行政書士と行政書士有資格者の違い
とある者が言っていた事なのですが。
「行政書士=行政書士有資格者
行政書士登録していない者=行政書士試験合格者 」
であり、行政書士登録していない者が「行政書士有資格者」又は「行政書士の有資格者」を標榜した場合、行政書士法の標榜規制に反し、違法であるとその者は言っておりました。
これは、「行政書士という資格」と、「行政書士になるための資格」が別々のものだという解釈だと思います。
行政書士会連合会に電話をかけると、電話対応の事務員が同じ事を話していました。
かくいう私も、行政書士試験の合格者ですが、早稲田セミナーから出版されている「success」という雑誌で行政書士と行政書士有資格者の名称が使い分けられている点や、登録していない者がインターネット上で「行政書士有資格者」と名乗っている事から、「行政書士有資格者」=「行政書士になるための資格を有している者」(行政書士法2条各号の者)を指しているのだと認識しています。
しかし、他の行政書士に聞けば以下の見解でした。私は、こちらの行政書士の論理展開が正しい帰結であり、説得力があるように思えます。
行政書士法2条の規定を見れば、行政書士有資格者=行政書士試験合格者でも構わない。一号~六号までは全て有資格者です。
法上は「行政書士」はその「登録者」を指します。つまり行政書士業務を現に行えるものをさします。
ちなみに19条の2はいわゆる名称独占規定で、その禁止するのはその名称を使用すること全般に及ぶので、「19条の2」の守備範囲は「2条」にある内容と必ずしも一致するものではないということです。
この条文の趣旨は「行政書士」業務ができない状態の者が「行政書士」等紛らわしい名称を使用することによる混乱を防ぐというものです。
ここで本件における事例を振り返ってみますが、有資格者という表現そのものは法上も別に誤りというわけでもないので使えないというわけではないかと思います。
「なる資格=試験合格者等」と「働ける資格=行政書士」は別ですがこういう「資格」という単語を使った区別自体、法令にもありませんし、処罰されるかどうかは個々具体的にその悪質性等を判断して決定されることなので、2条による有資格者を名乗っても直ちに違法とは言えないということでした。
ちなみに行政書士法コンメンタールでも試験合格者を有資格者と表現しているのだそうです。
別に、標榜など個人的にはどちらでもいいと思うのですが、気になってしまったので。お分かりの方いらっしゃいましたら、是非ともご識見をお伺いしたいのです。私は前者二人が解釈を誤っており、後者行政書士が正しい事を申していると考えます。