絵の基礎は写実であり、精密に実物そっくりに写真のように描く。
正しい方法で1000時間練習すれば実現できます。
これに才能は要りません。
以下の方法を実行すればよろしい。
これが正しいことは10時間ぐらいやってみればわかります。
塾へ行く必要は無く、そんなことしたら往復の
時間がもったいないですよ。
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買うもの。
○三菱鉛筆の、B、HB、H、2H。(三菱でなくてもよいが安くて品質が確実なのは三菱)
○表紙の硬いスケッチブック。大きさは雑誌ぐらい。中の画用紙はキメが最も細かいものをえらぶ。西洋式用。
○B5のコピー紙。東洋式用。
○フィクサチーフ(定着液スプレー)
○ねりゴム(画材店にある粘土みたいな消しゴム)
○机に傾斜版(強度と広さが足りれば何でも良い。一端に雑誌などを敷いて傾ける)を置くと描きやすい。
まな板か小さなパネルでもよいし、本棚などの外せる水平仕切り板でもよい。
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デッサンには東洋式と西洋式がある。
東洋式は輪郭を線として捉え線として描く。
西洋式は明度の違いを精密に再現して立体を表現する「面画」であり
輪郭線は存在せず、面と面の境界が線に似たものとして現れる。
西洋式のみで基礎を獲得できるが、東洋式も一部まぜた方が効率が高い。
なお、西洋式は本格でなければ意味が無く、
東洋式デッサンににいいかげんな陰影をつけても効果は無い。
したがって東洋式は線のみで描き西洋式は面のみで描く。
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鉛筆は親指と人差し指で挟み他の指を自然に添える。字を書く時のように中指の側面が
鉛筆に触れるのではない。手首をほとんど固定して腕を肩から動かす。
手の構造による形の描きやすさの差別をなくすためだ。
形は〔粗→密〕の順でとらえる。
五本足のヒトデを描くなら足先を結んだ五角形を認識し画面の中での
位置を決め、五つの股による五角形を見極めて足を一本ずつ描く。
脚先から股に至る曲線も全体をボヤっとした弓型としてとらえた後
その中での細部をとらえる。
したがって、東洋式ではこの工程で補助線を引いてもよい。
西洋式は面を捉えるのだから、写真のピントが徐々に合ってゆくのと同じ進行である。
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東洋式のモデルは輪郭線が多い物を選ぶ。
草や花や枯木や昆虫など。バナナの皮をグシャグシャと丸めて
描くのもよい。無意味なもののほうが理論を抜けるので好ましい。
(漫画などのため東洋式のみ行う場合は、なめらかな長い線だけの、
〔東洋式にとって難しいモデル〕も描かねばならないが、
西洋メインで一部東洋の場合は、それはいらない)
東洋式では鉛筆は好きな硬さ一種を使う。
以下はすべて西洋式。
モデルは無地で白っぽいことが条件。初期にはのっぺりしたものを描く。タマゴやヒョウタンや流木。
空き缶を踏んでへこまして無光沢塗料で白く塗っても良い。丸っこい石や各種瓶も塗るとよい。
不燃物置き場などで廃品の中から割れた陶器やパイプ類などモデルが豊富に見つかるだろう。
模様や光沢があるものはやはり塗装する。
しだいに複雑な物に移る。上記のシンプルなモデルを組み上げるのも良い。
かすかな明度の違いを認識し、紙の上に再現するので、
重さ鉛筆一本分ぐらいの筆圧で
塗り重ねることによって明度差を表現する。たとえば幅が同じで長さが10とおりの半透明ビニールが10枚あり
一端をそろえて重ねると、10段階のグラデーションになるのと同じ。
「或る面を塗る場合はそれより暗い面を一緒に塗る」ことで、部分に限定されない絵全体の明暗差を獲得する。
タマゴひとつ描くのに30分くらいかかる。
また、こまかな線を間隔を空けて並べて面を構成する手法も有効である。
鉛筆は軟→硬の順で持ち替えてゆく。各種ごとに全体を描き、明度変化の精密さに芯の硬さが
足りなくなったら持ち替える。前出のスケッチブックを使う。
西洋式では光源を一つにする。室内で天井の照明だけで明るさが足りず電気スタンドを
併用する場合は床や机面に落ちた影がひとつに重なるようにモデルと自分の位置を調節する。
練りゴムは角砂糖ぐらいの大きさにちぎって利き手でない手でこねてゴムの汚れを均一にしながら使う。
消し具合を調節できる消しゴムである。黒っぽくなって効き目が無くなったら捨てる。
完成したらフィクサチーフで固定する(東洋式には無用)。
木炭は極端に柔らかい鉛筆であり、大きく描く方が楽だから大きな木炭紙に木炭で描くだけの
違いである。ずっと鉛筆で練習して最後に数枚木炭を試せばクリアできるだろう。