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人体のシンメトリの理由
人体は正中線、眉間からへそ、肛門から脳天の線において、意味的(実際には少しずつ違うのでしょうが)に左右対称です。だけれども、ウェストを境に対称ではないです。顔のある方と、背中も対象ではありません。 上下、左右、前後というのはX、Y、Z面で意味することができるように、三者は同じです。むしろ、3者であることに意味があるでしょう。 で、なんで、「そのうちの一つだけにおいて人体は対称なのか」ということが気になります。さらに、頭部の中だけが左右対称で、ほかの胴体の臓器はそうではありません。 なぜだと思いますか?生物かと思いましたが、物理のような気もします。 だけれども、なぜなぜ精神は哲学ですので、哲学に質問してみます。 よろしくお願いします。(面が三者であることも気になりますが、それは、もしよければなんでもゆってみてください。)
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動物の場合,「前後」は決定的に違いますよね. 感覚器官(目など)は前方をターゲットにしていないといけませんから. ところが,左右だけは特に変える必要はありませんから, 多くの生き物は左右だけが対称なんですね. 非対称な生き物に以下のようなものがあります. シオマネキ(片手だけ大きいカニ),イスカ(くちばしがずれて重なる.しかも, 地方によって逆に重なるタイプもある),一角獣(左の前歯が角のように伸びて いて,しかも「逆ネジ」の溝がついている),巻貝の多く, あと,ある種の甲虫の左足のみにとりつく寄生虫がいるそうです. 生物の対称性,非対称性については, マーチン・ガードナー著「自然界における左と右」(参考URL)に詳しく 出ています.文科系の方だとしたら,ちょっと難しいかも知れませんが, とても面白い本なので,チャンスがあったら是非ご覧下さい. 鏡はどうして左右を反転させるのに上下を反転させないのか,ということが 詳しく説明されています.
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- maris_stella
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発生学的に左右対称に発生するのだ、というのは答えにならないでしょう。左右対称の身体に向け、発生するように、遺伝子で決まっていると言えるからです。 上下前後左右の三つの次元で、何故、非対称が起こるかと言えば、「動物は運動し、捕食活動をする」ということが一つの基本的な理由で、それに先ずる基本条件として、「動物が活動する世界は、原則、平面(地面)上で、そこには地球の重力作用が、動物の身体にかかる」という理由があるでしょう。 四方八方に感覚器官や捕食器官や運動器官が対称的性質を持っていても、原理的によいように思えますが、動物の進化においては、激しい競争があった訳で、食うか食われるか、というのが事実条件として働いていたと思います。 このとき、より有利に相手と争い、捕食するかは、全方向に感覚器官が対称に配置されているより、特定目標に向け、感覚運動システムが方向的特異性を持って、集中的に配置された方が、相手の位置や行動の把握にしても、こちらの行動発動にしても、より精緻で、微妙で、迅速な活動、適切な行動が行えます。 捕食とか、戦いというような生存活動を行うには、一定方向に向けて、感覚器官や、行動器官が集中されていた方が、有利だということです。感覚運動の調整神経システムにしても、目標が一つの方が、より迅速に正確にフィードバックや指示を出すことができます。 前と後ろで、同時に敵と闘おうとすると、この神経系統の制御に混乱が起こりますし、反応速度や精密さでも劣ってきます(実際、複数の敵を相手にすると、行動が混乱して、うまく戦えないというのが事実です)。 従って、捕食やその他色々な活動の主要方向が決まっている方が有利で、この主要方向が、「前面」ということになります。