通常の無機金属であればそう心配する必要はないでしょう。問題は有機化合物に金属元素が結合している有機金属化合物です。炭素原子との共有結合(他に配位結合によるもの)による化合物は安心とはいえません。
有機金属化合物の仲間は重要な化学反応を簡単に起こしたりする触媒の働きをするものが多く、ホルモン・酵素・補酵素・ビタミンなど生命活動の上で重要な働きをしているものにも有機金属化合物が多く有ります。有機金属化合物は無機金属と違い生物体に取り込まれやすく、取り込まれると本来の化合物の邪魔をしたり、余計な反応を起こしたりしますから有害な作用を起こすことになります。(赤血球は鉄イオンとグロビンというたんぱく質の化合物とか言う具合にです。銅やコバルトなどが含まれているものが有ります。適量の金属元素は体にはなければならないものです。)
有機水銀が水俣病の原因になりましたが、当時の常識ではメチル水銀はメチル基の影響は小さく、毒性はあまりないと考えられていて、工場廃液は濃度規制されていただけでした。薄めて流せばよいとされていたためです。それが食物連鎖によって濃縮効果のために最終的に人体に蓄積されたということです。当時は有機水銀系の農薬とかも普通で多量に使われていました。
●それに対して、無機水銀(金属状態)の蒸気は有毒ですが、普通の状態ではそれほど毒性は有りません。でなければ体温計とかには用いることはできないでしょう。
(姉が子供のときに体温計をかみ割って水銀を飲み込んで『死ぬー!!』と大泣きして、家族全員で大騒ぎをしましたが、いまだ健在、なかなかのやり手です。3時間ぐらいしてお医者で胃洗浄をしてもらいましたが、その効果は?ですね。)