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希薄でない溶液の沸点上昇
希薄溶液では溶質の種類に関係せず, (沸点上昇)=(溶媒の種類で決まる比例定数)*(質量モル濃度) となるそうですが, 希薄でない濃厚な溶液での沸点上昇はどうなるのでしょうか. 希薄溶液の比例定数よりも 濃厚溶液のみかけの比例定数は大きくなるのか,小さくなるのかが気になっています.
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どこまで遡ればよいのか、というところですが、取り敢えず定圧での平衡変位に関しては溶媒のモル分率をx、活動度係数をγとすれば lnxγ=Δh∫(To→T)(1/RT^2)dT...(1) になります。この式から沸点上昇までたどります。Δhは蒸発のエンタルピー変化で温度依存はしないものとして積分の外に出しております。また気相には溶媒蒸気しかないものとしています。これを積分すれば lnxγ=(Δh/R)(1/T-1/To)...(2) になります。 ここでT-To=θがToに比べて小さければ、 1/T-1/To=(To-T)/TTo≒-θ/To^2...(3) に出来ます。次にxγでγが1に近く、かつ溶質のモル分率x'が1に比べて小さければ lnxγ≒lnx=ln(1-x')≒-x'...(4) になります。(3),(4)を(2)に代入すれば x'=(Δh/R)(θ/To^2)...(5) θ=(x'RTo^2)/Δh...(6) となります。質問者さんのご質問は(4)でγが1に近似できず、またln(1-x')が-x'に近似できない程度になり、(3)でTTo=To^2にできなかったらということになります。ならばもとに戻って 1/To-1/T=(-Rlnxγ)/Δh ということになり溶質のモル分率と沸点上昇θの比例式にはなりません。
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精密な実験に当たっては、質量モル濃度はゼロに外挿して下さい。 濃厚溶液のことは忘れなさい。 糖類だと飴になります。
お礼
早速の回答ありがとうございました. x'≒0,T≒T0の近似を使わなければ 濃厚溶液のみかけの比例定数は小さくなるという結果になりました.