スピードを高めるトレーニング
まず、ダッシュの練習が大切です。20m、30m、40m、50m、60m~100mの距離を走る練習。一本一本、休憩を十分にとる。(3~5分位)休憩を短くするとスタミナやスピード持久力のトレーニングになります(それはそれで必要ですが)。また、坂下り走、牽引走なども効果が高いです。
他に、スピードでも敏捷性、すなわちアジリティやクイックネスというものを鍛えるのには、反復横とびや、ニーアップ、サイドステップ、キャリオカ、ヘクサゴン・ドリル、アジリティ・ラン、スクエア8の字・ドリルなどがあります。
力×スピード=パワーですが、パワー(日本語で言うところの瞬発力)やスピードを鍛えるのにプライオメトリック・トレーニングがあります。具体的に言うと、ボックス・ジャンプやデプス・ジャンプ、ハードル・ジャンプ、バウンディングなどです。
他に、パワーを鍛えるものとしてはパワー・クリーンやパワー・スナッチなどのクイック・リフト、ジャンプ・スクワット、フライング・スプリット、プッシュ・プレス、メディスン・ボール投げ、タイヤ引き、ウェイト・ジャケットを着て走る、坂上がり走、パラシュート走などがあります。
さらに、筋力を鍛えるのには筋力トレーニングが重要です。大きな筋肉を中心に全身の筋力を高めなければなりませんが、特に重要なのは、大腰筋・腸骨筋(合わせて腸腰筋と言う)、内転筋、大殿筋、ハムストリングスなどです。他に大腿四頭筋、下腿三頭筋(ふくらはぎ)、背中の筋群、腹筋群なども大事です。
1985年くらいから、ハムストリングス(や殿筋)が重要であることがわかってきましたが、最近では、ハムストリングスとスプリントの成績よりも内転筋とスプリントの成績方が相関が強く、大腰筋(あるいは腸腰筋)とスプリントの成績だとさらに相関が強くなること示されています。時代はハムストリングスから内転筋、大腰筋(あるいは腸腰筋)にはいっています。
筋力トレーニングは目的によって、重さと回数と、セット数、セット間の休憩の長さが違います。筋持久力なら12~20RMで12回~20回でインターバルは30秒、筋肥大なら8~12RMでセット間1分、筋力強化は4~6RMでセット間2~3分、最大筋力・パワー(力よりのパワー)の強化には1~3RMを全速力で行いセット間のインターバルは3~4分とします。また、軽いものでスピードをつけて行うタイプの方法もあります。これはスピード寄りのパワー養成。
さらに、速く走るためには技術があります。それは重心の真下で土踏まずのやや前を中心として足の裏全体で地面を捉えることです。足首は90°でほぼ固定すること。腰と脚を同時に出し、体重を乗せていくことも非常に重要です。歩いている時から意識しましょう。最初はナンバ歩きから始めたらいいと思います。