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FETの発熱について
学校の実験で、昇圧チョッパ回路を応用した回路を製作しています。 スイッチング素子にFETを使用しているのですが、異常に発熱し焼損してしまいます。低電圧では問題ないのですが、100V近くまで入力電圧を与えると非常に熱くなってしまいます。 実験の目的上、低電圧を対象としていないのでとても困っています。 どなたかアドバイスをお願いします。
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追記です. 大昔,400V出力のPFC(正弦波電流の昇圧コンバータ)作ったとき,出力の定電圧制御を外したら出力側コンデンサ(450V耐圧の電解コン)が破裂しました. IRF840Lは500V耐圧だったと思うけど,その時は同じ500V耐圧のIRFP460使いました. 動作条件と使用素子の詳細が秘密のようですが,コンデンサが電解なら入手性から450Vまでやろうから,そちらが先に逝くでしょう. そうすると,過電流による破壊かなとも思われるから,動作条件と使用素子から自分で計算してみてください. スイッチング電源の基本ですが,DCMのときは,インダクタLに入力電圧VinをTon期間印加すると電流Imaxは Imax = (Vin/L)Ton になります. この値を,IRF840Lの最大電流IDmax(DC)の50%以下になるようにするのが一般的です. それ以上にすると,放熱によりますが,多分壊れるでしょう. 出力電圧Voと出力電流Io,スイッチング周波数fsとし,インダクタに蓄積される電力Pは P = (LImax^2/2)fs = fsVin^2Ton^2/(2L) であり,損失を無視すると,これが出力電力になります. ∴VoIo = fsVin^2Ton^2/(2L) Io→0Aにすると,Vo→∞Vになって,アバランシェ破壊に至ります.
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- anachrockt
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CCMやCRMは,インダクタ電流がどうなっているのかを表す言葉で,電源の教科書には必ず載っています. ここの図に説明があります. http://www.cqpub.co.jp/toragi/TRBN/contents/2007/tr0707/0707dengen8.pdf CCMにすると設計が楽になって,ここの3ページ目に手法があるはずです. http://www.cqpub.co.jp/toragi/TRBN/contents/2007/tr0710/0710dengen11.pdf IR2153を使ったとゆうことは,デューティ50%の2倍昇圧を目指しているんですね. 昇圧型コンバータの問題は,DCMになると出力電圧がどのくらいになるか,計算がものすごく面倒になることです. 上で紹介した資料は,その点を難しいと逃げてますね. デューティ50%でDCMにしないようにするには,入力電圧,出力電流,スイッチング周波数,インダクタをチャンと設定しないといけません. CCMのときのダイオードは,逆回復時間(trr)が20~30ns以下のものを選択します. 普通の電源は,出力電圧を一定にするように帰還を掛けてデューティ変えていて,DCMになっても問題ないんですが,デューティ固定だと出力電流(負荷抵抗)によって出力電圧が上昇し,アバランシェ破壊(耐圧破壊)が起きます. 取りあえず,出力には定格の負荷抵抗を入れて出力電圧を監視したらどうでしょうか? IRF840Lはアバランシェ破壊耐量が規定されていて,すぐには壊れなかったはずです.
- anachrockt
- ベストアンサー率53% (229/426)
検討して駄目やったら,もう少し詳しく書いてくださいね. 回路形式(インダクタ電流がCCM or CRM or DCMか)と使用素子を. まさかPFCってことはないよね?
補足
恥ずかしいことなのですが、CCMやCRMといった言葉は初めて目にしたのでわかりません。 使用素子は、インダクタ、コンデンサ、ダイオード、FET(IRF840L)、ドライバ用IC(IR2153)です。
- anachrockt
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MOSFETの破壊については,これに詳しいです. http://documentation.renesas.com/jpn/products/transistor/apn/rjj05g0003_power_mos.pdf よくあるのは,ドライブ回路の設計が不適当だとか,ゲート電圧が振動しているとか,転流ダイオードが遅すぎるとかです. 1.ドライブ回路は,大丈夫でしょうか? 高速大電流を流せる設計になっているかどうかです. 設計は,VGS=0VでオフしているときのCissではなく,オンさせるときのQg使って行いますが,詳しくはここ見てください. http://focus.ti.com/lit/ml/slup169/slup169.pdf http://focus.ti.com/lit/ml/slup170/slup170.pdf 2.ゲート電圧波形は振動していませんか? ゲート直近に直列抵抗:10~33Ω入れます. 上記2つはオシロでゲート電圧を見ればわかります. 3.転流ダイオードが遅いと,逆回復期間に出力をMOSFETがグラウンドに短絡して,MOSFETが飛びます. 転流ダイオードには,これ速くてエエですよ. http://www.niec.co.jp/products/pdf/080411/sic_600v_sbd.pdf
お礼
丁寧な回答ありがとうございます。 とても参考になりました。もう一度検討してみます。
お礼
事情により回路の詳しい詳細を伝えることができなかったのですが、ここまで丁寧な回答をしてくださりとても感謝しています。 ありがとうございます。 これまでの回答の内容も含めて、数値計算をやり直してみようと思います。
補足
すみませんが、PFCの場合もImax,Pの式は同様のものになるのでしょうか?