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鉄より重い元素のつくられるプロセスを教えて下さい。

お尋ねします。 ある本で、 「恒星での核融合反応で鉄までの元素がつくられ、超新星爆発で融合反応ではつくれない元素(鉄より重いウランまでのすべての元素を含む)をつくるものと考えられる」 とありましたが、鉄より重い元素がつくられる具体的なプロセスが書かれていませんでした。 どのようにして鉄より重い元素はつくられるのでしょうか? 無学なので難しい専門用語などはわかりません。詳しい方に簡単に教えていただければと思います。 お手数おかけいたします。回答、お願いいたします。

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  • mazeran
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回答No.3

>無学なので難しい専門用語などはわかりません。 それでは「イメージ」として書かせていただきますね。 核融合ができる環境では、そのエネルギー(温度)に見合った融合をします。 エネルギーが高いほど「陽子」(面倒な過程の話は抜きにして、ここでは「陽子」としてしまいます)はどんどん融合して行きます。しかし無限ではなく「安定する数」と言うのがあって、陽子の数が「26個(鉄)」で安定するようです。 ですから、核融合ができる環境で仮に陽子が27個くっついてもすぐに壊れてしまいます。 でも、我々の環境の下では壊れることはないです。 ではどうやったら27個以上の元素ができるかと言うと、核融合の環境ではない環境の下で、「ぶっつける」しかないわけです。 ぶっつけて27個、28個、29個・・・と、どんどん増やすしかないですが、「陽子」は「+」の電気を帯びているために、そう簡単にはくっついてくれません。 そのためには途轍もないエネルギーが必要となり、実は超新星爆発(スーパー・ノバ)よりも大きい「ハイパー・ノバ」や、「中性子星」同士の衝突による莫大なエネルギーで作られていると考えられているようです。 核融合の環境の下で「鉄」までが作られ、爆発などの力で周囲に吹き飛ばされて、核融合の環境から外れたところで莫大なエネルギーにより飛んできた陽子がぶつかって融合し、27個以上の元素が作られて行く。 電気の反発に打ち勝って近づくと、「核力」と言われる力により強固に結びつきます。 この核力を働かせるまで近づけるのに莫大なエネルギーが必要となるようです。 細かいところは抜きにして、大筋はこれで間違いないと思います。 余談になるかも知れませんが・・・ 人間が認識している元素は、自然界で92種類あります。 92番目は「ウラン」ですが、陽子が92個あります。そして中性子が143個のウラン235は「核分裂」を起こし易い元素です。 核分裂を起こす環境ではない、我々の環境の下でも「不安定」な状態らしく、自発的に分裂を起こすこともあるようです。 今の環境では92個が限界のようです。 実験室レベルでは93個以上のものも作っていますが、今の環境の下での寿命は、ナノ秒レベルのようです。

GDM335m
質問者

お礼

mazeran様 はじめまして、回答ありがとうございます。 「鉄」が力学的に安定した元素で、それを他の元素に変化させる(安定した物を変えようとする)には莫大なエネルギーが必要だというお話は、私のようなものでも感覚的に理解しやすく大変勉強になりました。 「中性子星」というのは、超高密度(コンパクト)な天体だと聞きましたが、それら同士の衝突ともなると・・・私には到底イメージできないのですが、それ程のエネルギーが必要ということなのですね。 最後の元素についてのお話も大変興味深く、楽しく読ませていただきました。 学生時代にしっかり勉強しておけばと後悔しているところです。今から自分の興味のある話題(天文)から本など読み勉強してみたいと思います。 親切・丁寧な回答ありがとうございました。

その他の回答 (2)

  • Tacosan
  • ベストアンサー率23% (3656/15482)
回答No.2

基本的には全て「既存の元素が中性子を吸収して大きくなる」ということです. 超新星爆発を起こすときに, 中央部は中性子が非常に多くなります. これらの中性子の一部はニュートリノの流れにのって外へと吹き飛ばされていきます. そして, このようにして吹き飛ばされて中性子が外部に残っている元素とぶつかって, 新しい (より質量の大きい) 元素ができます. このときには短時間に多量の中性子を吸収するので r-過程 (rapid process) とよばれます. 一方, 第2世代以降の「既に金属を含む」構成の場合, 中心部でできる中性子の一部をこれらの金属元素が吸収することがあります. これはゆっくりと中性子を吸収するので s-過程 (slow process) と呼ばれます. この 2つの過程は中性子の吸収速度が異なり, それによって「できやすい元素」が異なっています.

GDM335m
質問者

お礼

Tacosan様 はじめまして、回答ありがとうございます。 なるほど!中性子が大きな役割を果たしているのですね。 吸収速度によって「できやすい元素」が異なるというのも興味深いですね! わかりやすい解説ありがとうございます。 また機会がありましたら、よろしくお願いします。

  • sanori
  • ベストアンサー率48% (5664/11798)
回答No.1

こんばんは。 私も詳しくは知らないのですが、 超新星爆発は、高い圧力と高温が伴いますので、強制的に原子核同士がくっつけられます。 つまり、「(広義の?)核融合」と言って差し支えないと思います。 つまり、 「融合反応ではつくれない元素」というのは、「恒星での(狭義の)核融合ではつくられない元素」ということだと思います。 こちらには、「ウラン238以上の重い核種まで」と書いています。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%87%E5%AE%99%E3%81%AE%E5%85%83%E7%B4%A0%E5%90%88%E6%88%90 ちなみに、 超新星爆発時よりは、かなりゆっくりですが、 原子核に外から来た中性子がぶつかって、重い原子核となり、 それがベータ崩壊して(=中性子から電子が抜けて陽子に化けて)、 原子番号が1つ上がる、というプロセスもあることはあります。 (これも、上のリンク先に書いてありますが) ご参考に。

GDM335m
質問者

お礼

sanori様 はじめまして、お忙しい中の回答ありがとうございます。 言葉の表現上の問題だったのですね(核融合は核融合)! 超新星爆発以外のプロセスも教えていただき勉強になりました。 リンク先も大変参考になりました。 興味がわいてきたので書籍など探して勉強してみようかと思います。 親切・丁寧な回答ありがとうございました。

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