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なぜ日本では素人がシステムエンジニアになれるのですか?
はじめまして。私は今年の就職活動を終えた学生です。 私には文系学部の友人がいるのですが、 二か月前にその彼が今年の就職活動で 某有名メーカー系列の子会社からSE(システムエンジニア)として 内定をもらったそうです。 私はてっきり友人がそれほどコンピュータに詳しいのかと驚いたのですが、 そうではなく友人はまったく門外漢であるにも関わらず採用されたというのです。 友人の話によれば、日本企業ではまったく専門外の者でも SEとして活躍することが可能なのだそうです。 友人が内定した会社だけでなく、同様に数多くの会社で 本来なら専門外の学部からも平気でSEを募集しているとのことなのですが、 私にはそれがどうしても不思議でなりません。 エンジニアというからには何かのソフトウェアを作る仕事なんですよね? それなら非常に高度な数学やらプログラミング技術やら、 要するにコンピュータサイエンスに関する専門知識が必要じゃないのかと 思うのですが、どうしてそのような知識を身に付けなくとも SEになれるのでしょうか? どう考えても苦しいのではと思うのですが…。
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>>実際にまったく専門知識がない人が採用された場合、 その後どうやって仕事を教わるのでしょうか? 大手企業(NECや富士通の子会社等)や、中堅のIT企業ならば、入社後に3ヶ月とか半年とか、それなりに長期の研修期間があったりします。もちろんそれで開発の実務がこなせるようになるわけは無いのですが・・。あとは、時々、2泊3日の研修があったり、OJTとか、自己学習でしょうか。 専門じゃあない大卒の新人女性がいましたが、「頭よさそう(ついでに美人!)」で、学ぶことも好きそうな方がいました。研修後、先輩といっしょにOJTで学んでいくうちに、はたから見ていると、着実に仕事をこなしているため、周囲からは、先輩よりも信頼されているように見えていました。 「いい子だなあ」と思っていたら、しばらくして姓が変わっていました(ガッカリ)。 >>大学の学部レベルでやるようなことは誰でも 習得してしまうのでしょうか? 他の回答にもあるように、学んだ知識が仕事で役に立たないことが多いのです。役に立たないというか、知識の出番が無いといったほうがいいかもしれません。例えば、経理ソフトを作成する仕事が来た場合、簿記の勉強が必要になったりします。その時、コンパイラ作成の知識は役に立ちません。 ちょっとまえに、経済界が「情報処理を卒業したという学生たちは、実務で使いもんにならん!!」と文科省にクレームをいれたことがあり、それに応じるため、大学は、情報系のカリキュラム変更を模索していたりしました・・・。 そういう意味では、「業務において、専門を学んだ人も、そうでない人も、同じスタートラインに立っている」という見方もできます。 とはいえ、情報を専攻して、学生時代にC#やC++のソフトを作ったり、Webサイトを構築したり、先生の手助けをして、大学の情報システムの構築や保守・運用を手伝ったりした新人さんと、文系卒の新人さんでは、「実作業において、スタートラインに大きな差がある」とも言えますね。 ただし、学部で学んだ知識が活かせる仕事が来た場合、例えば、コンパイラーや自然言語処理システムの開発が来たりした場合(極めて稀)は、(それを学生時代に理解していたら)業務において、大きな差が出ると思います。 >>それでどうして「大手」としての位置を保てるのですか? だったら、技術のある「零細企業」が売り込みをかければ 簡単にシェアを奪えるのでは、と思えて仕方がないのです。 「大手」は人材が豊富です。難しい問題が発生しても、「神様」のように高い技術力のある人がどこかにいたりします。誰かが病気や事故で入院したり、死んだりしても、対応がなんとかなりそうに思えます。 零細企業は、凄い技術の人が1人いても、その方が退職したり、過労で心の病気になれば、プロジェクト継続が難しくなる可能性が大です。 また、その優れた方たちは、どこかに派遣されていたりして、実際には、社内にいないのと同じってことが多く、彼らの技術を生かした仕事が取れそうでも、実際には受注できないのです。 