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出願から特許取得まで
出願して方式審査、実体審査、特許査定、登録これはだいたいの人は どれくらいの時間がかかるのでしょうか?もちろんストレートに登録 までいくことがないのはわかっていますが、登録後特許権消滅まであ まりに権利をもっている期間が少ないように思いまして… もう一つ、登録されて特許公報されて初めて特許として権利が認めら れたということですよね?そうしましたら、それまでかなり時間がか かりますが、例えば実態調査しているときに、まねされていたりして いると文句は言えないということでしょうか? その辺がどうもわからなくて… 詳しいがいましたら教えて下さい。お願いします。
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> 出願して方式審査、実体審査、特許査定、登録これはだいたいの人は > どれくらいの時間がかかるのでしょうか? 方式審査はほとんど時間がかからないでしょう。少なくともその日に出願された件数分だけは毎日こなしていかないと、どんどん蓄積されていってしまいますからね。 ただ、出願と同時に審査請求しても、実際には出願公開されるまでは審査を行わないようです。(これについては下記のことをご参照下さい。) 審査の速度は技術分野ごとに異なりますが、早ければ、出願公開から半年以内に特許査定になることもあります。さらに、その出願に係る発明をすぐに実施したいような場合には、早期審査や優先審査という制度もあります。(これらについてはややこしいし今は手元に資料がないので割愛します。もしご希望なら別途質問を立ち上げて下さいね。) > 登録後特許権消滅まであまりに権利をもっている期間が少ないように思いまして… 上記のことからわかるように、出願と同時に審査請求をすれば、17~18年間ぐらいは“特許登録中”という期間が存在し得ますよ。 もちろん、極めて類似した先行技術が存在していたり、明細書の記載の仕方が特許法で定める要件を満たしていなかったりして拒絶理由通知をもらうような事態になれば、“登録中”の期間はどんどん短くなっていきますが。 ちなみに、特許庁に『伺い書』という形で「いつ頃審査されるのか」と問い合わせると、「その分野については現在●年頃の出願の審査を行っているから、この出願の審査は●年●月頃になる予定です。」というような返事をもらえます。 > もう一つ、登録されて特許公報されて初めて特許として権利が認めら > れたということですよね?そうしましたら、それまでかなり時間がか > かりますが、例えば実態調査しているときに、まねされていたりして > いると文句は言えないということでしょうか? kouji0524さんには、以前、特許庁の法規便覧のURLをお教えしましたよね。本気で自力出願される覚悟がおありでしたら、まずはそちらで条文を熟読されることをお勧めします。 まあ一応はざっと説明しますね。 特許権は、設定の登録により発生します。(特許法第66条第1項) 設定の登録は、特許査定後30日以内に1~3年分の登録料を納付した時等に行われます。(第66条第2項) でも、出願公開によって補償金請求権が生じます。(第65条第1項) 但し、この補償金の請求は、特許権の設定の登録があつた後でなければ行使することができません。(第65条第2項) 調べてみたら、特許庁の法規便覧のページは3/24の朝までメンテナンス中になっていましたので、以下に条文を転記しておきますね。 「第65条(出願公開の効果等) 1.特許出願人は、出願公開があつた後に特許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対し、その発明が特許発明である場合にその実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の補償金の支払を請求することができる。当該警告をしない場合においても、出願公開がされた特許出願に係る発明であることを知つて特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対しては、同様とする。 2.前項の規定による請求権は、特許権の設定の登録があつた後でなければ、行使することができない。」 「第66条(特許権の設定の登録) 1.特許権は、設定の登録により発生する。 2.第107条第1項の規定による第一年から第三年までの各年分の特許料の納付又はその納付の免除若しくは猶予があつたときは、特許権の設定の登録をする。」 なお、出願公開制度というのは、メーカーその他のような商売をしたい人に、『こういう発明が出願されているから真似するとまずいことになりますよ』ということを教えるためのものと言うこともできます。従って、商売を行うためには既存特許の調査を慎重に行わなければなりません。 そのため、大手メーカーは、事業として実施したい/実施している分野の特許出願については常に目を光らせています。自社が実施したい/実施している事業に影響がある特許出願を見つければ、あらゆる手を尽くして潰しに来ます。そのために、特許異議申立てや無効審判(登録後の制度)の前に審査段階で『情報提供』(刊行物提出)という制度があります。 