものですね。「かかずらわう」とか、誤憶している人も多い動詞です。 「鬼を拉ぐ」…ひしぐ‥なるほど、これは「腕拉ぎ十字」くらいしか聞かないですね。動詞も珍しいですが、漢字も拉致くらいでしか見ませんし。 「敵を平らげる」…食べることについても「平らげる」と言うはずなんですが、そう言えばとんと耳にしませんね。 「国を統べる」…大統領の統、なんですが、意外にこの訓読みは忘れられがちですね。 ご回答ありがとうございました。あまりに多くまとめ出しがあると字数制限の都合で一つ一つについて書くことができなくなる虞がありますので、ご了承ください。