また、最近、大手企業は、「Pマーク」「ISMS」などの取得を取引先企業に求めてくるケースが多いのですが、これを取得するには、多大なお金と手間がかかるので、零細企業は、スタートラインにさえ立てません。 そして、零細企業は「(取引先企業の相手としての)口座が持てない」ため、大田区の中小企業のような「凄い技術」が無い限りは、仕事を直接請けることは困難です。 >>顧客とのインタビューというのがそれほど高度なスキルを 要求されるということなのでしょうか? これは、簡単に思えますが、とても難しいです。「要求仕様の探検学」「コンサルタントの秘密」(いずれもG・Mワインバーグ著)などを読まれれば、お分かりになると思います。
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- kztk
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「見習い(卵)から一人前」とか、「大手と零細」という違いがあるのは、他の回答者のご指摘通りなのですが、そもそも一口にSEと言っても、作っているものはさまざまでして・・・。 質問者のご友人の内定先のような会社は、おそらく企業の業務システムを作るようなSEなんですよね。 「業務システム」というのは例えば、その企業の会計処理だったり、受発注管理だったり、人事給与管理とかを行うシステムだったりするわけですが、こういうものを作るには情報工学の知識だけではなくてその分野の業務知識が必要です。いくら情報工学に強くても「仕訳って何?」という人に会計システムを作るのは無理があるのです。 一方、こういう業務システムの基盤には、例えばOracleというデータベース管理システムやWebサーバ、アプリケーションサーバなどのミドルウェア、さらにその基盤になるWindowsやUnixなどのOSが動いているわけですが、こういうものを作っている人たちもSEです。この世界に関しては文系のど素人が採用されるようなことはほとんどありえなくて、高度な専門知識を持った人が就職されているはずだと思います。 で、前者のような業務システム開発は、高度な業務知識とシステム知識を兼ね備えた人ならばすべて一人でこなせるわけですが、残念ながらそういう人は稀です。そこで、 ・システムに関しては基本的な知識はあるが、どちらかといえばシステムの利用者と「どのようなシステムが必要か」を詰めるのが主な役割で、高度な情報工学の知識は持ち合わせてないSE と ・プログラミング言語やOS、ミドルウェアの高度な知識を持っているが、業務知識は不足気味のSE のどちらかに属する人が大半になります。
お礼
回答ありがとうございます。 >>一方、こういう業務システムの基盤には、例えばOracleというデータベース管理システムやWebサーバ、 アプリケーションサーバなどのミドルウェア、 さらにその基盤になるWindowsやUnixなどのOSが動いているわけですが、 こういうものを作っている人たちもSEです。 この世界に関しては文系のど素人が採用されるようなことは ほとんどありえなくて、 高度な専門知識を持った人が就職されているはずだと思います。 そうそう、私が思い浮かべるSEってこういう人たちなんです! GoogleとかMicroSoftとか、そういうところで 高度なシステムを作っているエンジニアだってずっと思っていただけに 友人の例が不思議でなりませんでした。 皆さんの言うSEというのは、企業の生産管理などに関係した もう少し実際的なシステムを作っている人みたいですね。 そうなると、情報工学の知識だけではやっていけないというのも 分かる気がします。
- pon2pon2
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事務職だろうが、SEであろうが、営業であろうが社会人は一生勉強です。 金を稼ぐスキルを学ぶのは社会に出て経験し、初めて身につきます。 学生時代に習った知識は一切役にたたず、 いままでの勉強は、社会に出るための単なる基礎でしかありません。 会社側が、新卒を採用するのは、 会社としても人数をそろえねば仕事ができないため、 難しい仕事やスキルの必要な仕事は、 それなりのスキルを持ったベテラン社が担当しますが、 お手伝いとなる(雑用)ができる安い給与で働く人間 として、新卒を採用します。 即戦力が必要な場合は中途を採用します。 はじめから、誰でもできるような雑用および資格取得のお勉強しか、 新人にはやってもらわないので、だから誰でも一緒なんです。 ただ、会社も甘いところではないので、 数年後も同じようなスキルなら、当然、会社にはいられません。