たいていの動物は、背後から襲われると、不利だというのは、全面の方に、対抗策が集中しているからで、背面は、副次的に何とかカバーしているという機構になっています。 上下の違いは、地球の重力の存在と、地面が主な活動場所だということによるでしょう。魚などは、背鰭や目の位置、腹部と背部の色の違いなどで、上下対称でありませんが、地上で活動する動物に比べると、ずっと上下の違いが小さいです。上下対称だとも言えるかも知れません。しかし、海中でも、泳ぐのではなく、海底面を歩いたり、短距離のはねる活動をする動物、例えば、カニとかエビは、足が下にあって、上下の違いがはっきりあります。 つまり、地面を、重力のある状態で、移動するには、移動器官が必要で、これが普通「足・脚」で、足・脚は身体の下につくので、この結果、上下対称とはならなくなります。エビやカニも、足が下にあるので、上下対称でなくなるのです。基本的には、これが上下非対称の大きな理由です。 左右の対称性は、左右が対称である方が、行動に整合性が出てくるためだと考えられます。左右の腕、左右の脚、または、前足、後ろ足などは、左右が同じ機構であった方が、神経調整がより容易で、微妙な迅速な協働活動が行え、丁度、感覚器官や活動器官が前を向いて集中している方が有利であったように、左右対称の方が、神経の制御において、合理的に有利なのだと言えます。基本的に、左右対称があり、これに左右どちらかに特化した方が効果がある場合、利き腕などの分化が起こり、また、シオマネキのはさみの大小の違いなどが出てくるのだと言えます。 内蔵における左右の非対称は、内蔵臓器は、一つである方が調整的に都合がよいものは、一つしかありません。心臓などは、多数あった方が安全な気もしますが、実際は、複数あると、調整で大きな困難が出てきます。そういう質問に対する回答で、どういう問題が起こるかの回答があります。また、消化器系も、一つの方が調整し易いということがあります。 肺や腎臓は左右対称に二つありますが、肺は酸素を取り入れる器官で、腎臓は血液中の老廃物を濾過し除去する器官で、両方とも複数あった方が、動物には、より迅速な有利な行動が行えます。従って、複数あった方がよく、左右対称原理で、左右に一つづつあるのだとも考えられます。 これらの器官は、複数あっても、原理的に調整が困難なものではありません(つまり、血液循環回路のなかのどこかに挿入すればよいわけで、全体的効果からして効率のよい挿入場所が決まって来ますが、左右の腕や脚などを考えると、それに対応して左右に一個づつあると合理的だということになります)。 内臓、特に消化器系は、普通体調よりも長いです。鳥の場合は短いですが、それでも長さは体調よりも長いです。有限の容積の体腔のなかに、色々な内臓を収めるには、消化器系などは、「折り畳む」必要が出てきます。 実際、小腸などは、ぐるぐる巻いていますし、胃も、折り畳みの影響や、内臓物が、むやみに早く重力の影響で下に下りないように、少し横向きになっています。肺や腎臓は左右対称ですが、その他の臓器は、体腔のなかで、開いた場所で、うまく収めるようになっているので、左右対称ではないのです。
お礼
たしかに、脳なども丸めたティッシュのようです。しかし、その割には、形に法則性が見え隠れしているのが、目立ってわかります。脳の場合、ただ折りたたまれているのではないのかもしれません。 >その他の臓器は、体腔のなかで、開いた場所で、うまく収めるようになっているので、左右対称ではないのです。 タンスの中身みたいですね(笑。主婦の知恵が生物にも及んでいるということは、合理的なのでしょう。 >捕食とか、戦いというような生存活動を行うには、一定方向に向けて、感覚器官や、行動器官が集中されていた方が、有利だということです。 それは、一重にいうと、餌であれ、異性であれ、その目的を相手(他者)が保有しているからということでしょうか。 光合成をする植物の場合は目的が光ですので、移動できない比較的大きなものは、昆布から楠まで上を向き、その葉っぱは面で降り注ぐ光線を受けるのに、面であるのが合理的であるということがあります。 兎も角も、目的のある方が前ということになります。 