私は,行政学は全くの門外漢なので,その前提での回答になりますが・・・
行政学を表面的にみると,行政の行動原理を,現に存在する行政のあり方から導くという学問のように見えます。しかし,No.1 の参考urlなどを読んでいると,そもそもの学問の成り立ちはともかくとして,日本の戦後の行政学は,戦前の超然的特権官僚制を民主的な官僚制に変革するという規範的要請の下に,官僚制の制度改革の不十分さを指摘するという役割を担ってきたようですし,1990年代以降は,政府だけでなく,NPOやNGOという集団が発生したことや,世界のグローバル化に対応して,行政のあり方に対する制度論を論じる方向に変わってきているような記述があります。
最近の行政学者の研究テーマを見ても,公務員制度改革とか,行政改革をテーマとしている人もいるようです。
このようなことからすると,少なくとも,行政の制度設計は,行政学の学問分野に含まれることは明らかですし,それとの関係で,そのような行政制度に関わる法律論も,研究対象となっていることは必然ではないかと思います。
行政「法」学も,行政制度を扱いますので,制度論等は,双方の学際領域となるのでしょうが,行政法学は,行政組織法であったり,公務員法という,既存の法律関係を扱うもので,制度設計の是非というような視点はあまり感じられませんので,むしろ行政学のテーマであるように思われます。
私のように,既存の枠組みにどっぷりと浸かっている者からすると,a1bさんの問題提起は,とても新鮮に感じられます。自分の勉強している分野に対して,独自の視点から疑問を持つことは,自らの理解を助けるだけでなく,場合によっては,学問自体の進化の契機ともなります。
私としても,できるだけの回答はしたいと思ってますが,何分にも力不足で,回答しきれないことは残念に思っています。
お礼
いつも懇切丁寧かつ論理明快な回答有難うございます。 行政法の過去の経緯、現状、将来展望について分かりやすく説明をして いただきとても勉強になりました。 コンピュータのシステム設計やプラミングでは構造化とか標準化という 考え方があって、システムやプログラミングの内容が把握しやすく、ま た保守が容易となるような傾向にあると聞いたことがあります。 これが今回の疑問の発端となるものでした。 賢人は愚人からも学び、愚人は誰からも学ばない。 law_amateur様は、私の稚拙な質問にも、意味を見出していただき回答 をいただき前者であられますが、私は凡人ですが救いは聞くことについ てあまり躊躇しないことです。 しかし、不用意な質問は場合によっては、その学問を冒涜していると誤 解されかねませんので注意したいと思います。