お礼
回答ありがとうございます。 やっぱり会社での実務を通して習うことの方が ずっと大事なんですね。 私は文系なので、学校で習ったことが役に立たないと言われても 仕方がないと思いますが、 理系の人が少しかわいそうに思えます。 それにしても、文系出身でコンピュータをほとんど触ったことがない人が、 大学で専門課程を修了した人を簡単に凌駕するというのが いまだに信じられません。
- PU2
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雇う側からしますと新人は最初はみんな素人 即戦力は期待していません。 (ある意味、マニアは偏った知識があって駄目な場合もある) よって入社後教育になりますね ちなみにSEってしゃべる仕事です。 いくらパソコン詳しくたってお客様と話してニーズを 引き出せなければ良いSEにはなれません。 つまりコミュニケーション能力が必要となります。 プログラム知識(実現可能かどうかの判断力)はある程度は必要ですが それは覚えればなんとかなりますし難しい部分は専門のプログラマーの仕事ですね SEは他が大事となります。 まぁーそれを勘違いされてしゃべれないからSEっていう考えの学生もいますが、、、、 (そういう人は就職後、使い捨てのPGされたりあわないのでやめますね) 確実にいえるのは学生時代の専門知識って社会ではあんまり 役立たないって事ですね よってその方の努力とセンス次第でなんとかなります。 これって日本とか外国とか関係ありません。 以上、参考にして下さい。
お礼
回答ありがとうございます。 SEがしゃべる仕事というのは意外でした。 でも顧客との折衝が大事というなら納得です。 それにしても、下の方も仰っていますが、 大学で習う専門知識ってそんなに役立たないんですか? うーん、じゃあ大学で情報工学とか習う意味っていったい…。
- lv4u
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>>なぜ日本では素人がシステムエンジニアになれるのですか? 日本だけでなく、海外でも素人が(自称)システムエンジニアになることはできると思います。 ただし、まともに仕事はできないでしょうが・・・。 質問者さんの友人の場合、「SEの卵」という意味での採用であり、内定だと思います。つまりはSEとしての適正があり、将来はSEとして通用するようになれるということでの採用なのでしょう。 >>エンジニアというからには何かのソフトウェアを作る仕事なんですよね? それなら非常に高度な数学やらプログラミング技術やら、 要するにコンピュータサイエンスに関する専門知識が必要じゃないのかと 思うのですが、どうしてそのような知識を身に付けなくともSEになれるのでしょうか? IT業界は、建築業界のようなピラミッド構造になっています。「丸投げ」という言葉がありますが、有名大手企業のSEという肩書きの名刺を持って、それを信用した顧客から仕事を受注しても、実際にプログラミングを行うのは、孫請けのさらに孫受け零細企業から派遣されたプログラマであるってこともあります。 この場合、有名大手企業のSEは、数学もプログラミング技術も不要です。つまりは、プログラミング技術的に一番優秀な人は、零細企業のプログラマであり、有名大手企業のSEは、1行もプログラムが書けなくても良いことになります。ただし、顧客との対話が上手で、顧客から「こういう機能のシステムが欲しい」というインタビュー技術などは必要とされるでしょうけど。 もちろん厳密に「システム構築を責任もって引き受ける」となれば、インタビューだけする人であっても、実際のプログラム知識は必須なはずですが、そうでなくても仕事はいちおう流れますからね。 なお、日経の雑誌で見たのですが「上流のシステム設計者である私たちは優れた「基本設計書」を作るのが仕事である。その基本設計書が実際にシステム化、プログラム化が可能かどうかは知ったことじゃない!」って言い放った人達もいるようです。こういう考え方のSEに依頼した顧客は大変でしょうね。 ちなみに建築業界でも、TVのCMをどんどん流している大企業に住宅を発注しても、実際の仕事は町の工務店の人が行うことがよくあります。工務店の一級建築士の資格を持った人が「うちに直接注文してくれれば、6割の値段で作ってあげられるのになあ」なんて言っていたことがあります。 学校では、いちおう全ての学生は公平に扱われますが、世の中に出ると、同じ人間でも、正規と非正規雇用で大きな待遇の差に代表されるように不公平が多いです。IT業界も、不公平と理不尽が蔓延しているところです。
