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公的統計について
公的統計が国の行政や政策策定にどのように用いられるのですか? またレプリカデータとはどのようなデータですか?公的統計ではなぜレプリカデータが必要とされるのですか??
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- gootaroh
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例えば年金であれば、保険料や給付額の設定などの制度設計において、平均寿命や死亡率などの公的統計が用いられます。 また、国勢調査においては人口以外にも地域や産業別の従業者数など様々な項目がありますので、国土政策や産業政策など多様な分野に広く活用されます。 行政は税金を使うところです。国民から集めたお金を使うわけですから、使う「理由」が必要です。その理由が「なんとなくこうだから」では説得力がありません。 そこが民間企業と違うところなのです。民間企業の場合は自分のお金ですので、ある分野について、例えば天才的な経営者の「これは儲かるぞ!」という直感・ひらめきのレベルでも、積極的に投資することができます。大ヒットした商品・サービスなどは、そうした「ひらめき」によるものが多いですよね。 しかし行政における政策とは、「既得権の移動」「利害関係の調整」を意味しますので、国民全員が満足することはなく、必ず反対者が出てきます。ですので、「理由」には客観性が求められます。そこで統計データが活用されるわけです。 例えば、「100年に一度の不況で、企業も家計も苦しんでいる」といっても、もちろん実感でも分かりますが、やはり客観的なバックデータが不可欠です。 「客観的」とは、この場合「統計学的に問題ない」ことを意味します。こういうことを「客観性を担保する」ともいいます。 ですので、例えば個人的にはもっと少子化が進むと思っていても、行政としては、統計学的に問題ないサンプルサイズで、統計学的に主流の手法により年金制度設計をせざるを得ないのです。だから、ある意味無難で、甘い結果になり、大胆な予測というのは少ないのです。 これをくつがえすことができるのは、唯一「政治家」だけです。政治家が「この予測では甘い。もっと厳しめの予測で設計せよ」と命じれば「総理の判断でこうなりました」などの「理由」が付きますが、それはそれでそう命じた政治家がその責任を取らなければなりませんので、なかなかそういった政治家は現れません。 いずれにせよ、公的統計は、行政の政策立案において、バックデータとして用いられます。その際、客観性を担保するため、統計学的に問題ない手法が用いられます。 なお、「レプリカデータ」とは「架空のデータ」のことですが、改正統計法でいう「匿名データ」(統計調査によって集められた情報を個人や企業が特定できない形に加工したもの)を意味していると思われます。 2009年4月に全面施行された改正統計法により、公的統計の位置付けは、「行政のための統計」から「社会の情報基盤としての統計」へと大きく転換されました。 http://www.stat.go.jp/index/seido/2jiriyou.htm 公的統計でレプリカデータが必要とされるのは、改正統計法の大きな柱である「統計データの利用促進」の下、学術研究目的又は大学などの高等教育などのために、オーダーメードで集計された統計の提供を受けたり、匿名データの提供を受けて統計の作成に用いることができるようにするためだと思われます。 http://www.stat.go.jp/index/seido/1-1n.htm
お礼
詳しい回答ありがとうございます。 助かります!