shozi_nkさんには前も忠告したのですが、前の質問へのQ&Aで派生した疑問については、その質問の中で再質問するなどして解決を図るのが筋でしょう。
質問内容が元の質問からかなり離れてしまうと判断したため別の質問を立てる場合でも、せめて前の質問に対する回答には何らかのレスを付けて締め切るのが回答者に対する礼儀でもあるでしょう。
それにそもそも、こうやって次々と「勝手な解釈による新しい質問」を立てていって、理解が深まるとも思えません。
http://okwave.jp/qa5346194.html
http://okwave.jp/qa5340779.html
これらの前の質問に対する回答をきちんと理解すれば、本質問のような解釈は出てこないと思うのですが・・・
「勝手な解釈」が前の回答に対するレスに書かれていればちゃんとフォローできるのですが、その都度新しい質問を立てられてはそうそうつき合い切れません。
よって、本回答を最後にします。自分で書いた回答に対する再質問にはいくらでも対応しますが、これ以上の"新質問"にはつき合い切れません。
「抗原」の意味は、基本的には"意味1"が正しく、それ以上の意味("意味2")はありません。
otxさんが"間違い"と指摘したのは、
>抗原性を有する個々の蛋白質
の"蛋白質"が間違っている、ということです。抗原は蛋白質だけでなくある程度以上の大きさを持つ分子であれば、たいていのものは抗原性を有するからです。(でも医学分野で問題にする大半の抗原は蛋白質ですが)
で、「抗原性を有する」というのは、「抗体のターゲットとなる」と同義です。従って、「抗体のターゲットになるもの」は「抗原性を有するもの」と同じ意味になります。
・・・ま、「抗原」という言葉の定義に「抗原性」という"抗原"を含む言葉を使うのは適切ではないですけど。
>最初の質問で言いました次の(a)~(c)のいずれもが「ターゲットとなるもの」であると思えます。
>(a)H5蛋白質
>(b)N1蛋白質
>(c)H5N1鳥インフルエンザウイルス
この中で(c)は違います。H5N1鳥インフルエンザウイルスに対する抗体、というのは厳密には存在しません。言い換えると、抗H5抗体や抗N1抗体は存在しますが抗H5N1抗体というのはあり得ないのです。
ですから、ウイルス粒子そのものは厳密には「抗原」ではないのです。
>例えば、H5N1亜型鳥インフルエンザウイルスのH5N1は、ウイルスの表面にあるH5とN1の2つの蛋白質の組み合わせであり、H5N1亜型鳥インフルエンザウイルスはH5とN1の2つの「(意味1の意味での)抗原」を用いて他の生物に感染するとお聞きしました。
ちょっと違います。
感染の際に重要なのはHA蛋白であり、細胞内で増殖したウイルスが細胞から脱出(出芽)する際に重要な役割を果たすのがNA蛋白です。この2つの蛋白は、細胞への感染~出芽に至るウイルスの増殖サイクルの中で、別のステージでそれぞれ役割を持っています。別にHAとNAの組み合わせがどうこういう話ではありません。
インフルエンザウイルスの亜型がH5N1というようなHAとNAの2つの血清型による亜型で型別されるのは、この2つの蛋白の組み合わせがウイルスの増殖サイクルや病原性にとって重要だからではなく、この2つの蛋白に多型性があるからです。
例えばインフルエンザの迅速診断キットは、ほとんどの場合インフルエンザウイルスのNPという核蛋白に対する抗体を使用しています。
つまり厳密に言えば、これらのキットで陽性となった場合、「患者の鼻腔拭い液等の検体の中に、NP抗原が存在することを証明」しているのです。直接的にインフルエンザウイルスそのものの存在を証明しているわけではないのです。
しかし、ウイルス粒子が存在しないのにNP蛋白という"パーツ"が単独で存在することなどあり得ませんよね。なので、「NP抗原の存在を証明」=「A型インフルエンザウイルスの存在を証明」でokというわけです。
この場合、学会や論文レベルでも「A型インフルエンザウイルスの抗原を検出」というような表現がされる場合があり、この場合は"意味2"のような使われ方をされていることになるのですが、あくまで読み手は「=NP抗原」と脳内変換して読んでいるので、ウイルス粒子そのものを「抗原」という認識はありません。(論文だとレフェリーに指摘されて書き直すことになる可能性が大)
ちなみに迅速診断キットが、なぜHAやNAでなくNPをターゲットにしているか、は、「NP蛋白に多型性がないから」です。
A型インフルエンザウイルスは、HAやNA、それと今話題になったNPの他に、RNAポリメラーゼ(PA,PB1,PB2の3つの遺伝子によってそれぞれのサブユニットがコードされている)やマトリックス蛋白(M)、非構造蛋白(NS)といった蛋白質を作ります。というよりウイルス遺伝子にこれら蛋白質がコードされています。
また、MとNSはスプライシングされてM1とM2、NS1とNS2といった蛋白に合成されます。
これらHA,NA,NP,PA,PB1,PB2,M1,M2,NS1,NS2といった蛋白(あるいはそのサブユニット)は全て「抗原」となり得ます。実際に感染した人はこれら全ての蛋白に対する抗体を作るでしょう。
お礼
いつもお教えいただきありがとうございます。 たいへんよく分かりました。すっきりしました。闇から抜け出ることができました。御礼の申し上げようもありません。 こういう基本的な(かどうか、定かでないのですが)ことが分かっておらずこのような疑問が次から次へと出てくるので、前回、前々回の質問に対して頂いた御回答が未だに理解できず悪戦苦闘しています。 そんな事情で、前回、前々回の御回答への御礼、補足は今少し時間がかかりそうです。申し訳ありません。しかし、何もしていないわけではありません。それなりに頑張っている積もりですし、理解も少しずつ進んでいるように思います。 ただ、素人のため、少し進むと進んだ箇所について新たな疑問がムクムクと湧き上がってきてそれを解決するために何か調べるとまた別の疑問が湧き上がってきて、...を繰り返しています。情けない限りです。 しかし、今回の御回答は、その細部は別にして、一読して全て理解できたように感じました。いつもいつも噛んで含めるようにお教えいただき、心から感謝しております。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。