アマアガリ・シンドロームとは どういうエートスか
1. 人びとは 世界の何についても寄り憑く原始心性(アニミズム)の状態から脱して おのれの心と意志とで世界の中に入り行くところの:
《イリ(入り)》なる歴史知性(もしくは 世界‐内‐存在であること)
を獲得した。(すでに潜在的な能力としてそなわっていたのを開花させた)。
2. 世界の思想や行動なるいとなみを相対性の物指しで見るようになった。
3. だから 神は この経験世界をとおして望み見るかたちの信仰のもとにある。望み見るとき その神は――有る無しの経験事象を超えているからには―― 人間の言葉としては《神は有る》と言っても《神は無い》と言っても 同じひとつの信仰内容となると心得た。
4. そこへ アマアガリ現象が起きた。イリ歴史知性なる相対性には飽き足らないという心的現象に始まる。
5. 早い話が 子どもが空の月を取って欲しいと言うかのように・そしてそれを自分で実行するのだと言ってのように われは神を見た・神と話をしたのだ だからその神をわれはこの世に寄せたと説き始めた。
6. 《ヨセ(寄せ)なる超歴史知性》の誕生である。果ては みづからが神となるというまでになった。
7. ヨセなるスーパー・イリ歴史知性は すでに《世界‐内‐存在 In-der-Weld-sein 》と成っている。成っていた。《ヨリ(憑り)なる原始心性》を抜け出ていた。
8. そこへ 歴史知性――知性の相対性・経験現象性――を想像力を駆使して超えようとしたのである。天翔り 天上がりする。
9. これが アマアガリ・シンドローム。
10. その特徴は何か? ふたつある。
11. ひとつは 歴史知性の想像力ないし思考能力によって 世界の認識にあたって その普遍性を問い求めた。経験科学として・および良し悪しの価値観を伴なわせた倫理観として。これを アマテラス(A)普遍語と言う。
経験世界の相対性に立つ――あやまち得る人間性としての――言葉は スサノヲ(S)人間語である。
12. A 語の普遍性も しかしながら 経験科学としてである限りで 相対的なものであることを免れない。あやまち得ないわけではない。
13. だから ところどころにヒビ(罅)が入り傷がつく。
アマアガリ・シンドロームに罹った場合には この損傷や欠陥を隠そうとする。自分たちの権威ないし体面を科学的および倫理的な普遍性よりも 大事にする。無謬性の神話がつくられる。
14. もうひとつは 《お山の大将》型だということである。つねに脚光を浴びていないと 死ぬ。アマアガリしたのであるから 人びとの上に立って人びとを引っ張っているのでないと 死ぬ。だから アマテラス普遍語の磨き上げをおこたらない。
15. これが 超人幻想なるヨセ超歴史知性の落ち入るアマアガリ症候群だ。
16. われわれ人間の話す言葉は 時と場合に応じて
《アマテラス普遍語 - スサノヲ人間語》なる構造的なことば
がのぞましいとは考えられる。
17. アマアガリ・シンドロームは 国家人間を襲っているものと思われる。いかにすればよいか?
お礼
回答ありがとうございました。