全層施肥は、耕うんできる範囲の深さまで、均一に肥料を混ぜ込むことです。垂直方向についての肥料の分布の様子を表します。幅30cmで施肥した場合であっても、深さ20cmまで均一に混ぜ込んであれば、全層施肥です。これに対する表現は、表層施肥とか深層施肥とかです。
全面施肥は、圃場全面に施肥することです。全面施肥に対する言葉は、局所施肥とか条施肥です。
元肥の場合、「全層施肥」あるいは「全面施肥」と表現されていても、「全面全層施肥」の場合がほとんどです。元肥は全面に撒いて撒きっぱなしということはありません。また、条施肥の場合は、撒き溝や植え溝の下や側条、またはジャガイモのように株の間にやる場合がほとんどです。ミョウガやフキで植えっぱなしの場合には、畑の表面に撒いてそのままですが、厳密に言えば改植する場合以外は元肥とはいいません。
蛇足ですが、全面全層施肥は、ロータリー耕が普及してから発達した施肥法で、万能な施肥法ではありません露地栽培ではホウレンソウやコマツナ、レタスなどには合っていますが、通路が広い作物では、通路部分の肥量が無駄になります。条施肥は全面施肥に比べて8割程度の施肥量で済むといわれる通りです。
トマト、ナスなど深くまで根が張る作物に対しては、深層への割り肥と、ベッド部分への全層施肥の方が合理的です。
お礼
早々のご回答、ありがとうございます。 とても詳しい説明で勉強になりました。 感謝しております。