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過冷却の起こりやすい金属
金属を溶解し、冷却したときに過冷却が起こりやすい金属とそうでない金属があるのはなぜでしょうか? 測定した金属とその凝固点は Sn 231.9℃ Bi 271.4℃ Pb 327.5℃ 過冷却がみられたのはSnとBiでした。 調べてもよく分からなくて… どなたか分かりやすく教えて頂けないでしょうか? よろしくお願いします。
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一般に、液体が融点で結晶化する時や、飽和溶液から析出するときには 最初に結晶成長の核になるものが必要で、この核になるものが無ければ 結晶成長は何時までもはじまらず、過冷却となります。 さて、結晶の核となるのは、外から加えられた種結晶や、 液体中の固体不純物、液体中に偶然出来た結晶と同じ配列、等です。 このうち、種結晶以外から結晶核が生成する場合はエネルギーが必要で、 このエネルギー(結晶核形成エネルギー)が大きい場合には それだけ結晶核は生成しにくいため、深い過冷却が観測されます。 この結晶核の形成エネルギーの大きさは、 物質によっても、形成のパターンによっても異なりますが、 一般的に言って、不純物を元にした場合の方が 偶然出来る場合よりはるかに小さくて済みます。 さらに、不純物が元になる場合であっても 物質と不純物の種類によって異なる値となります。 ということで、結論的には、 結晶核生成の元になりやすい不純物が含まれている場合には 過冷却にはなりにくい、といえます。 なお、偶然出来る結晶核の生成エネルギーは物質固有の値なのですが この部分は今回のような実験では考慮は不要です。 なぜなら、かなり過冷却が深くならないと問題にならない上、 普通に取り扱っている材料では十分な量の不純物が含まれていて さらに容器も巨大な固体不純物として結晶核となり得るためです。 (このため、上記を測定するには特別な方法が必要です) ちなみに、上記の内容は金属に限った話ではなく、 例えば水の過冷却にも当てはまります。 最後になりますが、この辺りは基礎の話なので参考資料は沢山あります。 教科書的なものを一冊挙げておきます。 金属凝固学概論 W.C.ワインガード著 / 大野 篤美訳 / ISBN4-8052-0016-2
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- spring135
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過冷却は金属の種類よりも不純物の含有量によって支配されるようです。また実験中に振動等の外乱を与えると過冷却状態から個体に変化することがあります。
お礼
お礼が遅くなり申し訳ありません。 早急なご回答ありがとうございます。とても助かりました。
お礼
お礼が遅くなり申し訳ありません。 大変丁寧な回答、ありがとうございます。とても参考になりました。 教えていただいた文献も参考にしたいと思います。 ありがとうございました。