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音の微視的な説明について
音は空気中では秒速240メートル前後で伝わりますが、分子運動論で 説明される分子の運動を考えると、それほど早く伝わる事が下記3点に おいて、どうしても納得できません。 といいますのも、空気中で音は ◎空気の”粗密”の伝播で伝わる と説明されます。 1,空気分子が”固定”されていて、ある分子”集団”の振動が前後左右に 順に伝わるのならある程度納得できますが、実際には ”各分子はものすごい速さ”で しかも ”集団ではなくバラバラに四方八方へと飛び回って” いるはずです。 とすれば、どうして”粗密”を伝えることができるのでしょうか? それに、1~数個の分子だけで音源の音が伝えられるものなのでしょうか? 2,レーザーのように音波、つまり”分子の粗密運動”が”一方向”のみを進むの でしたら、秒速240メートル前後を伝わるのも違和感がありませんが 分子がそれぞれバラバラに動いていると言うことは、分子が3次元的に進む のですから、どうしても音が急激に減衰せず、しかもあっという間に遠くまで 伝わるとは考えられません。 (もちろんこれは、風の伝わる早さ比較して”あっという間に”ですが) 3,音エネルギーは空気分子の運動エネルギーと比べて、そんなに大きい ものなのでしょうか? これは、たとえばしゃべる声が伝わる距離と、息が伝わる距離を考えた時に 同じ人間が起こしている現象なのに、それほどのエネルギーの差があるとは 思えないからです。 では、どうか宜しくお願い致します。
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こんばんは。またお会いしましたね。 【1について】 なぜ疎密を伝えられるかについては、まず、「平均自由行程」(mean free path、以下、MFPと略します)という概念を知る必要があります。 MFPは、ある1個の気体分子がほかの分子とぶつからずに進む距離の平均値です。 平均自由行程 λ の値は、温度に比例し、圧力に反比例し、分子の断面積に反比例します。 λ = 3.11×10^(-24) × T/(PD^2) λ: 平均自由行程[m] T: 温度[K] P: 圧力[Pa] D: 分子の直径 http://www.shincron.co.jp/technical/pdf/03-1.pdf http://www.geocities.co.jp/Bookend-Kenji/5046/Plasma6.html 下記によると、 http://www.geocities.jp/bequemereise/car_related2.html 窒素分子の直径Dは、 D = 3.78 オングストローム = 3.78×10^(-10) 具体的な値として、 T (=27℃) = 300K P (=1000ヘクトパスカル) = 10^5Pa を入れてみると、 λ = 3.11×10^(-24) × 300/(10^5 × 3.78^2 × 10^(-20)) = 6.5 × 10^(-8) メートル = 65nm と出ました。 下記(大気圧の場合の値)とも大体合っています。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%9D%87%E8%87%AA%E7%94%B1%E8%A1%8C%E7%A8%8B 音波の波長は、 音速 ÷ 周波数 ですが、可聴域上限の20000Hzで計算しても、 340m/s ÷ 20000m = 0.017 m = 17mm となりますから、平均自由行程に比べて著しく長いことがわかります。 ですから、疎密を伝えることは、十分可能なのです。 【2について】 分子はばらばらに動いていますが、平均自由行程が十分短いので、 空気は「塊」として振舞うことができます。 すなわち、空気という集団を全体として見たとき、固体や液体中を音波が伝わるのと同じような考え方ができます。 【3について】 耳が痛くなるほどの音の音圧は、100Paぐらい、 音楽の音量が大きい店(クラブ、ディスコ)で、2Paぐらい だそうです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3#.E9.9F.B3.E5.9C.A7.E3.83.AC.E3.83.99.E3.83.AB 大気圧(101300Pa)に比べて著しく小さいです。 以下、蛇足。 1モルの気体のエネルギー(熱)は、状態方程式 エネルギー = PV = nRT で表されます。 n=1[モル] を代入して、だいたい 2400 J です。 つまり、1リットル当たり、2400÷24 = 100J ぐらいです。 また、2400Jをアボガドロ数で割れば、分子1個当たりの運動エネルギーになります。 2400J ÷ (6.02×10^23) = 4.0 × 10^(-21) J 以上、ご参考になりましたら幸いです。
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- touan