どういうものかと言うと、要するに、その出願に係る発明が特許されると業務上まずいことになるというような場合に、その出願を潰すための証拠となりうるもの《その発明はすでに当業者に知られているものだということを示す証拠又は当業者が容易に発明することができたものに過ぎないものだと考えるに足りる証拠等》《要するに、その発明が具体的に記載された刊行物や、その発明のヒントとなることが記載された刊行物、その発明がすでに実施されているという事実を示す証拠等》がもしあれば、審査官がそれを見落としてしまうのを未然に防ぐために、その刊行物や証拠を特許庁に提出することができるようにするというものです。ぶっちゃけて言えば、当事者にも審査をさせるというような制度です。実際にこういうことはよく行われていますよ。 そのため、特許庁では出願公開がされるまで審査を行わないようにしているという気がします。 さらに、特許出願されている発明を公開公報で見つけて、『これは商売になるぞ!』と思ったら、特許されるのを防止して自社でも無料で実施できるようにしようと考える大手メーカーもあるかも知れません。(そこまで考えていたら特許出願なんかできませんが。それに、ちゃんと特許性がある発明だったら、そんなことまで考える必要もありませんし。) もちろん、公開公報を見逃しても、登録されたものに対してはさらに目を光らせていますから、特許異議申立てもけっこう行われています。また、今度の法改正で来年1月からの特許異議申立て制度が廃止されて無効審判に一本化される方向に向かっています。現行の特許異議申立て制度は特許権者側に有利な面がありましたが、無効審判になるとその利点がなくなりますし、改正後の無効審判は口頭審理を中心にするという情報もあります。相手は弁理士・弁護士などを立てて理詰めで議論してきますので、専門家でないと対処は難しいでしょうね。 ちなみに、自力で出願した場合に、その段階になって特許事務所などの専門家に頼んでも、(大手メーカーだったら成果次第でその後も仕事をもらえる可能性があるから引き受けることもあるでしょうけど)個人の発明家だったら全く相手にしてもらえない可能性もありますし、たとえ引き受けてくれても、場合によっては出願時からかかっていたはずの費用まである程度加算して請求される可能性もあります。 権利取得の道は大変険しいですよ。せっかく頑張ろうとしている方に対してまことに言いにくいことなんですけど、経済的にかなり余裕がある方でなければ、特許を取って儲けようなどと考えない方がいいんじゃないかとさえ思ってしまいます。 ところで、余談ですけど、以前kouji0524さんのご質問(『特許出願について』http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=460358)への回答として書いた明細書の書き方は、今年の7月から施行される法改正によって当てはまらなくなります。どのように変更されるかについては、特許庁のHPでお調べ下さい。 以上、かなり暗くなってしまうような情報ばかり提供してしまいましたが、明るい情報も提供しましょうね。来年4月から施行される法改正で料金規定が大幅に変更される予定です。まず、出願審査請求費用は2倍になります。逆に、出願料及び登録料は値下げされます。出願料の値下げは僅かですけど、登録料は大幅値下げとなります。登録料の値下げは、過去の傾向から判断すると、来年3月までにすでに出願済のものについても適用されるはずです。従って、最も安くあげるためには、来年4月になる前に特許出願して出願審査請求もしておくことです。 さらに余談になりますが、No.1でcafedemochaさんが仰っている 『公告期間があって、公知の申告が無いようであれば審査に入って』 という話は、“公告”を“公開”に置き換え、“公知の申告”を“情報提供”に置き換えても、上記の説明と微妙に違いますね。情報提供などなくても審査請求されれば審査は行われます。(当たり前ですが。) 誤解のなきように。
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- jay
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#2です。ちょっと追加します。 特許が公開された時点で、「補償金請求権」が発生します。詳しいことは下記URLをご参照下さい。
- jay
- ベストアンサー率27% (207/741)
特許の審査に要する期間は出願分野によって異なりますが(分野によって審査の積み残し量が違うから)、スムーズに進んで1年半から3年程度です。これは出願してから、ではなくて、審査請求手続きをしてからの期間です。 特許の権利は「登録日」から始まります。登録査定を受けた出願人が、設定登録をすれば数ヶ月後に「登録」されます。ただし通常は特許公報が発行されてから権利行使を行います(相手に、特許に抵触している事を具体的に主張しやすいから)。
- cafedemocha
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記憶違いでなかったら良いんですが・・・ 実用新案の場合と、案件の保護に関しては同等だったように思いましたよ つまり、出願が為された時点から、案件の保護が始まる・・・ そう記憶してましたけどね で、そのあと細かい事は忘れちゃいましたけど、公告期間があって、公知の申告が無いようであれば審査に入って・・・って具合ではなかったかなぁ