杉の木などの場合は、実に、太陽の方向が前なのであり、同時に、地中の水や炭素化合物?の存在する土が前なのです。だから、上にも下にも成長する(進んでいく)のです。 (昆布の場合は周りが水ですので、話はややこしいですね(笑。いろんな状況に、生物はさらされており、またそれを選択してきたということに、とりあえずしておきましょう。) 男にとっては女が、女にとっては男が、捕食者にとっては餌が前なのです。闘い等においては逆に、反目的的なものを、退けるための「前」である場合もあります。 親にとっては子が前なのであり、そのために乳房は前についているのです。 前とは、実に生物の進むべき方向であり、重力と同じように、一方通行的な力が前後に働いていると考えるのは、かなりの急ぎ足だけれども、悪くない思考方向だと思いました。 植物が混乱を起こさず生存してきているということは、植物の主格構造も、興味の出るところですが、今はおいておきます。 人類の社会機構を構築するにあったっての、参考になるかもしれません。 >上下の違いは、地球の重力の存在と、地面が主な活動場所だということによるでしょう。 水中の場合、地上とは比べ物にならない膨大な圧力がかかります。それは、重力の変形であり、その圧力によって、魚などは何らかの形態変化を遂げているはずです。水中では、前後左右上下から圧力がかかりますが、地上では上下においてのみです。重力圏外では文字通りかからないので、そのときの人類は、頭部が真ん中の、蛸のような形を取るのでしょうか。それとも、全方向において圧力がかけられている水中とは違い、その全く逆なので、形をどういう形でとるのか、興味深いところです。形は必要ないのかもしれません。 必要とする目的が、そのときなんであるか、どこにあるか(自分にあるのかほかにあるのか)によりますが、蛸のようになってしまったら、、、がっかり?です(笑。喜ぶ人もいそうですが。ボディランゲージ、フィジカルコミュニケーションは、蛸型のほうが発達しているかもしれません。 ありがとうございました。 いろんな個が、それぞれの前にある世界を行きます。 まるで特殊相対性理論の世界です(笑。
補足
ここに総じてお礼を言わせていただきます。皆さん本当にありがとうございました。歪で、まだ先が大いに考えられうるシンメトリ考察ですが、皆さんのおかげで、ずいぶん浮上してきました。そういう意味で一段落しましたが、もう少しあけておきたいと思います。 よろしくお願いします。
- liar_adan
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まず、上下が対称でない理由は、重力の存在でしょう。 物体が重力の中で存在する場合、物体の下の方と上の方では かかる圧力が違ってきます。 重力が無視できないサイズの生物では、 特に何もしなくても圧縮によって上下の形は違うようになります。 また、生物は、「なるべくコストがかからないように形をデザインする」 傾向があります(その方が生存に有利だから)。 下はしっかり上は軽くというのが合理的な形なので、 自然にそうなっていくと思います。 人間がつくりだした電柱でも、上の方は少し細くなっています。 この場合は経済的な理由ですが、生物の場合も結局は経済(体を作るコスト)の 理由だから、似たようなものでしょう。 前後が違う理由は、「移動」の都合ではないでしょうか。 移動のためには、前後に非対称な力をかける必要があります。 単細胞生物の鞭毛虫類でも、移動方向によって前後は非対称になっています。 逆に、動かない植物は、大型になるものでも、 基本的に前後対称の構造になっています。
お礼
>逆に、動かない植物は、大型になるものでも、 基本的に前後対称の構造になっています。 確かに。彼らは上(太陽の方向)に行くためにそうなのでしょうか? きのこ類は太陽が要らないかどうかはべつにして、きのこも動かないので前後左右対称です。 >前後が違う理由は、「移動」の都合ではないでしょうか。 ふんが(笑。人間の道具も左右対称が多いですね。かなずち、レンチ、テレビ、受話器。家の屋根。綱。ギター。 なぜなぜはつきません(笑。 重力というのは一方通行であり、安易ですが、前後にも一方通行の力が働いていると考えます。加速度でしょうか。
