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あしながおじさん(ジーンウェブスター著)の中にある詩(エミリ・ディッキンソン作)の解釈について
本の中に、エミリ・ディッキンソンの詩があります。 主人公が英語の授業で筆記テストがあり、悩むのですが本の中には結局答え、解釈のようなものはありませんでした。 私が読んだのは遠藤さん訳と谷口さん訳の「あしながおじさん」です。 英語ではよんでおらず、詩の原文を探しました。 I asked no other thing Emily Dickinson I asked no other thing No other was denied I offered Being for it The Mighty Merchant sneered Brazil? He twirled a Button Without a glance my way “But Madam is there nothing else That We can show Today?” From The Complete Poems of Emily Dickinson | Written c. 1862 和訳も探しました↓ ****** 私は他に聞くことないし、 他の人もダメじゃないし、 だから私は言いました。 豪商は微笑み、ボタンをまわすのはブラジルかしら? それが私なりの第一印象、 だけど、奥様、私たちには今日他のことを提案させていただけませんかしら? http://c.2ch.net/test/-/juvenile/1172254334/246-c ******* わたしはほかのものは何も求めなかった ほかのものは何もこばまれなかった わたしはそれに対して命を提供した その偉大な商人はほほえんだ ブラジルですか? 彼はボタンをひねりまわした 私には見向きもしない しかし 奥方 今日はほかにありませんか 何かお見せしましょうか あしながおじさん 岩波少年文庫097 谷口由美子訳 ******** ネットで調べてみましたがディッキンソンの生涯や他の詩もみましたが、この詩に関しては個人の解釈にしろ見解にしろほぼ見つからず。 主人公の検討した、偉大な商人とは善い行いとひき変えに恵みをくれる神ではないか、 という考えも賛同できない! 結局何なのか、ということが解りません。状況や背景や場面、心理もわからず。 ということで勝手に谷口さん訳で考えました。 ::::::: あるご令嬢が漠然とした憧れでブラジルに渡ることを望んだが当然の如く周囲は反対した。 彼女はどうしてもその希望を叶えたく自ら貿易商人のもとを訪れ連れて行ってくれることを願った。 だが彼女をとりまく人々はそんな彼女の考えなどお見通しであり用意周到にその貿易商人に言い含めておいたのだ。 もちろん彼女がその貿易商人に願っても軽くあしらわれてしまったのだった。 :::::::: 日本語に訳されたものからさらに解釈するのはあきらにずれていくものがあるでしょう。 しかしながら、あしながおじさんのファンは気になると思うんですけれども、どうでしょうか。 なにかいい解釈、この詩の受け止め方はないでしょうか? とても気になっているのです。 和訳がほしいわけではないのです。 自分の中で「なにこれ、意味わかんないし」で終わらせたくないのです。 本の世界は読者のためのもの、という見解があるように自分で「こうなのでは」思えばそれでいいことなのかもしれません。 しかし、どうしてもすっきりしないのです。 調べてみましたが結局納得できませんでした。 他の方の意見が聞きたいのです。 貴重な他者の方の時間を割かせてしまうことをお願いするのはとても気が引けるのですが、 もし、あしながおじさんを同じく好んでいる方で同じく挑戦してくださるという方、よろしくお願いいたします。
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- bakansky
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『あしながおじさん』、随分と昔に読んだことがあります。 内容もさることながら、挿絵が印象的でしたね。 ディッキンソンの詩が出てくるのですか? 改めて読んでみようかな、という気になりました。 ディッキンソンは、生前には無名な人で、しかも自らの作品を公開することすらよしとしなかったほどの、「閉じられた」人でした。 生涯を生家だけで過ごし、外国はおろか、国内旅行すら経験したことはなかったでしょう。 自宅から歩いて行ける範囲が彼女の生涯に過ごした行動半径。 そんな彼女の作品は、日常的なものが頻出します。 それでいて、ウィットに富んでいる。イメージが飛翔する。 ブラジルなんて、彼女にとっては、「夢の国」だったかもしれません。 限りなく平凡な毎日を過ごすだけの、それで日々が過ぎていくだけの女性にとって、ちょっぴり冒険的な、そういう領域を表すのにブラジルという地名が用いられたのかな? 「商人」という用語が用いられているけれども、「ご用聞き」みたいな感じでもある。 でも、"The Mighty Merchant" とありますね。 人間のレベルの「商人」ではあり得ない。 ほとんど「神」と同義ととらえてもいいという気がします。 その神さまが、「商人」という、人間的なレベルに引き下ろされて、詩人と対話を交わしている。 理屈というより、そのこと自体もユーモラスです。 絶対的な「力」を有する存在であるにもかかわらず、一介の商人として擬人化され、あろうことか、もじもじとボタンをいじくったりさえしている。 信仰と日常が溶け合うような、不思議な空間を描いている。 次元の高さにおいて、ウェブスターの及ぶことの出来るレベルをはるかに越えているといえるでしょう (もちろん、作者もそれは自覚しているでしょうけど)。 詩の内容を力でねじ伏せようとしても、どう解説しようとしても、上手の手から水という言葉どおり、結局は何も分っちゃいないという結果になりかねません。 そこが詩の魅力のひとつでもあると言えるのかもしれませんけど。
- alto_
- ベストアンサー率60% (6/10)
私も「あしながおじさん」ファンです。 谷口さん訳は未読ですが、遠藤さん訳の他、厨川訳、北川訳、鈴木訳、坪井訳を 所有してますので、引用しますね。 <坪井郁美訳 福音館> ほかのものは欲しくなかったのだ。 ほかのものなら 拒まれなかったが、 生命と引きかえにでもそれが欲しかったのだ。 偉大なる商人は微笑んだ。 ブラジルかね?わたしには一瞥もくれず、 かれはボタンをひねくりまわした。 ところで、奥さん、今日は ほかにお買いいただくものはありませんかね? <厨川圭子訳 角川文庫> 私は他に何も求めない。 私に許されぬものは、他に何もないから。 私はその代価として神性を支払おう。 偉大なる商人は微笑んだ。 ブラジルですか?彼はボタンをひねった、 わたしの方をちらとも見ずに。 でも、奥さま、何か他に 御目にかけるものはございませんか? <鈴木助次郎訳 新学社> われは求めず 何ものも また拒まざり 何ものも 求められしまま わがすべて わがみながらを差出せば かの富商は微笑みぬ 彼はわが方 見もやらで ボタンその手にひねりつつ ブラジルなりやと呟きぬ されどマダムよその他に 今日君が瞳をよろこばす 何をわれら有せりや 長くなりますので、明治図書の北川悌二訳は割愛します。 鈴木訳だけちょっと感じが違いますね? 引きかえ、代価というところが「求められしまま」となっています。 何も求めず、拒まなかった。 求められたから、自分を差し出した(命、というか精神というか)。 自分にとっての全てを商人に差し出したけれど 商人にとってはたいしたことでもなさそうで 「他にはないのですか?」と返された。 うーん、例えば、自分という人間の価値について 考えた詩という解釈はどうでしょうか? 何も求めず拒みもしないような人生には、価値がないというような。 頑張って挑戦してみました。 「あしながおじさん」、大好きです!