こんばんは。
ご質問の文章は正しいです。
> 元歌手にしては歌が下手だ.
> 元歌手のわりに歌が下手だ.
「Aは[名詞B]‘にしては’Cだ」
「Aは[名詞B]‘としては’Cだ」
「Aは[名詞B]‘のわりには’Cだ」
一つ付け加えて、この三つについて説明いたします。
いずれも、Bの平均値を基準にして考えた場合に「Aは平均でなくCだ」という場合に使われます。
・「BにしてはC」は、意外なCを述べています。
「歌が下手」なのは意外だ(そう(そこまでとは)は思っていなかった)。
・「BとしてはC」には、「意外さ」という話し手の気持ちは含まれていなくて、ただCを客観的な事実として述べています。
Bの平均と比較すると、平均よりはCだね。とクールに言っているだけということです。
・「BのわりにはC」は、話し言葉で使われる表現で、上の二つの中間に位置します。
つまり、「半ば意外さ、半ば客観性」を表しているということです。
驚きが中途半端なだけに、プラス評価の場合に使うと十分な賞賛(Cが賞賛の場合)に聞こえなくなる場合があるようです。
例: 素人のわりに歌がうまいね。
話し手の気持ちに、「うらやましさ/ねたみ/ひにく/あざけり」といったものが混じる可能性もあるため、マイナス評価の方がぴったりすることが多いようです。