生物の発生からいきますと・・・・(^^;(シロウトさんなのでお手柔らかに・汗) 最初にアメーバーみたいなどこが神経、どこが何って区別が 人間ほどはっきりしない生き物から発達していって、 神経の管が出来て(脊髄)、その先が塊になって(脳)、そこに感覚器が集中して(顔) ・・・という順番だったと思います。 ですから出来あがって行った順番としても中心として 考えられるのは「脊髄」「背骨」だと思います。 そこに付属物がついていったということで 背骨が中心になっているのではないでしょうか。 さて、なんで左右だけで、上下、表裏とかは違うのかって話ですよね・・・。 次元を考えるとヒントになるかも・・・。 まず1次元というのは「点」、2次元は「線」、3次元は「立体」ですよね。 生物の進化の過程もそれだと思います。 点であったアメーバ時代、そこに線(脊髄)ができて、 付属物のついた「立体」時代になって・・・。 今ふと思ったのですが、アメーバネバネバ時代には上下左右はなかったことでしょう。 ところが球だったかというと、重力の関係で扁平な形、 潰れた球にされてしまっていたことでしょう。 それが今日までの人の形に影響しているのではないでしょうか!(わー) てことで、重力のセイで、上下表裏が非対称になってしまったつーことで・・・。 余談ですが、そんな球みたいな生き物って地球上にいるんでしょうか?? ウニなんかそれっぽいけど口は下ですしねぇ(不思議)。
お礼
なるほど。脊髄ですか。原始脊髄には確かべつに呼び名があったような気がします。 >それが今日までの人の形に影響しているのではないでしょうか!(わー) それは確かにそうかも(笑。 >余談ですが、そんな球みたいな生き物って地球上にいるんでしょうか?? 重力の影響を受けにくい小さな世界ではそうかもしれません(笑。 珪藻の類にはいたような気が、ボルボックス? いかんせん、太陽の重力圏で周る地球はその重力方向にもシンメトリです。 遠心力などの問題があるんでしょうか。 謎は多いですね。 ありがとうございました。神経系を基準に対称である?という話も意外でした。立体対称とはいかな?という疑問も出てきてしまいました。
- 0shiete
- ベストアンサー率30% (148/492)
人に限らず、生物は左右対称である部分が多いと思います。 生物は、どんどん細胞分裂をして大きくなっていきますね。 生物発生の受精卵は1個(奇数)ですが、次の段階で、分裂して 2個(偶数)、次は、またそれぞれが分裂して4個(偶数)、、、 というふうになって行きます。ですから、偶数個あるというのは 進化の上で都合がいいのではないでしょうか?
お礼
>進化の上で都合がいいのではないでしょうか? どうなんでしょう(笑。 飛行機も3面のうち1面のみ対称であり、ロケットやミサイルなどは2面対称です。地球や太陽においては3面とも対象です。実には、地軸やら磁極、種々の回転軸、公転などは一面を滑る様に動いているのもあれば、軸のぶれたこまのように面を揺らしながら公転する天体もあります。 人間は、正中面において対称であるので、その面に沿って進めるのではないかと思うわけです。たまにカニ等の変わり者もいますが(笑。 その物体が、進む方向によって、シンメトリをいくつにするのかを決めている気がします。時の、一方通行性が、人体のシンメトリに関わっているんじゃないかとも少し思います。 偶数がシンメトリに関わっているという発想は意外でした。 ありがとうございます。 だけれども、桜の花びらは五弁ですがシンメトリだと、今思いました(笑。
補足
いや、シンメトリであること自体が2、4、8であり偶数ですね。細胞の分化の話は意外でした。
お礼
これはすごいですね。同じ人間、同じような文化なら同じような発想をするのかもしれません(笑。あとでじっくりHPを読みます。 >ある種の甲虫の左足のみにとりつく寄生虫がいるそうです. 左フェチですね(笑。巻貝の場合は、難しいですね。成長とともに蒔いていくわけで、植物的であると考えれます。NO5の方のいうように、折りたたむ必要があったのかもしれません。