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「固有の意味の憲法」とは?
法学部1年で憲法について勉強を始めました。 実質的意味の憲法には 「固有の意味の憲法」と「近代的意味の憲法」があると言われているんですが、 「固有の意味の憲法」とは何でしょうか? 現在、使われているものですか? 又、どのような意味で使われているものなのでしょうか? よろしくお願いします。
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基本書の冒頭に書いてあるだろうから読んだ方が早いよ。 一応、憲法の分類って、 a.事実状態としての憲法 b.法概念としての憲法 b-1.形式的意味の憲法 b-2.実質的意味の憲法 b-2-1.固有の意味の憲法 b-2-2.立憲的意味の憲法 根本規範としての憲法 ってな風になってる。 字面からなんとなく判ると思うけど、事実状態としての憲法ってのは本来、憲“法”と言うよりは単なる事実として存在する国家の統治体制とかのこと。だから法律学の守備範囲外。法概念としての憲法ってのは一応、法としての憲法だから法律学の範囲内。そこで形式的ってのは憲法典という法典を指す。聞いた話ではスイス憲法典には動物の屠殺に関する規定があるらしいんだけど、憲法典という名の法典にある以上、形式的には憲法。だけど、本来の憲法とは国家の統治体制とか国家と国民の関係とかを律するもんだから、実質的には憲法とは言い難い。実質的ってのはこれに対して憲法典という名が付いていなくても国家の統治に関する法律は全て含む。イギリスなんかだと憲法典という名の法典が存在しないで、憲法は全て一般の法律の中にあるんで、実質的意味の憲法こそが問題になる。 で、この国家の統治の基本について定める法規範が実質的意味の憲法なんだけど、これは 元 々 は 一定の思想とは無縁なの。何らかの思想とは関係なく、国家の基本的統治体制を定めている法規範が元々の意味の憲法であり、つまり、固有の意味の憲法なわけ。国家ってもんが存在する限りその統治体制を定める法規範は成分不文を問わず必ず必要なのは解るよね?そういう法規範が即ち 元 々 と い う 意 味 で 固有の意味の憲法なわけ。 ところが歴史的には近代になって人権思想が発展してくると、憲法とは単に国家の統治の基本体制を定めているだけではなく、その内容が人権思想に沿ったもの、即ち、国家権力を規制して国民の人権を保障するという機能を有する法規範ということになったわけだ。そこでそのような憲法によって人権を保障するという思想を 立憲主義 と言うんだけど、この立憲主義の思想に基づく憲法を近代的意味の憲法または立憲的意味の憲法って呼ぶわけ。 後は根本規範としての憲法だけど、これは憲法を制定する根拠となり憲法の内容を限界づける法という意味で、これも一定の思想に基づいている発想ではあるんだけど、必ずしも立憲主義と結びつかなければならないと言う論理必然性はないのでちょっと毛色の違う話。自然法思想の自然法なんかも根本規範としての憲法と考えて良いだろう。 まあこんなのは資格試験の択一式にたまに出るくらいの知識で憶えておく必要もないとは思うけどね。
- okaneman
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「固有の意味の憲法」とは国家統治の基本を定めた法としての憲法を意味します。国家はいかなる社会・経済構造をとる場合でも必ず政治権力とそれを行使する機関が存在しなければならないが、この機関、権力の組織と作用および相互の関係を規律する規範が固有の意味の憲法の意味です。この意味の憲法はいかなる時代のいかなる国家にも存在します。 ただし、現在の日本国憲法学で論じられているのは立憲的意味の憲法(近代的意味のそれと同旨)。固有の意味の憲法は学習上たいして重要な意味を持ちえません。