お礼
大変丁寧な回答をありがとうございます。 すいません、回答を頂いたばかりなのに また質問を重ねてしまうのですが… >>質問者さんの友人の場合、「SEの卵」という意味での採用であり、内定だと思います。 つまりはSEとしての適正があり、将来はSEとして通用するようになれるということでの採用なのでしょう。 実際にまったく専門知識がない人が採用された場合、 その後どうやって仕事を教わるのでしょうか? 大学の学部レベルでやるようなことは誰でも 習得してしまうのでしょうか? >>この場合、有名大手企業のSEは、数学もプログラミング技術も不要です。 つまりは、プログラミング技術的に一番優秀な人は、零細企業のプログラマであり、 有名大手企業のSEは、1行もプログラムが書けなくても良いことになります。 このくだりがよくわからないのですが…。 プログラムを書けないということは、 自前の技術すら提供できない(自分でソフトを作れない)って ことですよね? それでどうして「大手」としての位置を保てるのですか? だったら、技術のある「零細企業」が売り込みをかければ 簡単にシェアを奪えるのでは、と思えて仕方がないのです。 (IT業界は実力主義だと聞いているので…) 顧客とのインタビューというのがそれほど高度なスキルを 要求されるということなのでしょうか? 自分でも何だかよくわからなくなってきました…。
- don_go
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例え、大学の情報処理学部やコンピュータ専門学校を出ても 通常それだけでは、即戦力となるだけのプログラミング能力 は身につきません。 従って、経験者であっても未経験者であっても、SEとして採用 した直後からすぐに一人前のSEの仕事ができるとは会社も期待 してはいません。 #RPG(ロールプレイングゲーム)の勇者でもゲーム開始時点は #レベル1から始るのと同じ。 それと、1人または数人の少人数で開発を行っていた昔とは違い 大人数での開発を行う事が多くなってきている現在では、コン ピュータの事だけ分かっていれば良いわけではなく、多くの開発 メンバーの管理・調整等の人間を相手にする業務も有ります。 Webアプリの開発でのデザインセンス等、プログラム以外の能力 を要求される場合も多くなっているので、色々なタイプの社員を 採用する必要があります。
お礼
回答ありがとうございます。 確かに情報系の学部や院を出たからと言って 即戦力になるとは限りません。 でも、曲がりなりにも4年か6年、あるいはそれ以上 専門課程を経てきた者とまったくの未経験者とでは やはりスタート地点からして違うと思うのです。 専門知識を備えて入社した者でも実務経験を多く積んで 初めて一人前になる、というのは分かるのですが、 それはあくまで前提知識があってこそ可能なことなのではないのでしょうか? 欲しい人材は会社で鍛え上げれば済むという話ならば、 バイオとか機械工学とか、その他の理工系分野の企業も 門外漢を採用するはずではないのか?と この業界の素人ながらに思うのですが…。 どうも私にはよくわかりません。
お礼
二度も回答いただいてありがとうございます。 大変丁寧な説明でやっと納得がいきました。 IT業界というと、どうも私のような人間は 「とにかくコンピュータの知識が豊富な人」が 切り盛りしているイメージがあったのですが、 実態はずいぶん違うのですね。 大学でせっかく習った専門知識の出番がないというのも意外でした。 しかも公然と経済界からクレームをつけられる始末とは! ただ御回答から拝察したところ、私には 大学のカリキュラムが役に立たないというよりも、 いわゆる「宝の持ち腐れ」のような気がするのですが…。 そういう意味では専門で学んだ学生が不憫に思えます。 何はともあれ、とっても詳しい回答を頂きまして 本当にありがとうございました!