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私の思い違いならば失礼なのですが… あなたの頭の中の気体は、やたらと希薄な状態にあるのでは?と思われます。 ・1モルの体積 ・1モルの分子数 を前提に、 あなたがおっしゃっている「空気分子」の単位体積当りの数を計算してみてください。 恐らく、驚かれるほどの数になるでしょう。 互いに影響(衝突)するのが当然と思われるはずです。 ちなみに、互いに影響しあわなくては温度が維持できません。気圧も然りです。 その影響に「粗密」が生じるのです。
お礼
お礼が大変遅くなりまして、すみません。 おっしゃるとおり、気体をもっとスカスカの世界と想像しておりましたので、現実がその想像を遙かに超える内容で、驚いております。 お教え頂きましたことを元に調べてみましたら、 ”常温では、分子同士の平均距離は分子の直径の約10倍で、1秒間に100億回衝突を繰り返している” と言うことがわかりました(理系のための はじめて学ぶ物理「熱力学」より) これからもわからないことがございましたら、その節もどうか宜しくお願い致します。 このたびはありがとうございました。
回答になってませんが、音速は近似式で 音速=331.5 + 0.61t (t=気温、℃)なので標準大気15℃では 約340m/秒ですよ。 温度の関数になってるあたりも、ご質問の内容のキーかもしれません。 逆にどうやって音速が求められてるのか、を調べられてはどうでしょう。
お礼
お礼が大変遅くなりまして、すみません。 学校を離れて30年近く経ち、どこかで記憶間違いを起こしておりました。 おかげさまで間違いに気付くことができました。 これからもわからないことがございましたら、その節もどうか宜しくお願い致します。 このたびはありがとうございました。
- Akira_Oji
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貴方の疑問に対する答えになっているか自信はありませんが、次のようなことを考えてみてください。 (1)分子運動論で導かれる、理想気体内のだいたいの気体分子の平均速度と気体内での音速の比較。 (2)気体内での音速に比べて、液体中(例えば、水中)での音速の速さはどうか。固体(電車のレール)を伝わる音の速さはどの程度か。 (3)もし、非常に長い(例えば、30万km)鉄の棒があったとします。この棒の一端を1秒間に約10cmだけでも貴方が押すことができたとしますと、その長い棒のもう一方の端は30万km先にあるので、すごい速さで貴方が加えた変位を伝えることになります。30万km/sは光速です。棒がもっと長ければ、光速を超えることになります。棒の変位が一瞬で伝わるなら、この変位は光速を超えることになります。しかし、そんなことは起こりません。貴方が押した10cmは一瞬縮まってそれが、次々と伝わっていくわけです。10cmはちょっと無理のようですので、かなづちで一方の端を叩きます。すると鉄の棒はほとんど動きませんが一瞬縮んだ変位が「音」として伝わっていきます。もちろん、この速さは光速より小さいでしょう。 (4)もし、1つの空気の分子(窒素分子)に色を付けることができれば、この分子がどのように飛び回っているかがよく分かるのにと思います。この色付き分子を他の空気の分子(窒素・酸素)と一緒に大きな風船の中に入れます。風船は運良く膨れました。よく見れば(よく見えれば)分子と分子の間には多くの「すきま」があいているのにもかかわらず、風船は膨らんでいます。風船の膜の近くの分子たちが近くの分子と衝突を繰り返しながら、しきりに風船の膜の内側に当っています。これが風船が膨れていた理由だったのです。色付き分子は思ったほども移動せず、近くの分子たちと衝突を繰り返しながら、小さな領域で震えながら動いています。そこで風船の中にいる貴方がなにか大きな声で色付き分子のほうに向かってしゃべると、小さな領域で震えながら動いていた色付き分子は貴方の声に伴って少し前後に揺れました。まるで浅瀬の海水に浮き袋で浮いていた子供が寄せては返す波に動かされるように。 私のおとぎ話はおしまいにします。
お礼
お礼が大変遅くなりまして、すみません。 お教え頂きましたことを元に調べてみましたら、 ”常温では、分子同士の平均距離は分子の直径の約10倍で、1秒間に100億回衝突を繰り返している” と言うことがわかりました(理系のための はじめて学ぶ物理「熱力学」より) 気体はもっとスカスカの世界を想像しておりましたが、現実はその想像を遙かに超える内容で、驚いております。 これからもわからないことがございましたら、その節もどうか宜しくお願い致します。 このたびはありがとうございました。
お礼
今回も詳しくお教え下さり、本当にありがとうございました。 気体をスカスカの世界と想像しておりましたので、現実がもの凄い世界であることがわかり、本当にビックリしております。 どうかこれからも宜しくお願い致します。 ありがとうございました。